第二章プロローグと続く階段
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あと、ゴブリンマエストロ登場の回ですが、なんというか違和感すごいやおかしいとの意見がすごいので、後々すべてのゴブリンマエストロが登場する回は修正を加えます……
あの夜。
魔鋼の鎌を作成してから、たっぷりとその後も《錬金》をし続けた結果、色々と作り上げることが出来た。
最初に作った魔鋼の鎌。
それに加えて、いつも鎌を振っていた右手だけでなく、左手でも攻撃できるようにもう一本魔鋼の鎌を《錬金》で作り上げた。
その際、SPを使って【二刀流】というスキルも取得しておいた。
二刀流ってかっこいいよね。
……まあ、二刀流ってところに引っ掛かったが、そこはしっかり対応するのも確認済みだ。
だから、かっこよさだけで選んだわけではないぞ? 本当に。
あと作り上げたものは、壊れた時のための魔鋼の鎌が数本。
【上級棍棒術】用の野球バットのような形に仕上げた、トゲがついた魔鋼の棍棒。
その他武器スキル用の武器などなどだ。
これらのものは、朝起きてきたリーアに頼んですべて【付与魔術】の《付与》で攻撃ステータス上昇の追加能力を付与してもらっている。
すべての武器の対応するスキルは取得しているから、《スキル付与》する必要はないからな。
一応俺の【身体能力強化】を《スキル付与》することも考えたけど、効果は重複しないみたいだし。
単純なステータスの強化能力を《付与》するだけで十分だ。
そんな作業を終えた今、俺は──
「フンッ!」
「ゴブァ!?」
──ダンジョンである、ゴブリンキングの巣でゴブリンナイトの首を両手剣ごと魔鋼の鎌を使って斬り落としていた。
場所は昨日、丸焼きにしたゴブリン達が大量に集まっていた建物の跡地。
そこでなぜか建物を再建するように作業をしていたゴブリン達を遠目で確認し、【アイテムボックス】から魔鋼の鎌を取り出して斬りかかったのだ。
「ハァ!」
「グギャ!?」
そして、新たに出来上がった魔鋼の鎌を試すためにゴブリン達に斬り込み、一振りで残っている最後の二体のゴブリンを斬り伏せる。
「うん。やっぱり以前の鎌よりも使いやすいな」
以前の鎌と比べて魔鋼の鎌の威力や取り回しのしやすさなんかを試すようにゴブリン達を相手にしながら呟く。
やはり鎌のサイズも重さも以前より増したことで、攻撃できる範囲も広くなったし。
あとは当たり前だが、最初からあまり気にはしてなかったけど、壊れることを気にすることもなくなった。
そして【二刀流】の練習も兼ねて両手に魔鋼の鎌を持って戦ってみたが……これは良い。
単純に手数が増えたし、どっちでも戦技を使うことが出来るし。
片方の手でなんとかする必要がなくなったからな。
「それにしても……やっぱりここってなにかゴブリン達にとって大事な場所なのかな?」
俺は、地面に落ちている倒したゴブリン達のドロップアイテムを見渡しながらそう呟く。
一回潰したはずの、昨日丸焼きにした建物だったが、俺が再度様子を見に来たら、今度は石材で建物を作ろうとしていたし……
わざわざこの場所に、建物を作らなきゃいけない理由があるのか……?
「……ダメだな。やっぱり情報が足りない……」
今のところ、俺が把握しているのは、
・このダンジョンは魔王軍のもの。
・元は俺の魂に統合されたレッサーレイスと一緒にこの世界に来て、"境界の管理者"さんの監視から逃げたゴブリン二匹が繁殖し、今のように大群になった。
・ゴブリン達はなにかしらの方法で繁殖スピードを上げていると思われる。
・ゴブリン達はなにかしらの方法で進化できる個体を増やしている。
・ゴブリンだけではないが、エスカリアさんを狙っている。
こんなところか?
だけど、これらの情報ではゴブリンの行動原理がエスカリアさんを狙うためだけなのか、それともなにか別の目的があるのか分からない。
この建物をまた再度建てなきゃいけない理由もわからないし……
「……とりあえず、建物を作ってなにかをしようとしてるなら邪魔しておくにかぎるか……【吸魂】」
俺はそう呟きながら【吸魂】を使い、その待ち時間の間にゴブリン達が集めていた石材を持ち上げる。
そしてそのまま石材を【アイテムボックス】へと入れていく。
おそらく、俺に燃やされたから石で建てて燃えないようにしようとするつもりなんだろうが……
「建材がなきゃ作るものも作れないよなぁ~」
俺は石材を【アイテムボックス】に入れてから笑みを浮かべながら呟く。
まったく、甘い甘い。その程度でなんとか出来るわけがないのに。
……だけど一応他に建物が建てられていないか確認だけしとくか。
もしかしたら、建物があるのはここだけじゃないかもしれないし。
「【飛翔】」
俺は【吸魂】が終わっているのを確認してから【飛翔】のスキルを使って、浮かび上がり、【感覚強化】で強化された視覚を使って建物のようなものが作られていないか探す。
「……あ? なんだあれ」
俺は周囲を【飛翔】で上空から見て回りながら不思議な光景が見えた。
探していた建物のような物はないが、さっき俺が奪ったような石材を複数体で肩に担ぐようにして運んで、階段から上がってくるゴブリン達がいる。
「……なるほど、下があるのか。なるほどね」
その階段からどんどん石材を運ぶゴブリン達が上がってきているので、俺はそのゴブリン達の正面に着地する。
「ゴブァ!?」
「遅い! 《飛鋭斬》!」
俺は突然現れた俺に驚き声を上げるゴブリン達の首を狙って飛ぶ斬撃の戦技である《飛鋭斬》を放つ。
放たれた《飛鋭斬》は一列に並んで石材を運んでいたゴブリン達の首を全て斬り裂く。
「……ふぅ……よし」
俺はゴブリン達の首が落ちて、血飛沫をあげながら倒れるのを見てから、階段の先を覗く。
……うーん、先が見えるかとおもったけど、見えないな。
この草原しかない空間に出るまでの洞窟みたいに、天井も壁も床も淡く光っているから、先が見えるかなって覗いてみたけど……
ダメだな。俺の【感覚強化】で強化された視力でも直線になっている階段の先が見えない。
……正直この階段をおりたり、のぼったりするのは億劫なんだけど……行かないわけにはいかないよな。
「ま、ここから降りてみるしかないか……」
ゴブリン達もさっき回収した石材を下から運んでいるみたいだし、下には何かがあるんだろう。
とりあえずはこの階段を降りてみるしかなさそうだ。
「……はぁ……仕方ない……行くか」
俺はため息を吐きながらも階段の先へと歩いて行くのだった。
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