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第一章 -絶望の塔-

【居酒屋】


レア「はあっああああっ」


ロー「レア、ため息をつくと幸せが逃げてゆくよっ」


ウェル「おいおい、俺たちの運気をさげるなよ」


ミディ「ごは……ん………まだ?」


レア「どうするんですかっ!!借金がまた増えましたよ!!」


ウェル「貸してくれる処がまだある!それが大切だ!」


ロー「うん、そうだね、それが素晴らしい!!」


ミディ「ご……はん………は?」


レア「あのですねえ………皆さんの武器防具も担保に入ってるんですよ?」


レア「親切な人がお金を貸してくれたから何とかなりましたけど……」


レア「でも、なぜお金が無いんですか?」


レア「ミディさんの圧倒的食費を引いても前回の報酬がまだ残っているはずなんですけど?」


ロー「あっそれはアレだよっ………アレ………………アイテムとかも必要だし………………」


レア「そういえばローさん神官なのに何故かポーションや聖水をいっぱい持ってますね………」


ロー「マジックポイントがキレた時用………………」


レア「私、今のローさんが神聖魔法使った処見た事無いんですけど」


ロー「使わない魔法こそ真の魔法なんだよ、おっともうこんな時間………ちょっと教会に行ってくる」


ローはそそくさと宿を出て行った。




【街角】


ロー「そっそこをなんとかっ」


挿絵(By みてみん)

シャリア「ふんっカスがっ」


土下座をしたローが女性に頭を踏まれている。


物陰からレアが覗いている。


レア「えっ………あれは?」


ロー「今日の処はコレでっ………」


ローは女性に金を渡した。


シャリア「なんだコレだけ?」


シャリア「仕方がない………さあ、きなっ」


ローはそそくさと路地裏に消えて行った。


レアはあまりの事にぱくぱくしている。


レア「なっなっなっ!?アレはいったい………!?」


ふと誰かに肩を叩かれる。


ウェル「まあまあ、見なかった事にしてやれよ」


ミディ「あの………女………………いずれ………………………殺す」


何故かミディは機嫌が悪かった。


レア「かなりの額を渡してましたよっ!?」


レア「ローさんが横領をして………あの女の人に貢いでいたんですね………………」



【路地裏】



隊長「いたかっ?」


兵士「いやっ……すばしっこい奴で……」


隊長「早く探せっ……我々の命だけではすまないぞっ!!」


兵士「はっはい」



【宿屋(夜)】


レア「ローさん……誰なんです?あの女の人?」


ロー「えっえっ?誰の事かな?」


レア「あの銀髪のお姉さんの事ですよ」


ロー「銀髪?あっああアイテム屋のおばちゃんかな?」


レア「アイテム屋のおばちゃんには見えませんでしたが?」


ロー「はっははっ………若作りなんだよ…………」


レア「へー」


血まみれの12才前後の少女がフラフラと入ってきた


???「くっ…」


レア「ちょっとあなた、大丈夫?」


???「ここに………フォルトという冒険者はいますか?」


レア「えっ……フォルトさん?どこかで聞いたことがあるような……ないような……」


ミディ「……………………………………………………」


ロー「その人は…………………………」


ウェル「死んだよ」


シャル「なっなんじゃと………最強の勇者と称えられたフォルトが…………なぜ………」


ミディ「……………………………………………」


ロー「………………………………………………」


ウェル「……………………………………………」


レア「皆さんそのフォルトさんとお知り合いなんですか?」


ウェル「まあ、人妻に手を出しまくって旦那達にぶっ殺されたとでもしておこう、

    奴の名誉のためにもな」


レア「名誉とかそういうレベルじゃ無いような……」


レア「ところで貴方は?」


???「我が名は……シャル…………シャルじゃ」


シャル「フォルトのような腕利きの冒険者を探しておる………」


シャルは気を失い倒れた。


レア「ちょっちょっとシャルちゃん大丈夫?ローさん回復魔法を!!」


ロー「あっいや……ヒールポーション取ってくる」


レア「とりあえず私のベットに運びましょう」


レア達がシャルを運ぼうとした瞬間、大男が店に入って来た。


ストロガ「いったい何事だ?血痕が店の前に………え………え?」


ミディの体が一瞬、陽炎かげろうのようにゆらいだと思うと入ってきたストロガに

右ストレートを打ち込んだ

仰け反った所に目にも映らぬ速さで首筋にかかと落としを入れる


ストロガは気を失い地面に吸い付くように倒れた。


レア「ちょっちょっとミディさんなんて事を!!ストロガさんですよっ!!」


いきなり色々な事が起きて混乱するレアは地面に突っ伏しぴくぴくしているストロガに近づく、

次の瞬間ミディの雷のようなケリがストロガのみぞおちに食い込んだ。


レア「みっミディさんどうしちゃったんですか?」


レア「というか……素手の方が明らかに強いんじゃ………」


ロー「ああ、ストロガなら大丈夫、その程度じゃ死なないから………それよりレア、この子の治療手伝ってよ」


レア「えっ私がですか?」


ウェル「まあ、コンプラ的に女じゃなきゃな………

    ミディはそのゴミクズを見張っておいてくれ、起きてきたらケリを入れろ、

    死なない程度にな、まあ最悪死んでも構わんが…………顔はマズイ、ボディーを狙え」


ミディ「了………解」


ミディ「いつ…か……こ…んな………日が………来…ると……おもっ…て………た」


レア「いったい何事ですか????」



【宿の部屋】



ロー「これでよしっっと」


レア「ローさんクレリックなのに傷の手当が得意なんですね?」


ロー「いやー僕はエコ重視だから…使わない魔法こそ真の魔法なんだよ。」


レア「へー」


少女は身震いしつつ意識を取り戻した。


シャル「くっここは……おぬしらが手当してくれたのじゃな?」


レア「気が付きましたか?」


シャル「余は……いや、私は………」


シャル「この傷は………野犬に噛まれたのです。」


レア「野犬に!!かわいそうに!!!」


ロー「ん?矢を引き抜いた傷に見えたんだけど……気のせいかな?」


ウェル「で、ストロガという名前に心当たりはあるか?」


シャル「ストロガ?誰ですか?」


ウェル「なるほど冤罪か………ストロガが蹴り殺されないうちにミディに伝えてくる」


シャル「あなたたちはフォルトのパーティの方々なんですか?」


ロー「うん、まあ昔はね」


レア「フォルトさん…………あれ?私なんで覚えてないんだろう?」


ミディとウェルが部屋に入ってきた。


シャル「皆さん……私を助けて下さい。」


シャル「クエストの依頼がしたいんです」


ウェル「おいおい、おじょうちゃん俺らは高いよ。とても君のおこずかいじゃ………」


シャル「これで足りますか?」


シャルは懐から札束を3つ取り出した。


レア「さっ………さんびゃくまん………」


ウェル「うっ……まっまあ……今日の所はその金で………まけといてやるさ」


ロー「神はいたいけな少女を救えと言っている気がします、三百万で……………」


ミディ「焼肉……食べ……放題」


レア「ちょっちょっちょ、皆さん!!依頼の中身も聞かないで!!」


シャル「悪い魔法使いをやっつけて………宝物を取り返して欲しいんです」


ウェル「お安い御用だ、俺達には天才魔法使いレアがいる」


ロー「うん、相手が魔法使いならレアだね」


ミディ「レア……がん………ばれ……焼肉………のタ………メ」


レア「ちょっと皆さん……また私だけに戦わせようと思ってませんか?」



【聖大河教団 司教国内部】



レア「聖大河教団、聖なる大河を崇め、ラグーン皇国、シヴァ帝国に膨大な信者を持つ大教団」


レア「私たちはシャルちゃんの依頼を受け、ラグーン内にある司教国に潜入しました」


ウェル「うわー辛気臭い連中ばっかりだな」


ロー「ウェル、声が大きいよ、誰かに聞かれたら大変だよ。マジキチばっかりなんだから」


レア「ローさん……あなた………一応、、聖大河教の神官ですよね………」


ミディ「お肉………」


ロー「この中では肉や酒は無いから……何故か禁止なんだよ」


ミディ「くっくそくそくそくそくそ、ここは地獄」(早口)


シャル「みなさん、すいません、でも……悪い魔法使いはこの司教国の中にいるんです。」


ロー「ミディ、我慢すれば焼肉食べ放題がさらに美味しくなるよっ」


ミディ「しかた………ない」


ロー「じゃあ、ここで一旦お別れだね

僕は神官宿舎、シャル、ミディ、レアは女性信者宿舎、ウェルは男性信者宿舎だから」


ウェル「まあ、仕方ないか………じゃあな」


ウェルは男性用宿舎へと向かって行った。


レア「ローさん、いいですかっ、この中では貴方だけが頼りです、

   一応、いちおう、いちおう、神官の端くれなんですから」


ロー「レア……いちおうが多いよ……端くれでもないし………」


レア「私たちが困ったら助けに来てくださいねっ!」


ロー「うっうん……まあ、女性宿舎は神官宿舎に近いから、何かあったら駆けつけるよ」


レア「絶対に約束ですよっ!!」


レアは物凄く不安になった。




【聖大河教団、ラグーン司教区、女性信者宿舎宿坊】



ミディ「まず………い………少………ない…………」


ミディ「おな………かすい………た」


レア「ミディさん、今食べたばっかりですよ?」


ミディ「まずい……少ない……肉無い……」


レア「精進料理しょうじんりょうりですから……」


シャル「ふっ我が幼少期にむさぼっり食らった腐った残飯に比べれば、

    志高の晩餐と言っても過言ではない味であったがな……」


レア「えっ?シャルちゃん?」


シャル「あっ、いえ私の家は貧しかったので、ここの料理は美味しく感じました。」


レア「そうなんだ」


レア(あの300万はどこから出てきたお金なんでしょう?)


シャル「あのっレアさん、知ってます? あの……うわさ」


レア「うわさ?」


シャル「この宿坊しゅくぼう……オバケが出るらしいんですよ!」


レア「オバケ?そんな……シャルちゃん、ここは神様の街ですよ、オバケなんて……」


シャル「でもっ……若い女の人が何人も行方不明になったって……きっとオバケにサラワレタんですよっ」


レア「シャロちゃん怖いんでしょ~でも大丈夫、イザとなったらオバケくらい私の魔法で滅殺よっ」


シャル「レアさんすごーい」


シャル「そうですよね、近くに神官のローさんもいますし……」


レア「あの人は当てにしない方が……きっとオバケに取り殺されます……………神官なのに…………」


レア「ところで『悪い魔法使い』っていう人はどこの誰なの?そろそろ教えて」


シャル「はい、最近この司教国内で若い女性が行方不明になる事件が続発しています。」


シャル「そして、お化け……アンデットが深夜に俳諧しているという噂があります。」


レア「おばけが深夜に?」


シャル「その犯人が私のお父さんが持っていた秘密の本……ネクロノミコン」


レア「ネクロノミコン………死者の書………でもあの本は禁書なはず………」


シャル「はい、だから私のお父さんが管理していたんですけど盗まれてしまって」


レア「なるほど」


シャル「まったく本の一冊も管理出来ないクズ……死んで当然じゃな」


レア「えっ?」


シャル「えっ……ああ、お父さんは……死んでしまったんです。」


レア「そうなんだ、かわいそうに」




【深夜】



コツコツコツコツ


レア「ひっ」


レア「シャルちゃん………]


シャル「………………………………」


レア「ミディさん………」


ミディ「すーぴーーーにーーーくーーーーーーーぐぬぬぬぬ」


シャルもミディも完全に熟睡している。


レア「オバケは出ないですよね~」


レア「幽霊とかオバケ………神的な方ああああ~頑張って下さい~オバケを駆逐してくださいいいいい」


レアは限界だ。


レア「シャルちゃーん、ミディさーーん、お話しましょう~」


カーシャ「何を騒いでいるのですかっ!!」


レア 「おっおばおばっ……たっ、おたすけ………………………」


カーシャ「怖い夢でも見たのですか?」


レア 「へ?」


レア「えっ、あっ、いえ、そういう訳では……」


カーシャ「では、もうお休みなさい。聖大河のご加護のあらん事を……」


レア(素敵なシスター様………)




【午前2時】



レア「朝は……朝はまだですか?」


???「きゃゃあああああああああああ」


外から女性の悲鳴が聞こえた


レア「わーわーわー聴いてない、私聴いてませんから!!」


シャル「出たようじゃな」


ミディ「おはよう」


シャル「さあ、行くぞっ!」


レア「いやっオバ……オバケ……」


シャル「レア、早く行くぞっ!!」


レア「ひーーーーー無理ですーーーー」


シャル「まったく……まあ、仕方ないかのう。臣下は恐怖を持って統治すべきじゃ」


シャルは邪悪な笑みを浮かべる。


シャル「レアさん、なっ……なん……ですかっ……その子?」


レア「えっえっ?」


シャル「レアさんにしがみ付いてる白い子の事ですよっ!!!」


レア「ぎゃあああああああああああ」


シャル「はっ早く外に出てっ!!」


レア「おっおたすけえええええええ」


レアは完全にパニックを起こし外へ飛び出した。


ミディ「ここ……8階………」


シャル「まあ、レアさんは飛翔の魔法も使えますし……」


シャル「私たちも行きますよミディさん。最高級特上焼肉と最高級ワインは目の前ですよっ」


ミディ「悪い魔法使い、ぶっ殺す!!」(早口)



【道路】



レア「いったーーーーい」


8階から落ちたレアは地面に落ちる直前に飛翔の魔法で何とか助かっていた。


レア「はっ?」


レア「白い子供っ?白い子供がっ!?」


レア「私はアナタのママじゃないんですよ!助けてええええええ!」


ロー「レア?何やってんのこんな所で」


レア「ろっローさん、肩書だけは神官ですよねっ!?白い子供を何とかしてくださいいいいいいい」


ロー「はあ?頭でも打った?または怪しい薬でも……白い子供?」


レア「付いてませんか?私にしがみ付いていませんか?」


ロー「いやー僕には何も見えないけど?」


レア「ダメ神官!無能神官!ゼロ能力者!わーーーーーーん!!」


シャル「ローさん?」


シャルとミディが修道院から出てきた


ロー「あれシャルにミディ……どうしたのコレ?」


シャル「えーっと、レアさんが突然怪しい電波に支配されて………そんな感じです。」


ロー「ああ、なるほど、そんな感じだね」


ローは気にしない事にした。


ミディ「レ………ア、残念な………子……」


シャル「悲鳴が聞こえたんですけど?」


ロー「ああ、女性の悲鳴だったね」


シャル「ぐっ……この匂い………」


シャル「忘れもせぬ………我が母の腕の中で赤子の頃から嗅ぎ続けた匂い………人間の腐敗臭………………」


ロー「えっ?」


ミディ「囲ま………れた………」


シャル「ゾンビ………まんまとおびき出されたという事か………」


シャル「レア、出番じゃ!!焼き払えっ」


レア「ひーーーーーオバケーーーーー」


シャル「奴らを良く見よっ!」


レア「ぎゃああああああ、オバケえええええ。」


シャル「焼き払えっ!!死にたくなければっ」


シャル「それとも奴らに生きながら食われたいのか?」


レア「そっそんなあああああああああ」


レア「甦れっ地獄の業火っ、ハデス・フレイム・マックスバーストっ」


完全にパニック状態のレアの魔法がゾンビを焼き払う。


シャル「レアっやりすぎじゃ!!大火事になるっ……氷の魔法で火を消すのじゃっ」


レア「えっ!、こっこおり?アイス・バーン・コキュートス!!」


辺りが凍り付き火が消えさる。


シャル「よし、ゾンビは始末出来たようじゃな。」


ロー「わっ」


ローは派手にすっころんだ。


地面がカチコチに凍っていて皆歩けなくなった。


暗闇に怪しい影がゆれる


???「くっくっく……なかなかやるじゃないですか?」


シャル「お主がネクロノミコンを………」


???「ええ、ゾンビ程度ではあなた方を倒せないようですね。」


???「さすがはフォルトのパーティ、少し甘く見ていました。」


シャル「ネクロノミコンと神罰銃を返せば命だけは助けてやっても良いぞ。」


???「神罰銃?ああ、あのガラクタの事ですか?大層な金庫に入っていたので一応持ってきましたが?」


???「ここで確実に仕留めなければ禍根かこんを残しそうですね……」


???「いでよ古の大賢者達……神に背きし者どもよ……再び現世に現れっ」


ボロボロのローブをまとった人間のようで決して人間では無い者が3体現れた。


シャル「くっ、リッチを召喚したか……まずいな……形勢不利じゃ………」


シャル「奴らに物理攻撃や魔法は効かぬ!」


シャル「ロー、ターンアンデット!」


ロー「えっ………あっああ………闇を滅せよターン・アンデット・フィジカルっ!!」


ローは水の入ったフラスコを投げつけた。


カシャン


フラスコは割れた。


リッチは少し嫌な顔をした。


レア「ローさんっ、なんで、なんで、なんで、

   神官なのにターン・アンデットが唱えられないんですかっ!?」


レア「新人神官でも出来る事なのにっ!!」


ロー「いや……これはエコ時代の新しいターン・アンデットで………」


シャル「来るぞっ!」


リッチが迫ってくる。


かざした両腕には漆黒の火球がぼんやりと浮かんでいる。


地面が凍っていて逃げられない。


レアはファイヤーボールを連射する。


リッチの手前で全ての魔法は消滅した。


レア「なっ、魔法障壁?なんていう力……」


???「当然だ、この方達はかつての大賢者、不死の欲望に負け自身をアンデットと化したリッチ」


???「駆け出し魔法使いごときに勝てる相手では無い」


ミディ「打つ」


ミディのはなった爆弾矢はいつも通り外れる。


ロー「我が名において命ずるっ。くたばれアンデット!」


ローの投げた聖水がリッチに命中した、またちょっと嫌な顔をされた。


リッチが黒き火球を放つ


レア「もっもうダメっ」


シャル「我は……ここまでしか来れぬ者であったか……みじめじゃな。」


ロー「もうダメだああああああ」


ミディ「最……高……級焼……肉、儚い……夢………」


全員が死を覚悟した瞬間。


リッチの放った火球が四散する。


レア「なっ!?まっまさか!!」


ストロガ「危ない所でしたな、レア殿」


???「きっ貴様っ……ストロガっ!?」


ストロガは凍った地面を滑りながら移動している。


ストロガ「聖なる魂よ我が剣に宿れっ……」


???「くっそ、やれリッチども!!」


ストロガ「エクステンド・クロス」


ストロガの剣から斬撃が生まれ、見えない刃がリッチ達を切り裂いた。


青い炎を発しリッチは燃え尽きた。


???「くっ……くそっ……ストロガ……あれがエクステンドカリバー?」


ストロガの斬撃が首領の右手に傷を付けた。


レア「ストロガさん…………」


レアはポーっとしている。

目がハートマークだ。


???「引けっ……今日の所は…………ストロガ、この屈辱、忘れぬぞっ」


アンデットの首領と思しき人物は霞のように消え去った。


レア「ストロガさん……」


ストロガ「レア殿、お怪我はありませんか?」


レア「はい……ストロガさんのお陰です………」


レアは顔を真っ赤に染めている。


ストロガ「レア殿……」


レア(ストロガさん……私を助ける為に……駆けつけてくれたんですね)


ミディ「殺す、カス、ウセロ」(早口)


ロー「ストロガ……早く奴らを追わなきゃ!」


レア「皆さんっ!ストロガさんに助けてもらったんですよ!」


ミディ「奴………は………危険……責任とれ………ない………………」


シャル「エクステンドカリバー?失われたバスターズか?」


ストロガ「では私は奴を追う、皆は宿舎で待機されよ」


レア「はい、ストロガさん、どうぞご無事で……」


ストロガ「レア殿、また後日お会いしましょう。」


レア「はいー、ぜひー」


ストロガは路地を駆けて行った。


レアは顔から耳から真っ赤だ。


ロー「あーまあ、帰ろうよ」


ミディ「もん………だい………ない、お……腹空い……た。」


シャル「あのエクステンドカリバーをあそこまで使いこなすとは……面白き男よのう。」



【翌朝、食堂】



レア「ストロガさん………」


シャル「ふふふっ、レアさんはストロガさんが好きになったんですね。」


レア「いやっいやああああ……そんな好きとか………そういうんじゃあ…………ない…………で、す。」


カーシャ「みなさん、昨日誰かに襲われたんですって?」


シスターカーシャが声をかけてきた。


レア「そうなんです、そしてストロガさんに助けてもらったんですー」


カーシャ「まあ怖い。でも皆さん。他の方が怖がりますから、その話はしないで下さいね」


シャル「もちろん誰にも言いませんよ」


シャル「シスター・カーシャ……」


カーシャはビクッとし身構えたが、すぐに平常心を取り戻した。


カーシャ「では、またお会いしましょう………シャルローテ様、ふふっ」




【司教国路地裏】



シャル「犯人が解りました、シスター・カーシャです。」


レア「えっ!?なんで?」


ミディ「右……手…包帯」


シャル「流石はミディさん、」


レア「でもそれだけじゃ………」


シャル「図書館で調べたんですシスターカーシャの事……」


シャル「名簿によると年齢65歳でした」


レア「えっ?どう見ても20歳くらいですよっ?」


シャル「おそらくネクロノミコンの秘術で若返っているのでしょう」


レア「周りの人たちは気が付かないんですか?」


シャル「周りのシスター達はすでに彼女の支配下にあるんでしょう。」


ロー「心を操る秘術………禁呪ばっかりだね」


シャル「太古の大賢者が記したという恐ろしい知恵の結晶なんです。」


シャル「攻められると厄介なので、先手を打ってこちらから研究室に乗り込みましょう。」


レア「でも狭い所だと私の魔法が……」


シャル「ミディさんも爆弾は禁止ですよ」


ミディ「うっ………」


シャル「私、この町で面白い物を見つけたんです。」


シャル「異教徒を拷問し処刑する為の道具として使われていた古代の剣」


ミディ「ダメ……とがってるのは………」


シャル「もともとは太古の少年剣闘士達がコロッセオで使ったとも言われています。」


ミディ「無理……」


シャル「その名も『処刑剣エクゼキューショナルソード』これなら使えるでしょう」


シャルは銀色に鈍く輝くこん棒のような剣(金属バット)をミディに渡した。


ミディ「!?」


ミディ「とっ……とがって……ない!?」


シャル「伝承によると1人で9人を相手に出来たという武器です、市場で買っておきました。」


レア「というか……ミディさんって………先端恐怖症なんですか?剣士なのにっ!?」


ミディ「行こう……この町……の……物……美味しく…………ない。」


レア「えっストロガさん呼ばなくても大丈夫なんですか!?」


ミディ「ヤツは…………来る…………シャル………………気を……付けて」


ロー「僕も注意するよ」


レア「????」


シャル「さあ、行きますよ……悪い魔法使いを退治しましょう。」


シャルはニヤリと笑った。



つるぎの塔】



シャル「さあ、ここにシスターカーシャの研究所があります。」


レア「シャルちゃん……何で解ったの?」


シャル「お父さんの知り合いが調べてくれたんです。」


ミディ「はやく………入る」


ミディは剣の塔の入口を処刑剣で吹き飛ばし、処刑剣を肩に担いで入っていった。


レア「えっえっえっ??」



【剣の塔1F】


塔の入口を入ると少し広めのホールに出た。


奥の方に螺旋階段が見える。


パーティが塔の中に入ると奥の方から何かが立ち上がった。


シャル「くるっ」


剣やこん棒をもった骸骨が立ち上がった。


レア「きゃああああああ、がいこつ、骸骨ですよっ」


シャル「炎の魔法は効かない!ミディ殲滅するのじゃ」


ミディ「おま……か……せ」


ミディの姿が一瞬ゆらぎ…骸骨兵の頭蓋骨が粉々に砕け散った。


レア「えっ……あの大ぐらいのくせに役立たずだったミディさんが……まるで別人みたい………」


レア「あれが……本来の実力………やっぱり凄い人達なんだ………」


瞬く間に全ての骸骨兵が粉々に砕け散った。


ミディは処刑剣を肩に担ぐ


ミディ「すごく……イ…イ………尖っ……て……ない」


シャル「なんという剣技……太古から伝わるバスター・ミディの名は伊達では無かったのじゃな…………」


挿絵(By みてみん)

カーシャ「ガーディアンのスケルトンが一瞬で破壊されるとは……」


カーシャは螺旋階段の最上部からこちらを見下ろしている。


カーシャ「やはりあなた方を倒すには命を賭けないとなりませんね。」


カーシャ「今こそ甦れっ猛き伝説の勇者!わが魂を食らいて地獄の門を開け、甦れっ『フォルト』」


カーシャの周りに立ち込める黒い霧が人型を形勢する。


ミディ「お兄………ちゃ………ん」


ロー「まずい、逃げよう。」


フォルト「…………………………グラビティ」


シャル「フォルト……じゃと………一時撤退じゃ!!」


レア「えっえっえ?」


剣の塔上空に黒い重力の塊が生まれた。


カーシャ「フォルト、何をやっている、奴らを皆殺しにしなさい!」


剣の塔が軋む。


カーシャ「なにっ!ああああああああっ」


漆黒の重力の塊が剣の塔を押しつぶし、聖大河司教国の中心部を飲み込んだ。



【聖大河司教国内】



シャル「全員無事かっ」


ミディ「な・・・んと・・・か」


レア「はいー無事です」


ロー「いたたっ……ヒールポーション……あれ落とした?」


シャル「あれはグラビティ・ボム……フォルトの必殺技じゃな」


レア「まだです、まだ終わってません!!」


上空に浮かんでいるフォルトの姿が見えた。


シャル「レアっ最大火力っ魔力が尽きるまで打ちまくれっ」


レア「ふぁい、ファイヤーボール・フルバースト」


レアの周りに無数の火球が生まれフォルトに放たれた。


しかし、フォルトは全てを無言でかわす。


レア「ダメです、当たりません」


フォルトは何かを詠唱しているようだ。


ロー「まずい……この魔法は………司教国が吹き飛ぶっ」


ミディ「お兄………ちゃん…………」


ストロガ「レア殿、私に飛翔の魔法を!」


突然現れたストロガが叫ぶ。


レア「大気の聖霊よ彼にご加護を!フライ・フレイ・フロー」


ストロガの体が宙に浮き、ストロガのエクステンドカリバーがフォルトを捉える。


振り下ろされたエクステンドカリバーは空を切った。


フォルトは身の丈ほどの光り輝く杖を取り出しストロガを殴りつける。


ストロガ「くっああああああ」


ストロガは地面に叩きつけられた。


レア「ストロガさん!」


ロー「だめだっスピードが違いすぎ……相手が悪すぎる……僕たちじゃフォルトを倒せない……」


シャル「万事休すか………」


ミディ「レア…さっ…きの…ファイ……ヤーの……奴……もう一度やって…………」


レア「ファイヤーボール・フルバーストですか?」


ミディ「そう………でも……打たな……くて……イイ」


レア「解りましたっ!ファイヤーボール・バースト」


レアの周りに無数の火球が生まれる。


ミディ「お兄ちゃん………ゴメン」


かきーーーーーん


ミディはレアの生み出した火球を処刑剣で弾き飛ばした。


が、フォルトは避ける。


かきーーーーーん

かきーーーーーん

かきーーーーーん


ミディは目にも止まらぬ速さで火球を打ち続ける


フォルトは二発目、三発目と避けるも、四発目が下半身に命中


なんとか状態を立て直したフォルトだったがミディが弾き飛ばした複数の火球が直撃する。


バランスを崩し落下するフォルト


シャル「ストロガっ今じゃっ!!」


ストロガ「フォルト……許せっ………エクステンド・クロス」


ストロガのエクステンドカリバーがフォルトに届いた。


十字に体を切り裂かれたフォルトは霧となって消えていった。


カーシャ「ばかなっ……フォルトが敗北するとは…………」


瓦礫の中からシスターカーシャが現れる。


各所から流血し満身創痍だ。


シャル「年貢の納め時じゃのう…シスター」


カーシャ「ぐっがああああああああ」


シスターカーシャが急にもがき苦しみだした。


レア「いったい何が?」


ロー「ああ、リボ払いが限界を超えたんだ。」


レア「えっ?リボ???」


カーシャ「あの……あのお方に………もういち……ど………愛され……たか………」


地面を転げて苦しんでいたカーシャがピタッと止まり何事もなかったかのように立ち上がった。


???「まいどーカーシャはん、英雄召喚の魔法お買い上げあざ~す」


???「でも、お支払い出来ないのは困りまっせ!」


???「と、いう訳で担保の体と魂はコチラで回収させていただきまっさ。」


ロー「あ、オマエは?」


???「あれ?ローはんやありませんか、ごっつ懐かしいでんな~」


???「あ、そうそう、わて今日からカーシャって名前になりましてん、以後お見知りおきを!!」


ロー「カーシャ、ネクロノミコンと天罰銃をこの子に返してやってくれ」


カーシャ「ん?ああ、この服の中に入ってるコレでんな?」


カーシャ「懐かしのローはんの頼みであれば、しゃあない!貸しでっせ!」


カーシャはローに分厚い本と手に乗るくらいの小さな杖のような物を手渡した。


カーシャ「まあ、ローはんはブラックですよって……ご利用できませんが、

今、ご紹介キャンペーン中でんねん。聖職者の方ご紹介で素敵な景品が抽選で当たりまっせ!」


カーシャ「ほな、さいなら!!」


カーシャは霧のように消えた。


ロー「これが……ネクロノミコン………天罰銃」


シャルが何かを察したのかうつむく。


シャル「時間をかけ過ぎたか……ローよ、それらは……そなたに託す。」


いつの間にかシャルの周りを見たこともない兵士たちが取り囲んでいる。


兵士「シャルローテ様、お迎えに上がりました……宰相様もご心配なされておりますぞ」


シャル「うむ、大儀である……では帰るとしよう。」


シャルは振り向きもせず馬車に乗り込み去っていった。


レア「シャルちゃん………」


ロー「ネクロノミコン………そして天罰銃」


ローは物凄い悪い顔をしていた。



【町の宿屋】



カランコロン


ウェル「ああ、遅かったなっ。お宝は見つかったのか?」


レア「あ………………あまりに役立たずなので忘れてました。」


ウエイトレスがレアにそっと近づき何かを渡した。


レア「ん?せいきゅうしょ?25万???3日分の滞在費と飲食代!?なんですかっコンパニオン派遣料って!!」


レア「ウェルさん……初日に帰りましたねっ……私たちが戦っている間、飲んだくれていましたねっ!」


ウェル「まあ細かい事は気にするなって、じゃあクエスト達成祝いに最高級焼肉でも食べに行こうぜ!!

    300万だぜ、ひゃっはーーーーー」


レア「ダメだこの人……もう……どうしようもない。」


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