女の子達とファンタジーな現象
リアクション1800、ブックマーク1300、評価ポイント2900pt、総合評価ポイント5700pt突破本当にありがとうございます!
感想、誤字の報告もありがとうございます!
読んでいただくこと、感想、評価、ブックマーク。すべてが励みになっていますのでこれからも応援をよろしくお願いします!
なんでこんな所に。
それも、なんでゴブリンに連れてこられていたのかとか色々と聞きたいことがあるけど……まずは袋の中から出すのが先決かな。
「ン! ンー!」
ほら、女の子も凄いこっちに目で訴えてきてるし。
俺としても縛っておくことにはなにもメリットはないし、なにより今この状況ではな。
「ああ、ごめんごめん! ちょっと待っててくれよ。すぐに縄をほどくから」
え~っと、とりあえずまずは口からだよな。
俺は女の子の口を縛っている縄に手をかける。
……う~ん……思ったよりも固く縛ってるな。
これをほどこうとすると、結構手間だな……
そうなると縄を切る方が良いか。
となると、今縄を切れそうなものはいつも使ってる鎌に、ホブゴブリンの斧。
全身鎧を着ていたゴブリンの両手剣に、短剣を持ったゴブリンの短剣。
どれも危ないな……傷つけたくないし……仕方ない。
「ごめんちょっと、出来るだけでいいから口を開けるかな? 縄を噛みしめないように出来る?」
「……!」
俺がそう言うと女の子はゆっくりと頷いて、口を出来るだけ開いてくれてるのがわかる。
……よし。口は開いてくれたけど、一応細心の注意を払って……
「フンッ!」
「!?」
俺は女の子の口を縛っていた縄の縛目を両手に持ち、力任せにそれぞれ反対方向に引っ張る。
すると、縛目辺りから縄は千切れ、女の子の口を縛っていた縄が解けた。
「あ、ありがとう……ございます……」
女の子は俺に対してそう言うと、腕と足が縛られているので頭だけを小さく下げてきてお礼をしてきた。
「ん? ああ、気にしなくて良いよ。それよりも腕と足の縄も外すね」
「え? はい」
女の子の言葉に反応して、俺は女の子の腕と足の縄もほどいて……ほど……いて……
……どうすんだこれ?
……現状を整理しよう。
まず一つ。
少女の体は現在袋に入っている。
二つ。
大きい袋とはいえ、それでも女の子が入っているからそこまで袋の大きさに余裕がない。
この二つから導き出せる結論は……縄を切ろうとしたら女の子の体に触れてしまう……!
しかもどうやっても、麻袋から出すには隙間に手を入れなきゃだから回避手段がない……!
やべぇ……どうしよう、袋から出そうにも足縛られていて、座り込んだ体勢になってるから、立たせるっていうのは難しいし……
それに……この女の子の体勢が悪い。
あと……女の子の体型がな……ぶっちゃけ結構胸があるから……目が幸せだけど、これはいけない。
え~……これマジでどうしよう。
立つことが出来ないから袋から自力で出れない、隙間から手を入れたら変なところに当たりそう。
……仕方がない。意識せずに変なところを触ってしまうよりはマシだよな……
「……その、ごめん。縄を外すために麻袋から出しても良いかな?」
「え……?」
俺が体を触る前にそう言うと、少女は少し驚いた表情を浮かべたが、すぐに状況を理解したのか、頬を赤らめて小さく頷いた。
「だ、大丈夫……です。その……お願いします」
「わかった。なるべく慎重にやるけど……変なところを触ったら縄をほどいた後に思いっきり殴ってくれていいから……」
だから警察に行くのだけはやめてください。
……俺の予想が的中してるなら、髪色に服装からして、この女の子が警察を知ってるか怪しい疑惑はあるけど……
少女の承諾を得た俺は、麻袋の口を出来るだけ広げて両腕を入れる。
で、両腕を女の子の脇に通して持ち上げようとした。
「んんっ!?」
脇の下に手を入れると、女の子はびくんっと体を震わせた。
「あ……ごめん。大丈夫?」
「だ、大丈夫……です……」
俺がそう聞くと、女の子は顔を真っ赤にしながら頷いた。
「それじゃあ……いくよ? よい……しょっと!」
「きゃっ!」
掛け声と同時に、俺は女の子の体を持ち上げた。
持ち上げた瞬間、女の子から可愛い声が聞こえてくる。
その声に一瞬だけドキッとしたが、すぐに我に返って女の子の体を持ち上げて袋から出す。
「よし……それじゃあ縄を外すから地面に降ろすよ」
「は、はい! ありがとうございます!」
俺は女の子の体を優しく地面に下ろした。
そして、そのまま続けて腕と足を縛っていた縄を口の縄の時と同じように力任せに切ってほどいていく。
「はい。これで良いかな? どう? どこか痛いところとかない?」
「えっと……大丈夫です」
女の子はそう言って立ち上がる。
ふむ……確かに普通に立てているし、怪我は無さそうだな……良かった。
「あ、あの……助けて頂いてありがとうございます!」
女の子は立ち上がると、俺に向かって深々と頭を下げてきた。
「ああ……気にしなくて良いよ。……まあ、女の子がゴブリンが引きずってた麻袋から出てきたのには驚いたけど……」
「あはは……そうですよね……」
俺の言葉に、女の子は苦笑いを浮かべてそう答えた。
「あ、あの……」
「ん? どうしたの?」
「その……わたし以外にメイドの服を着た女の子がいませんでしたか?」
「メイド服の……? いや、見てないけど……」
……そういえばこの子が麻袋にいるし、もしかして……
俺は視線を他の二つの袋の方へと向ける。
ついでに、【気配感知】の方を意識すると……あ、やっぱりな。
気配がある。
その感じた気配があるのは……さっき女の子を助けた麻袋の場所。
「……もしかしたら見つけたかもしれない……」
「え……?」
俺は残った二つの麻袋の前まで歩いて行く。
ゆっくりと俺の後を女の子がついてきているのもわかる。
……【気配感知】で確認すると、二つある麻袋のうちの一つに気配が感じられる。
さて……どうかな……最悪、ゴブリンがヤッホーと顔を出してくることも考えてしっかり経過いはしておく。
そして、俺は気配のある方の麻袋の口を開けた。
「やっぱり……」
ドンピシャ。
茶髪の女の子が麻袋が入っていて、こちらの女の子も服がだいぶボロボロだがメイド服らしき白黒の服を着ている。
こちらの女の子もかなり顔が整っていて、印象としてはこの子が美人。
ちなみに、あちらの金髪の子が可愛いといった印象だ。
ただ、こちらのメイドの子はあちらの女の子とは違い、怪我もしているし、気絶している。
「ごめん。きみが言っていたメイドってこの子の事かな?」
少し離れた、とはいっても、ほぼ隣にいる金髪の女の子に麻袋からお姫様抱っこで持ち上げたメイドの子を見せながら問いかける。
「は、はい! ソフィアです……! ソフィアは怪我を!?」
「ああ……とりあえずこの子の縄もほどくね……」
俺はメイドの子──ソフィアさんと呼ばれた女性を壁によりかけながら下ろし、口を縛っている縄をほどき、さっきと同じように力任せに手と足の縄をほどいていく。
怪我は左腕か……切り傷っぽいな……
それに、結構出血をしている……
……にしてもしっかり普通の人間っていう枠組みから外れてるなぁ……こんなに簡単には縄が切れるなんて。
それに、ソフィアさんをお姫様抱っこしても重さを全然感じなかったし。
……いや、まあ、ステータスやレイスとの融合だったりとの時点で普通の人間からはだいぶかけ離れてるけどさ……
それにしても、どうするか……病院か?
でも、俺の予想通りだと病院は使えるのか?
「……! そこの方! そちらの残っている袋の中身は確認しましたか!」
「え? まだだけど……」
「そうですか……! それならこの袋の中に!」
俺がソフィアさんの怪我を確認していると、女の子はそう言うと、俺が開けていなかった最後の麻袋の方に駆け寄って行き、中を漁る。
「あ、あった……! これで……!」
しばらく麻袋の中を漁っていた女の子だったが、目当ての物を見つけたのか、なにかを麻袋から取り出し、こちらに戻ってきた。
「これでソフィアの怪我は……」
女の子が麻袋から取り出してきたのは、緑色の液体が入った試験管のような形をしたガラス瓶だった。
コルクのような物で蓋がされていて、中の液体が溢れてこないようになっている。
そのガラス瓶の蓋を女の子は抜き、中に入っている緑色の液体をソフィアさんが怪我をしている左腕にかける。
すると、ソフィアさんの左腕にあった傷が徐々にふさがっていき……やがて完全に治ってしまった。
「す、すげぇ……」
思わず俺はその光景を見てそう呟いてしまった。
な、なんていうファンタジー現象……
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ブックマーク、評価、いいね、ありがとうございます。
続きが読みたいって思っていただけたのならブックマークと広告の下にある☆☆☆☆☆に★★★★★評価をしてくだされば作者のやる気がマシマシになりますのでぜひお願いします。




