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第二章 -大後悔-

【宿屋の食堂】


レア「はあっああああっ」


ロー「レア、ため息をつくと幸せが逃げてゆくよっ」


ウェル「おいおい、俺たちの運気をさげるなよ」


ミディ「ごは………んま………だ?」


レア「どうするんですかっ………借金がまた増えましたよ!!」


レア「300万もあったのに、何でもう借金生活に逆戻りなんですかっ!!」


レア「親切な方がお金を貸してくれたから………何とかなってますけど……」


レアは既視感を覚える。


ウェル「まったくだ………俺、生まれ変わったら毎日遊んで暮らせる王様になりたい。」


レア「まったく何もしない人が王様なんて………確実に革命で縛り首ですよっ。」


ウェル「どっかに楽して金の稼げるクエストでも………」


ストロガが入ってくる。


ウェル「おう、鴨がまたネギ届けに来てくれたぞ」


レア「もっもうストロガさんにちゃんと感謝しなきゃダメですよ」


レアは頬を染めている。


ストロガ「折り入って頼みがある………お前たちでなければ出来ない仕事だ。」


ウェル「で?いくらだ?」


ストロガ「500万」


ウェル「よし!受けた」


レア「だから………依頼の内容も聞かないで引き受けないで下さい。

   まあ引き受けなきゃ借金返せませんけど……」


ストロガ「今回はあまりにも危険なので私も同伴する」


レア「そっそうですか………」


レア(ストロガさんと旅が出来るのね………)


ストロガ「近年、沿岸を騒がしている巨大なクジラ、巨大なタコ、謎の幽霊船の調査と殲滅だ。」


ミディ「クジラ、タコ食べ放題!!」(早口)


ミディの目が輝きだす。


ストロガ「この事件には謎が多くてな………しかし帆船がもう30隻も沈められている。」


ストロガ「船員に事情を聞くと巨大なクジラから小さい魚が生まれて勢いよく船に突っ込んだとか……」


ストロガ「巨大なタコに船体がバラバラにされたとか……」


ストロガ「そして……漕ぎ手も帆も無く闇夜を彷徨うカンオケのような幽霊船」


レア「ゆっ………ゆっ……………れ………い」


レアの顔が引きつる。


ウェル「まあ、レアの魔法で遠くからドカーーーンで終了だろうな。」


ミディ「タコ……丸……焼き……クジ……ラ一匹……食べられる。」


ロー「そういう事か………ひっひっひ………」


3人は不思議と乗り気だ。


ストロガ「ラグーンの近海で何かが起こっている事だけは確かだ。」


ウェル「よしっじゃあ早速出かけるか!」


ロー「そうだね、準備は出来てるよ」


ミディ「おなかすいた」


ウェル「ストロガ、クエスト中の飲食費はお前もちだよな?」


ストロガ「ああ、むろんラグーン皇国騎士団の経費だ」


ミディ「ぐるるるるる…………まず……ご……はん。」


ウェル「ほれ、レア…出かけるぞ」


レア「ゆっ……ゆう………れい」


レア「あのっ私急におなかが………いたく………」


ロー「胃腸薬も持ってるから大丈夫」


ミディ「は……やく………」


レアはミディに引きずられながらパーティは港へと向かった。



【ラグーン港、埠頭】


ウェル「おおっデカいな………」


ストロガ「ああ、我がラグーン艦隊より選りすぐりの戦艦を借りて来ている。」


ミディ「うっひゃーたまらねえぜ!いかいかいかいか最高イカっ!!」(早口)


ミディはストロガに無理やり買わせたイカ焼きをほうばっている。


ストロガ「戦艦プリンス・オブ・ラグーン 片面8門、計16門の大砲装備だ。」


ストロガ「これほどの軍艦はラグーンだけでなくシヴァ帝国にもあるまい。」


レア「………」


ロー「レア、まだ怯えてるのかい?」


レア「いえ………」


ロー「幽霊船なんて爆裂系魔法でドカーン、終了じゃないか!」


レア「まっまあ………そうなんですけど…………それに私は山育ちで………」


ローはなぜか最近ニヤニヤしている、悪事を企んでいる人間の顔だ。



【戦艦プリンス・オブ・ラグーン 深夜】



出撃から数日、プリンス・オブ・ラグーンは凪の海で停止していた。


レアは甲板で満月を見ていた。


ストロガ「レアどの?どうされたこんな夜中に」


レア「あっすっすとロガさん………」


レア「なっなんだか眠れなくて………」


ストロガ「そうですか……私も満月の夜は胸騒ぎがして、風に当たろうと思いましてな。」


ストロガ「しかし……残念ながら今夜は風が吹いていませんでしたな。」


レア「えっええ………」


月夜に照らされたストロガは物語の中の英雄のように美しい。


レア「すっストロガさんは……その………かのじょとか……いるんっですか?」


いきなり直球、さすがにレアは天然だ。


しかし、顔を真っ赤に染めて謝罪する。


レア「わっ私ったら……すいません変な事聞いちゃって……」


ストロガ「いや……お恥ずかしい………今まで好きになった女性は何人かいたんですが………」


ストロガ「どうも私は女性の気持ちに鈍感で、また周囲の反対なども押し切れず………」


ストロガ「いやはや、まったく情けない男です。」


レア「そんな事……そんな事ないですよ!」


レア「すっストロガさんは……とっても………素敵です…………きっきっと素敵な女性が現れますよっ」


レア(そしてーその女性わー案外近くにいるかもしれませんよー)


ガクン…ガクン…


急に船が揺れだした。


ストロガ「あれは……船?なのか?」


レア「カンオケ?ゆっゆうれいせん?」


カンオケのような形をした何かがプリンス・オブ・ラグーンの前を横切って行った。


ロー「きっきた!!」


ローが突然飛び出してきた。


ロー「ネクロノミコンに記された伝承は……やっぱり本当だったんだ。ひゃっひゃひゃー」


レア「ローさん?」


ローがいつも通り変だ。


ロー「さあ、我を迎えよ。甦れ無敵の盾!!」


どーーーん


船体が激しく揺れた。


ロー「えっなんだ……こんなはずは……」


メキメキッ


船体が軋み砕ける。


バキバキッ


ロー「なっなんだコイツ……?」


レア「わーーーわーーーわーーーーー」


船は粉々に砕かれレア達は海に投げ出された。


レア「わっ……わたし………山育ちだから泳げないんです、たすけてえええええ」


ストロガ「レアどのっ!私につかまって!」


レア「すっストロガさん……」


月明りに照らされた謎の物体がストロガとレアを襲う。


レア「あれは?タコの足!?吸盤があります。」


ストロガ「エクステンド……」


ストロガは斬撃を放てない。


レア(ストロガさん、私がいるから……)


タコ足がレアとストロガを直撃した。


レアをストロガは庇うが……タコ足が巨大過ぎて二人は海に沈んでいった。



【不思議な部屋】


レア「う……ううん………」


ストロガ「レア殿!気が付かれましたか?」


レア「こっここは……ストロガさん!?」


ストロガ「レア殿……無事で良かった………」


レア「いえー、大丈夫ですー、ストロガさんのお陰ですー」


レアはゆでだこのようだ。


レアは恥ずかしさをごまかす為に起き上がる。


レア「ここは……どこなんですか?」


ストロガ「ここは不思議な部屋……この揺れは恐らく船の中だと思われますが……」


レア「部屋………」


ふしぎなツルツルした壁に二つのベットが並んでいる。


奥に扉がある。


ストロガ「風呂やかわやもこの部屋に別部屋として存在するようです……

     食事も小さな窓から差し入れられるのですよレア殿。」


レア「そっ……そうなんですか………」


レア(ストロガさんと二人っきり……そっそんな………まっ間違いが起こったら…………)


ストロガ「レア殿?」



【数日後】



レア(あれから何日たったのでしょう?)


ガコン


レア(定期的にツルツルした不思議なお盆に乗った食べ物が運ばれてきます)


ストロガ「しかし……なかなか美味ですな。」


レア「そうですね……」


レア(同じ部屋に住んでいながら……ストロガさんは素敵な紳士……)


レア(でも、ちょーっとは気にして欲しいような……)


SE:ぎゅいいいいいいん


急に体が壁に押し付けられた。


料理の乗った板は跳ね飛ばされ料理が散らばる。


レア「ぎゅわああああああ」


ストロガ「これはっ……?」


レア「何ですかあああああ、潰れる、潰れちゃいます!!」


ストロガ「船が急旋回を……」


レアは壁に押し付けられ、ストロガは器用に壁に立つ。


どどおおおん


低い爆発音と振動が伝わる


ストロガ「この船は……何かと戦っているのか?」



急に壁から地面へと放り出される。


レア「ぎゃふん」


ストロガ「止まった?ばかなっ……ここは海の上なのに……急に止まった………」


ガチャン


突然部屋の扉が開き、何者かが部屋に入ってきた。


ストロガ「おお、ぶじっ」


どごーん


ストロガが壁まで吹き飛んだ。


ミディ「………」


レア「みっミディさん、何を……なにをするんですかっ!!」


ミディ「………責任………とれない………奴は封じて………おか………な………いと………」


レア「すっストロガさん……」


不意を付かれたストロガは完全に気絶している。


レア「ミディさん、ストロガさん気絶してるじゃないですかっ!!」


ミディ「ちっ………………しぶ……とい…」


レア「?????」


ミディは床に転がった食べ物の入っていたトレイを拾う。


そして、部屋から出て行った。


ガチャン


扉が閉まる。


レア「ちょっちょっとミディさん!!出して出して下さいーー」


ガチャン


ミディ「レア……だ……けなら……」


レア「えっ!?」


レアは何が何だが訳も分からず部屋を出た。


廊下も鉄のような不思議な素材で出来ている。


レア「ミスリル……やっぱりコレはミスリル?」


魔法を100%跳ね返す伝説の鉱石……ミスリル


ミディは食べ物の入ったカートを押しながら廊下をすすむ。


レア「ミディさんは今まで何をやっていたんですかっ?」


ミディ「食べ物……運ぶ……」


レア「まさか………毎日……食事を入れてたのって………」


ミディ「そ………う」


レア「なっなっなんてことするんですか!私に気が付いていたなら出してくれても良かったのに!!」


ミディ「レアは……出しても……いい………奴は………ダメ」


レア「だいたい年頃の男女を同じ部屋に……まちがい……でも……おきた……ら」


ミディ「レ……アは……大丈夫……奴は………手を……ださ……ない」


レア「ぐぬぬぬ……ミディさん何気に私に酷いこと言ってますよ………」


レア「確かに私はまだ15歳、ミディさんに比べれば子供です。」


レア「それに………ミディさんと違って………むねも………小さめですけど………」


両方の壁に扉があり、ミディは食べ物の入ったトレイを入れて行く


レア「あ……今、食べた……」


ミディは全てのトレイから器用につまみ食いしている。


一通り食べ物を運び終えたミディはカートを置き、不思議な扉に入る。


レア「えっ……扉が開いた?誰が開けたの!?」


部屋に入ると薄暗い中に光る板状の物が浮かんでいる。


ミディ「お仕事……かん………りょう………」




???「ご苦労様ですミディさん。ミディさんのご飯は食堂に用意しておきました。今日は金曜日なので唐揚げカレーハイパー大盛MAXですよ。」


ミディ「まじかああああ、カレーハイパー大盛MAX、食い尽くす!」(早口)


ミディは残像も残さず消えた。


レア「あっ……あの………」


突然レアの目の前に半透明な10歳くらいの少女が浮かび上がる。


挿絵(By みてみん)


???「レア様!?お久しぶりです!?」


レア「はい、私はレアですが?……お会いした事ありましたっけ??あなたは?」


???「ああ、そうですね失礼致しました。

    私はアイン・ト・プフ……今はこの船の艦長をしています。」


レア「ゆっ……ゆう………れ……い」


アイン「これは立体映像です。半透明なのは幻覚の類の魔法だと思って下さい。」


レア「魔法……これがですか?」


アイン「はい、遥か太古の魔法のような技術です。」


レア「えー艦長という事は……やっぱりここは船なんですね?」


アイン「はい、この船は『コルゴーン』、皇帝竜と戦いし英雄達の生き残り……バスターズの一翼いちよく


レア「ばすたーず?」


アイン「今の世を生きる方々には関わりない事です。お気になさらないで下さい。今は……まだ………」


レア「………!?」


アイン「ソナーに感あり、魚雷確認。」


ロー「後部VLSハッチ開放、アスロック起動」


ロー「この……力を………ふへへへっ………僕がぼくがぼくがあああ………ひゃっひゃひゃああああああ」


よく見ると……ローが椅子に座ってオカシクなっている。


レア「ろっローさん何を……何をしているんですか?」


ロー「デイタム固定、方位ふたひゃくごじゅう度、距離さんマルけー、アスロック発射用意!」


ロー「うちーかたはじめええええい。」


アイン「アスロック発射を確認………飛翔を確認……着水いまっ、ターゲット固定、海中誘導を開始します。」


アイン「アスロック破砕を確認。恐らく魚雷により迎撃されたと思われます。」


ロー「ぎょっぎょらいだとおおお?アスロックを迎撃出来る魚雷……えっエルフのやつらかあああああああ」


レア「ろっローさん、どうしたんですかっ?いつにも増して狂ってますよ!?」


ロー「はあ?ああ…レア…みっ見てよっこの世界最強の力を今は僕が操っているんだ。

   この力っ……最高にきもちいいよ、はっはっはっはあああああ」


レア「あの……なんか悪いラスボスみたいなんですけど………」


アイン「敵艦、レーダー感度なし………」


ロー「逃げられた?」


アイン「はい、残念です。」


ロー「くそっ、まあ良い………最強の力は依然として我が元にあり!!

   世界よ僕にひざまずけ。ひゃっひゃっひゃああああああ」


レア「いや………私が滅ぼしたいのはローさんのような感じの人なんですが………」


アイン「…………………………………………」


ウェル「あーおわったか?」


リクライニングシートから起き上がったウェル。


ウェル「アイン。俺、ピザ食いたいんでよろしく!ハラペーニョとたっぷりダブルチーズシーフードのクオーターな。

  他はお前に任せる……俺の好みを勘違いすすなよっ。

  あとビールやウイスキーもコッチが言う前に出せ。それが常識だ。

    解ってるか?気持ちだっ気持ちでサービスするんだぞ!」


アイン「はい……ウェル様の仰せのままに……」


ロー「僕は子羊。子羊のローストビーフ。なんか背徳的で最高だよね。ふふふっ……はーっはっはああああ

 あとワイン、何だか血みたいで最高じゃないか。ひゃははははああああ」


アイン「………はい……ロー様………仰せのままに…………」


アインは悲し気に下を向く。


ウェルとローは出て行った。


レア「アインちゃん……弱みを……弱みを握られたんですね………あのクズどもに…………」


アイン「……………」



【コルゴーン甲板】



レア「ふうっ……これで良しっと」


あれから3日……レアは甲板で洗濯物を取り込んでいた。


この洗濯物はプリンス・オブ・ラグーンの乗員たちの物だ。


タコの化け物に襲われ沈没した所に『たまたま』通りかかったコルゴーンが救助してくれたとの事……


レア「しかし何度見ても不思議な船……こんなミスリルの塊が水に浮かぶなんて………」


アイン「この船は……遠い遠い海の向こうで生まれたんです。」


レア「わっ……………………アインちゃん!?」


半透明なアイン・ト・プフが隣に立っていた。


ぽーっと海を見ながら……まるで夢を見ているかのように話し出した。


アイン「仲間たちは皇帝竜に滅ぼされ………」


アイン「生き残ったこの船は神、悪魔、精霊、エルフの力と技で生まれ変わりました。」


アイン「生きとし生ける者が最後の希望を託した勇者達………バスターズ」


レア「皇帝竜?エンペラードラゴン!?本当にいたんだ………」


アイン「全ての存在がその殆どを犠牲にして……皇帝竜を滅ぼしました」


アイン「その後、私たちは生き残った仲間を探す旅に出ました。」


アイン「でも…彼女は……狂って……しまったんです………」


レア「彼女?彼女ってダレなんですか?」


アイン「彼女の名前は『ソリュー』今、私たちが戦っている相手です。」


レア「えっ!?女性なんですか!?」


アイン「はい……私の姉です……」


レア「お姉さんと戦って……かわいそうに……」


レア「仲直り出来ないんですか?」


アイン「彼女は……長い時を生きるうちに……人の心を無くしてしまいました。」


アイン「あんなに優しかった姉上……今では船を襲い人を殺め続けています……」


アイン「悲しいですけど破壊しなければなりません……」


レア「アインちゃん……」


アイン「皆さんを陸に運んであげたいのですが……停泊すればこちらが破壊されます。」


アイン「すいません……レア様には……貴方だけには真実を知っていただきたかったんです。」


レア(私だけには? まあ、あのクズ共より私の方が信用出来ますからね。)


どおおおおおおおん


船が揺れる。


アイン「ロー様、CIC艦橋、情報連結をお願いします。」


船外にローの叫び声が響く。


ロー「アイン、船が……船が何かに取りつかれたみたいだよ!!」


巨大なタコ足が甲板に絡みつく。


レア「えっええええ、このタコは……」


アイン「クラーケン……やっぱり私たちを狙っていたんですね。」


レア「クラーケン………」


レアはうつむいた。


レア「船……クラーケン……海賊……大冒険……」


アイン「レア様!?」


レア「アインちゃん、ストロガさんを連れてきて下さい。あとミディさんも!!」


レア「その間、私が何とかしますっ!!」


レアはやる気満々だ!!


アイン「はい、お願いしますレア様」


焦りまくったローの悲鳴が船外に響く。


ロー「ああああっ魚雷っ魚雷が来る!!」


アイン「ロー様っアスロックを起動して下さい。」


ロー「だっダメだ。後部VLSハッチ解放エラー、タコ足にからまれてアスロックが打てないんだっ」


アイン「レア様、後部VLS……船の後ろの四角い宝箱からタコ足を引き離して下さいっ!」


レア「おまかせっ!天より来たれっ……天罰のいかずち……ラグナロック・サンダー」


ごろごろっぴしゃーん


空中にイカズチが線を描く


レア「あれ???」


タコ足に変化はない。


ロー「レアっダメダメ……電撃はこの船の避雷針装甲に吸収されるからっ」


ロー「あと、氷もダメ……VLSハッチがタコ足ごと凍る!」


レア「えっ……そんなっ……でもファイヤー系は船が火事になっちゃうし……」


アイン「大丈夫ですレア様っ、この船……コルゴーンは皇帝竜の火炎に耐えるようリファインされた船、火炎魔法は利きません」


レア「解りました、地獄の魔獣よ我に従えっドラグーン・フレア・クロス」


二本の火炎の渦がタコ足を襲う。


ロー「よしっCIWS起動完了。どんどんタコ足を外してっ」


ストロガ「ここは私にお任せをっ」


ストロガが甲板に飛び出してきた。


ストロガ「エクステンド……」


アイン「だっだめです……エクステンド・カリバーはVLSハッチを破壊出来ます。危険です。」


半透明なアインがストロガの前に立ちふさがった。


ストロガ「ぬっ………先ほど私を解放していただいた……アイン殿ですかっ…………そのお姿………」


ごきゅ


ストロガ「ぐっがあ………」


ストロガが倒れる。


レア「えっストロガさん!?」


ミディがストロガの背後から現れる。


レア「きゃああああ、ストロガさんっ、ミディさん何てことするんですかっ!!」


ミディ「あぶな……かった………」


レア「ストロガさんがいないとダメです。ミディさんの処刑剣じゃタコ足を切れないんですよっ!!」


ミディ「レア……サ…ンダー……」


レア「えっ!?」


ミディ「さっきの……もう……一度」


レア「いや……だから……」


ロー「うわあああっ、魚雷接近。もうダメだっ!?」


ミディ「レ……ア、氷の……魔法……あっ……ち…うっ……て……」


レア「わっわかりました。」


レア「地獄の底のさらに底、我が命ずる来たれコキュートス・アイス・ランス」


氷の矢がレアのロッドからほとばしる。


カキーン、カキーン、カキーン、カキーン


ミディの処刑剣が生み出された氷の矢を弾き飛ばした。


どーーーん


水面に水柱が二つ上がる。


ロー「やったっ!魚雷破壊音を確認。凄いよミディ」


アイン「インビシブル・ミディと呼ばれしお方……やはり最強。」


レア「やっぱりこの人……人間性はともかく……凄い……」


ミディは少し赤くなる。


ロー「わっ魚雷航跡2(ぎょらいこうせき、ふたっ)また来るよっ」


ミディ「レア…サン……ダー」


レア「解りましたっ…お任せしますっ。」


レア「曇天よ、我に裁きのイカズチを与えん……」


曇天が広がりカミナリがほとばしる。


ミディはコルゴーンの真ん中に立つ柱を蹴り、飛翔した。


レア「天罰のいかずち……ラグナロック・サンダー」


ぴしゃっ、ごろごろ、どおおおおおん


甲板に爆音が響く。


閃光の中、ミディが空中より飛来する。


レア「えっ…………!?」


ミディはカミナリの光が宿る処刑剣でタコ足を切り裂いた。


アイン「こんなっ……ミディさんって……本当に……人?」


ロー「VLSハッチ解放、アスロック発射用意。うちーかた始めっ。」


コルゴーンの後ろの方から炎が上がる。


レア「えっ!?」


炎を吹き出しながら柱が飛んで行く。


水柱が二つ上がる。


ロー「魚雷破壊を確認。」


ロー「アイン……やるよ」


アイン「はい、ロー様……お願いします。」


ロー「魚雷発射地点にデイタムを設定、アスロック全弾を発射、うちーかたはじめ。」


4本の柱が飛んで行く。


落下傘が開きアスロックは海面に吸い込まれて行った。


アインは海の向こうへ敬礼をした。


アイン「忘れないから……ずっと………お疲れさま……ソリュー」


一際大きな水柱が上がる。


ロー「ソリューの破壊を確認……アイン……終わったね。」


アイン「はいっ……」



【コルゴーン甲板 夕方】



水平線にラグーンの艦隊が見える。


アイン「ストロガさん、プリンス・オブ・ラグーン船員の皆さんの下船を確認しました。」


ストロガ「本当に助かりました。ラグーンを代表してお礼を申し上げます。アイン殿。」


ストロガ「しかしアイン殿………」


ストロガ「この船、コルゴーンにはラグーン皇王猊下こうこくげいか直々に破壊命令が出ているのです。」


ストロガ「どうか……どうか……今のうちに………遠くへ………」


ロー「あーでも完全に囲まれてるよ」


ストロガ「なっなんたる事……我々がこの船を去れば総攻撃が始まる…………のか!?」


ストロガ「アイン殿っ……我々と共に来てください。コルゴーンの艦長だとは誰も思わないでしょう。」


アイン「ストロガ様、ご配慮ありがとう御座います。でも私はこの船を離れる事は出来ないんです。」


ストロガ「なんとっ……この船と運命を共に……なんと気高きお方なのだ……」


ストロガ「では……私は……この船に残り戦いましょう。」


ストロガ「騎士団の皆がきっと艦隊を説得してくれるでしょう。」


アイン「いえ……お気持ちはありがたいのですが……私には使命があります。どうぞお帰り下さい。」


ストロガ「アイン殿……」


ストロガ「私は……私は最近……恋を……恋をしました。」


アイン「恋ですか…………?」


レア(わっわっわー私の私の事ですねっ……いきなり……みなさんもいるんですよっ)


ストロガ「そして……この航海の間……彼女を……この命に変えても守りたいと……そう強く思ったのです。」


アイン「…………はい。」


レア(ストロガさん……そんな気持ちだったんですね)


ストロガ「私は本当に臆病で卑怯な………男………その女性に告白する勇気も無く……言葉も浮かんでこない。」


レア(ストロガさんが……こんなにも私を……思ってくれるなんて……レアっ貴方も勇気をだすのっ)


レア「ストロガさん……私も……わたしも……すっストロガさんの事………」


ストロガ「……………………………………」


レア「好き……です……」


ミディ「………」


ウェル「………」


ロー「………」


ストロガ「私13歳以上はストライクゾーン外なので、お気持ちだけ受け取っておきますぞレア殿」


レア「はっ?えっ?いま……なんて………!?」


ストロガ「アイン殿……貴方の為ならこの命、少しも惜しくはない。」


アイン「えっ………!?」


アインの半透明な体にトリハダとジンマシンが浮かぶ。


カキーン


ストロガ「ぐっあ、アイン……ど……の………」


ストロガは地に伏した。


ウェル「ぎゃはははははあ、フラレタ……ロリコンのドヘンタイに……ひゃはははははっ」


ロー「うぇっウェル……ダメだよっ笑っちゃ……レアがかわいそうだよ。ぷぷっ」


ミディ「レア………ざ……ん……ねんな……子」


レア「うぬぬぬああああああああああああ、蘇れ地獄の業火よ。

我が魂と引き換えにっ降臨せよ冥王。全てを焼き尽せ、ハデス・フレイムっ・ジェノサイ……」


レア「もがもがっ」


ミディ「あ…ぶない……」


呪文発動寸前でミディがレアの口をふさいだ。


レア「もがもがあああああああ」


ロー「じゃあねアイン、この危険物達は僕が責任もって持ち帰るから。」


アイン「はっはい……おっお願いします……」


ロー「ふふふっ……じゃあまた会おうね……アイン」


アイン「はい………………………………マスター……ロー」



【ラグーン艦隊旗艦カイザー・オブ・ラグーン】



ストロガ「はっ……ここは………」


カイザー・オブ・ラグーン艦長「おおっ、気が付かれましたかストロガ殿っ!」


ストロガ「あのっあの船は……アイン殿はっ!?」


カ艦長「これから総攻撃に移ります。」


ストロガ「そっそんなっ……あのお方は遭難した我々を助けて下さった……のに……」


ストロガ「ラグーンの商船や戦艦を沈めていたのは別の船とクラーケンで……それらは、あのお方が排除されたのですぞっ」


カ艦長「これは猊下げいかの勅命……」


ストロガ「くっ……なんて……なんて事だ………アイン殿………」



【ラグーン港】



ウェル「いやーやっぱり地面は落ち着くなっ。」


ロー「そうだねー。でもあの船の食べ物って最高だったよね」


ミディ「おい………しかった………」


ウェル「しかし、あの船の中でアイン以外の人間に会わなかったな……コックはどこにいたんだ?」


ロー「あの船は……アインだけがいれば、操縦も料理も大丈夫なんだ。」


ウェル「ほーそりゃスゲエ。」


レア「みなさんっなんて薄情なっ!アインちゃん……これからラグーンの無敵艦隊に捕まって

 何をさせられるか解らないんですよっ、殺されてしまうかも……」


ロー「はははっ……人ごときが彼女をどうこう出来るとおもってるのかい!?

 相手が同じバスターズじゃなきゃ皆殺しだよ。」


レア「そういえばローさんはなんか詳しそうでしたね?」


ロー「むしろ無敵艦隊の旗艦に連れて行かれたストロガの心配をした方がイイかもよ」


レア「そんな……ラグーン無敵艦隊はシヴァ帝国にすら恐れられる凄い艦隊なんですよっ、

   一隻の船でなんとか出来る訳ないじゃないですかっ」


レア「アインちゃん……お願い………逃げ切って………」


ローは今日も何故かニヤニヤしていた。



【コルゴーンCIC】


アイン「艦船の脅威を確認、主砲、CIWSシウス起動……敵勢力の殲滅を検討……承認。

  『護衛艦こんごう型エルフィン改コルゴーン』…戦闘状況を開始します。」

挿絵(By みてみん)



【新聞】

ラグーン無敵艦隊壊滅、全ての船が沈む、騎士団長ストロガノフ生死不明、シヴァ帝国は本件への関与を否定。


レア「えっえええええええええっ!!」


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