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ファイターとマエストロ

リアクション4500、ブックマーク2600件、評価ポイント5500pt、総合評価ポイント10700pt突破本当にありがとうございます!


感想もありがとうございます!

 壁に燃えてないところがなくなったら、最初にいた門があったところ方面へと戻る。

 【気配感知】の方へと意識を向けると、中ではだいぶ慌てているのか、あちこちに逃げ惑うように気配が動いているのがわかった。


 よしよし。

 いい感じだな。


 気配が時間が経つごとに消えていっているような感じもしてるし、このまま全滅してくれれば俺としては嬉しいんだけど……


「ゴギャアアア!!」


 ……まあ、そんな簡単に行くわけもないか。

 いくつかの気配が、慌てるようにあちこち移動するような様子もなく門までやってきたかと思うと、叫び声と同時に燃えている門が吹きとばされた。


「あぶな!」


 吹き飛ばされた門は砕け、燃えながら飛んできた木の破片は俺に向かって飛んできたので慌てて避ける。


 飛んで来た木の破片の出所を見ると、そこには門を壊したであろう、ゴブリンが持っていた棍棒を石製にして大きくしたようなものを持ったゴブリンがいた。


 ……まあ、間違いなく新種だな。

 あの大きさのゴブリンはちょっと見たことないな……


 そんなゴブリンの後ろから、何体かのゴブリン達が燃え盛る建物から飛び出してくる。


 その数は九体。

 中には巨大な石製の棍棒を持ったゴブリン以外にも見たことのない風貌のゴブリンもいた。


 そのゴブリンは他のゴブリンが着ていない服のようなものを着ていて、腰に細い片手剣いわゆるレイピアを携えている。


 それに、そのゴブリンは指輪のようなものをつけていた。


「【鑑定】」


 まだ距離はあるので、見たことない二匹のゴブリンに向けて【鑑定】を使用してステータスを確認する。


 ────────────────────

 名前:なし

 種族:ゴブリンファイターLv.16


 体力:1289/1450

 魔力:25/25

 攻撃:983

 防御:670

 俊敏:245

 器用:107

 知力:113

 幸運:49


 所持SP1

 取得スキル:【棍棒術Lv.9】【怪力Lv.6】【頑強Lv.4】【威圧Lv.7】【物理攻撃耐性Lv.4】【魔法攻撃耐性Lv.2】

 魔法スキル:なし

 固有スキル:なし

 ────────────────────


 ────────────────────

 名前:なし

 種族:ゴブリンマエストロLv.10


 体力:587/630

 魔力:584/584

 攻撃:450

 防御:342

 俊敏:438

 器用:569

 知力:661

 幸運:30


 所持SP3

 取得スキル:【棍棒術Lv.2】【指揮Lv.4】【統率Lv.6】【細剣術Lv.3】【思考加速Lv.3】【集中Lv.2】【器用強化Lv.2】

 魔法スキル:【風魔法Lv.3】

 固有スキル:なし

 ────────────────────



 ふむ。

 どうやら棍棒を持っているゴブリンはゴブリンファイターという種族で、剣を持っているゴブリンはゴブリンマエストロという種族らしい。


 それにしても……急にめちゃくちゃ強くなったな!?

 ゴブリンファイターなんてHPが1000を超えてるし、攻撃ももうすぐ1000になるじゃん!?

 しかも、物理型のステータスに加えていくつか見たこともないスキルがあるし……


 これ、ホブゴブリンとかの一回進化したゴブリンが更に進化したんじゃないのか?

 見た目からして一目で違うってわかるくらいは見た目も変わってるし。


 ゴブリンファイターはホブゴブリンよりも筋肉質で、棍棒もめちゃくちゃでかいし石製になってるもんなぁ。


 ゴブリンマエストロの方はステータスがバランスよく、知力が高いぐらいしか特徴はないが、【指揮】や【統率】などの見たことないスキルを持ってるし……


 絶対あの二つのスキルを持ってるゴブリンマエストロを自由にさせたらまずいよなぁ。

 指揮官的なスキルだし、ゲームなんかでも経験があるけど、優秀な指揮官がいると本当に面倒なことになることは確実だ。


 だけど、二匹とも若干だが、HPが削れている。

 多分燃えている中を突っ切ってきたから、その時にダメージを受けたのか?


 それにしても……やっぱり二週間ぐらいしか経ってないのに、ゴブリンがここまで強くなるのはおかしいだろ!?


 これはなにかあるな……俺の【吸魂】のようなスキルを持っているようには見えないし、この急成長にもなにかタネがあるはずだ。


「ゴブァァァァ!!!」


 おっと、見つかっちゃったかこれ?


 ゴブリンマエストロが腰に携えていたレイピアを抜き、俺の方へと向けて叫んでいる。

 それに続くようにしてゴブリンファイター達も俺へと叫んで突撃してきた。


 うるさいよ!


 突撃してきた中の先頭はゴブリンファイターで、その後ろにはホブゴブリンが三体。

 突撃してこないゴブリン達は、護衛のように残っているゴブリンナイトにゴブリンマエストロ、ゴブリンメイジ二体にゴブリンクレリック。


 うわぁ……しっかり陣形組まれてる……厄介だなぁ。

 だけど……


「やるしかないよなぁ! 《荒れ狂う鎌風》!」


【アイテムボックス】から鎌を取り出し、突撃してきたゴブリンファイター達に向けてスキルを使用して《荒れ狂う鎌風》を放つ。


 放たれた鎌による斬撃はゴブリンファイターの棍棒で防がれてしまうが、防ぎきれなかった他の攻撃はホブゴブリン達の体を切り裂いていく。


 ……てか、当たり前のように防がないでくれよ……


「ゴブゥ!」


 《荒れ狂う鎌風》を使用した結果に若干戦慄しながらゴブリンファイターを見ていると、ゴブリンマエストロがレイピアを指揮棒のように振るいながら叫ぶ。


 すると、その指示に従うように傷ついてたはずのホブゴブリン三体が一斉に動き始めて、俺に向かって突撃してくる。


 速い……!


「《アイスショット》!」


 怪我するよりもよりも動きが速くなったホブゴブリンに対して、《アイスショット》を放つが……


「グギィ!!」


「グガァ!!」


「ゴガァ!!」


「嘘だろぉ!?」


 《アイスショット》はホブゴブリン三体に当たったが、三体は当たったにも関わらずそのまま突撃を続ける。


 嘘だろ!? 


 倒せないにしても、今の俺のステータスならホブゴブリンぐらいなら止めることが出来るだろ!? 

 それなのに突撃してこれるのか!?


「《ガァァァァァ》!!!」


 しかも、その後ろからゴブリンファイターがホブゴブリン達と同じように動きが速くなって、それだけでなく棍棒に赤い光を纏わせながら突撃してきた。


 ……うん! これは無理!


「【霊体化】!」


 俺はそう判断した瞬間、【霊体化】で霊体になる。

 その瞬間、ゴブリンファイターの戦技が地面に叩きつけられ、すさまじい量の砂ぼこりが巻き上がった。


「……ゴブァ?」


 砂ぼこりが晴れると、突然俺が消えたことにゴブリンファイターがはてなマークを浮かべているのがわかる。


 しかし危なかったな……


 にしても、突然速くなったのはゴブリンマエストロがレイピアを振ってからだったし、原因は【指揮】か【統率】のスキルか?


 ……やっぱりゴブリンマエストロは自由に行動させたらダメなタイプだったな。

 まあ、【指揮】や【統率】のスキル名を見たときからそんな感じはしてたんだけどさ。


「さて……となると倒すならゴブリンマエストロからだな」


 ……でもなんだろう。


 ゴブリンマエストロとゴブリンメイジとめちゃくちゃ目があってるんだよな……

 もしかして見えてるのな?


 だけど、ゴブリンマエストロが俺のいる方にレイピアを向けているけど、ゴブリンファイター達はキョロキョロあちこちに視線を向けるだけで俺のことは認識できてないように見える。


 ……【霊体化】しても、見えてるやつと見えてないやつに差があるのか?


 共通点は……魔法スキルを持っているか……か?

 そう考えてみれば納得がいくな。


 現時点で【霊体化】している俺に攻撃できるのは魔法攻撃だけだろうし。


「……うし。それじゃあゴブリンマエストロ達からやるか」


 狙うなら指揮官や後方支援してくるやつらからってね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

ブックマーク、評価、いいね、ありがとうございます。

続きが読みたいって思っていただけたのならブックマークと広告の下にある☆☆☆☆☆に★★★★★評価をしてくだされば作者のやる気がマシマシになりますのでぜひお願いします。

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一気読みしました! んで一言・・・吸魂便利すぎ~www ヒロイン?とメイドとのラッキースケベハプニングに期待!!
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