アイテム回収と死霊魔術
リアクション5500、ブックマーク2800件、評価ポイント6200pt、総合評価ポイント12000pt突破本当にありがとうございます!
「それにしても……多いなぁ……」
ドロップアイテムがなぜか無事な事に違和感を覚えたが、それを気にしていたら負けだ。
これからは、ダンジョンだけじゃなくて、ファンタジーなものはそんなものだと割り切った方が良いな。
しかし、そんなドロップアイテムだが……本当に多い。
見えてる限りでも十以上は軽くあるんじゃないかな。
「しかもあの建物の中にもあるんだろ……? ……落ちてるドロップアイテム全部の回収は無理か……?」
壁の中にあるたった一つだけのかなり大きな建物を見て、そんな気がしてくる。
建物は壁に隠れるだけの高さしかないけど、それでも俺よりは当然大きいし、むしろ小さなゴブリンよりも遥かに大きいゴブリンファイターが普通に入れる大きさだ。
だから、中を回ってドロップアイテムを全部回収するのは面倒で大変だろうなぁ。
しかも凍っているとはいえ、元々燃えていたからからかあちこち中が見えるようになるぐらいにはボロボロだし。
「……あ、そうだ。【死霊魔術】を使ってみるか」
死霊魔術師に転職してから一度も【死霊魔術】を使ってなかったな。
転職してばかりだったっていうのもあるけど、【氷魔法】みたいに自由に考えた魔法を使えるって訳でもなかったし。
【死霊魔術】は使用できる魔法が決まっている。
そんなたった一つの【死霊魔術】の魔法がこちら。
────────────────────
【死霊魔術】
・死霊魔術を使用することが出来るようになる。
・魂や死した体を操る事が出来る。
【使用可能魔法】
《サモン・スケルトン》
・魔力を使用し、スケルトンを召喚する事が出来る。
・召喚者に対して絶対服従。
・使用魔力:20
────────────────────
この《サモン・スケルトン》が【死霊魔術】で唯一使える魔法だ。
内容としてはスケルトンと呼ばれる、おそらく動く骨格模型のような存在を召喚する事が出来る。
使用魔力は20と低くはないけど、俺の今の魔力ならそこまでたいした量ではないから問題はない。
「《サモン・スケルトン》!」
ということで、早速連発から回復してきた魔力を使用して、《サモン・スケルトン》を使用する。
すると、俺の目の前に紫色の魔方陣のようなものが現れ──
「カタカタカタカタ」
──そこから俺の予想り、人の形をした骸骨が現れた。
手にはなにも持っておらず、腰に身につけてる物もない。
着ている服すらも無い。
シンプルな学校の理科室なんかにありそうな骨格模型のようなスケルトンだ。
「え~っと……これ本当に言うこと聞くのかな?」
【死霊魔術】のスキル説明には《サモン・スケルトン》で召喚したスケルトンは召喚者である俺に対して絶対服従らしいけど……本当にそうか?
「カタカタカタカタ」
スケルトンは召喚されてから俺の方へ視線を向けたまま動かない。
うーん……どうしようか。
とりあえずは動かしてみるか。
「スケルトン、君にはあの建物に入って、このリュックに魔石を入れてきて欲しいんだけど、出来るか?」
「カタカタカタカタカタカタカタカタ」
俺がそうスケルトンに伝えると、スケルトンは頷くように首を縦に振った。
「……よし。じゃあ出来るだけたくさん集めてきてくれ。危ないと思ったらすぐに帰ってくるように」
「カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ」
俺はスケルトンにそう伝えながら【アイテムボックス】からリュックを取り出して、そのまま渡す。
すると、スケルトンはリュックを受け取ると、建物に入っていく。
……本当に指示通り動くんだな。
まあ、崩れそうで危なそうな建物に入らなくて良いからありがたい。
「さて……俺は地面に落ちてる物回収するか……」
スケルトンに建物の中の魔石を回収してもらえそうだし、俺は建物の外に落ちているドロップアイテムの回収をしよう。
……にしても、ドロップアイテムのある場所は凍ってないから探すのは楽だな。
魔石に武器防具、お金などを片っ端から【アイテムボックス】へと放り込んでいく。
「カタカタカタ」
「うぉぉ!?」
ドロップアイテムを回収していると、突然背後からスケルトンが現れた。
スケルトンはリュックを俺の前に置くと、カタカタカタカタと音を立てている。
「……もう集めてきたのか?」
「カタカタカタカタ」
スケルトンが頷くように首を縦に振る。
えぇ……仕事早いなぁ……
まあ、早いに越したことはないからありがたいけど。
「あ~じゃあ武器とか防具とかも回収してこれるか?」
「カタカタカタカタ」
俺はスケルトンにそう言うと、スケルトンが頷くように首を縦に振る。
……いや、スケルトンが頷く仕草をするたびにカタカタ鳴るのはなんなんだ?
てか頷く以外の仕草で返事してほしいんだけどな……
「じゃあ、よろしくな~」
「カタカタカタカタ」
俺はそう言いながらスケルトンの頭を撫でるとスケルトンはカタカタ鳴ってから頷く。
そしてパンパンになったリュックを俺の近くにおろしてからそのまま再度建物へと入っていく。
「……あ~……そっか、今回はリュックを持っていけって伝えてなかったからリュックを置いていったのか」
よくも悪くも、《サモン・スケルトン》で召喚したスケルトンは俺の指示に忠実らしい。
スケルトンに命令するとしたら、出来るだけ詳細に伝える必要があるってわけだ。
まあ、その辺は今後またちゃんと伝えれば良いだろう。
「……よし、まだまだドロップアイテムは落ちてるし、俺も頑張るか」
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ブックマーク、評価、いいね、ありがとうございます。
続きが読みたいって思っていただけたのならブックマークと広告の下にある☆☆☆☆☆に★★★★★評価をしてくだされば作者のやる気がマシマシになりますのでぜひお願いします。




