休憩とエスカリアさんが狙われる理由
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その後、エスカリアさんとソフィアさんの服と下着。
ついでに、ソフィアさんに頼まれたメイド服用の布など日用品を購入し、長い買い物が終わり、ショッピングモール内のカフェへとやって来た。
ちなみに、買った荷物は一部カモフラージュのものを残して、それ以外はすべて俺の【アイテムボックス】の中だ。
エスカリアさんは、ベージュの膝上程度の長さのスカートに白いシャツ。
その上に、黒のカーディガンという組み合わせだ。
ソフィアさんは、白いシャツに、黒のタイトスカート。
ソフィアさんは自分でメイド服のようなものを選んだと言っていたが、エスカリアさんは、店員さんに着せかえ人形にされた結果だ。
いや~美少女だったからかかなり店員さんに色々な物を着せられてたなぁ……
「ふぅ……ようやく終わりましたね……」
俺はそう言いながら二人の正面の席に座る。
すると、エスカリアさんとソフィアさんは俺に笑顔で答える。
「ええ! すごい楽しかったです!」
「はい。いろいろなものがあって……とても楽しかったです。服選びも初めて見るような物ばかりでしたし」
二人はそう言いながら微笑む。
「それなら良かったです」
俺はそう言いながら笑顔で返す。
……正直、俺は二人に付き添っていたので心労がすごいことになっているが。
まあ、二人の笑顔を見れたので良いとするか。
「そういえばお二人……というよりもエスカリアさんはなんでモンスターに狙われてたんですか?」
俺はエスカリアさんにそう尋ねる。
昨日聞ければ良かったんだけど、二人とも寝ちゃってたからな。
朝も話す機会があったけど、キッチンの事を話したりの雑談で終わっちゃったし。
今なら平日昼間の人が少ない時間で周囲の席に人はいないし、いたとしても離れたところにしか座ってないからな。
レジからも離れた席だし。
すると、二人の顔から笑顔が消え、俯いてしまった。
……まだ聞いちゃダメだったか……?
「えっと……その……」
「お嬢様……」
「……いいえ。大丈夫です」
エスカリアさんはそう言うと顔を上げて俺の顔を見つめてくる。
「実は……その……まず、わたしの身分に関係してくることなのですが……わたしはウタリア王国の第一王女でして……」
「………………ん? ちょっと待ってください第一王女?」
話し始めてくれたのは良かったけど、いきなりとんでもない話が飛び出してきたぞ?
第一王女?
マジで?
「……はい。第一王女です……」
「ええ。私もウタリア王国の王家に仕えるメイドをしておりました。今はお嬢様の専属メイドですが」
俺の言葉に二人は頷く。
……なるほど。
つまり二人はこの世界からしたら異世界の王女様とメイドさんってことか。
いや、貴族かなぁとか思ってたら、その上の王族でしたってどう反応すれば良いんだよ……
「そして、ウタリア王国の王族だけが使える魔法を扱える子供がごく稀に生まれてくるのです」
「王族だけの魔法ですか……」
「はい。その魔法とは、【付与魔術】。【付与魔術】は、様々な物に追加の能力を付与する事が出来る魔法です」
……王族の中でもごく稀に使える【付与魔術】か。
そういわれてみれば見落としてるだけかもしれないけど、俺の取得可能スキルの中で【付与魔術】を見た記憶がないな。
「なるほど、ちなみに追加の能力を付与するって話ですけど、どんな能力の付与が出来るんですか?」
「それはですね、例えば武器に攻撃のステータス上昇の能力を付与出来ます。
……それに、取得しているスキルを付与することが出来ます」
ふむ。ステータス上昇はわかる。
単純に使ったり、装備したりしたらステータスが上がるのだろう。
だけど……スキルを付与……?
「スキルの付与ですか? それはいったい……?」
「そうですね……例えば【剣術】のスキルを普通の剣に《スキル付与》をすると、【剣術】スキルを取得出来ない人でもその剣を使えば【剣術】スキルを使うことが出来るのです」
「……まさか、それは戦技も……?」
「……ええ」
「この【付与魔術】を持ったお嬢様はその力を使い、モンスターと戦争をしている人々に武器や防具を送り届けていました。ですが、それが仇となり……お嬢様の【付与魔術】の力に目を付けたモンスターを統率する魔王軍の目に止まり……」
……なるほどな。
「それで、モンスターにエスカリアさんが狙われていると……ちなみに、その《スキル付与》が出来るスキルはエスカリアさんが取得しているスキルだけですか?」
「いいえ。わたしだけでなく、他の人が取得しているスキルも《スキル付与》することが出来ます。
……ただ、わたしのスキルを《スキル付与》するよりも多く魔力を使うことになりますが」
「お嬢様が狙われるようになってから、どんどんモンスターどもの攻撃が強くなってきていまして……
簡単に強さの底上げが出来るお嬢様は人類にとっても希望の象徴でした。
そのため、万が一王国軍が負けてもお嬢様が無事ですむように王城から離れ、一度隠れる事になったのですが……」
「……なるほど、だから第一王女という身分のエスカリアさんがゴブリン達に拐われていたと……」
どうりで、第一王女のはずのエスカリアさんと、ソフィアさんだけがゴブリンに運ばれてきていたわけだ。
おそらく護衛もいたんだろうが……負けたんだろうな……
てか、そんな重要な人物の護衛なら、もっとゴブリン達なんかに負けない強さの人をつけるべきだろ。
あ~……でもどんどん攻撃が強くなってきたとも言ってたし、そこまで強い人を用意できなかったとかか?
「そうです。そこでゴブリンに捕まり、魔王軍の前線基地とも言われている、ダンジョンでタガヤ様に助けられました」
「なるほど、エスカリアさんが狙われていた理由はわかりました……」
とりあえずわかったことは
・エスカリアさんは超絶ヤバイ人でモンスターに拐わせるわけにはいかない。
・ダンジョンは魔王とやらが率いる、モンスターの集団である魔王軍の前線基地。
大まかに分けてこの二つか。
……ふむ。
だいたい二つの情報しかわかってないのに、とんでもなく情報過多なんだけど!?
ひとまず落ち着くために、注文していたコーヒーを一口飲む。
……うん。後で情報はちゃんと整理しよう。
「ですから、あの時タガヤ様に助けられなければ大変な事態に……助けていただき、本当に、ありがとうございます」
「お嬢様……本当にタガヤ様には本当に感謝しかありません」
「いや、まあ……その……助かって良かったですよ。本当に」
俺はそう言いながら笑顔を作る。
いやー思っていたよりも情報がとんでもなさすぎる。
というかいるのか、魔王。
「ですが……助けてもらいましたが、一つだけ不満があります!」
「お嬢様!?」
「え……不満ですか……?」
……なんかしたっけ?
やばい、全く思い浮かばないんだけど。
「そ、その……さんなどつけずに、気軽にリーアと呼んでください! わたしもカイトさんと呼ばせていただきますから!」
……あ、呼び方に不満があったのね……
「え?」
「あの……?」
「ああ~なるほど。わかりました。エスカリアさんも嫌でないなら、気軽にリーアって呼びますね」
「あと敬語も外してください!」
「そこは私もお願いいたします。私はメイドですので、私に対しての敬語はやめていただきたいです」
エスカリアさん……リーアは俺にそう言うと、ソフィアさんもそれに便乗して俺に言ってきた。
「え~っと……努力します」
……うん。これは努力するしかない。
「はぁ……仕方ないですね。敬語に関してはいつか外してもらうとして、とりあえずリーアと呼んでくださいね?」
「カイト様。私の事もソフィアとお呼びください」
「……わかりました」
……まあ、王族ともう聞いちゃったけど、本人が言うなら、別に良いだろ。
……良いよね?
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