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情報収集と準備

 ゴブリンと戦闘を行った次の日。

 俺は今、楽泉山……ではなく、自分の部屋でパソコンに向かっていた。


 正直、すぐにでも楽泉山に向かって今も山を荒らしているであろうゴブリンを倒しに向かいたい。


 だけど、もろもろの事件がゴブリンが原因だった事とゴブリンの数が多そうということもあって、一旦楽泉山以外にも被害がないかを調べる必要があると感じたからだ。


 本音をいえば、境界の管理者に連絡でもしてゴブリンがいたことを伝えたいけどその連絡手段がないからなぁ……


 もう自分で情報を集めて倒すしかないだろ。

 ……てか、連絡方法ぐらい教えといてくれよ境界の管理者さんさぁ!


「んー……楽泉山に似た事件は起こってないなぁ……」


 ということで、今はパソコンを使いネットで情報を集めていた。

 といっても、この日本でのニュースぐらいしか調べることが出来ないのでその情報から関連がありそうなものを絞っている。


 ちなみにその結果はいまいちだ。

 ……まあ、ニュースで事件が取り上げられてないってことは被害が出てない可能性も高いし、それはそれで良いんだけど。


 不謹慎かとも思うが、起きていた事件はどれも普通のような物でホッとしたのが本音だった。


「まあ、俺が出来ることも限られてるしなぁ……」


 現状で俺に出来ることなんてネットでニュースを見たり、ゴブリンが仕掛けた罠で事件が起こっている可能性もあるのでSNSを漁るぐらいだ。


 今は情報化社会だし、誰でも色々と発信出来る時代だから、なにかあればとも思っていたけど特に異常はなさそうだな。


「昨日のゴブリンのステータスは知力が低かったからどこかに隠れてるとかもなさそうだし、楽泉山から出ているって事もなさそうかな……」


 昨日の行動を見ても、細かいことを考えて行動するような知性は無かったように見えたからなぁ。


 多分ゴブリンによる被害範囲。

 今回は縄張りとでもいうべき範囲の楽泉山だけだろう。


 それさえわかってしまえばやることは一つ。


 ゴブリン狩りじゃあ!


 となると準備だ。

 昨日は色々考えされたし、しっかり準備をしていこう。

 まずは……


「バックと財布かな」


 昨日のドロップアイテム問題。

 バックと財布を持っていかなかったことで起こったからな。

 これはもう必須だろ。


 ただ、棍棒とかはどうしようもないからもう一つ手を打っておく。

 スマホを取り出していつものセルフステータスを開いて、取得可能スキル一覧を開く。


 昨日スキルを探してた時に良いスキルを見つけてたんだよな。

ちょっと【気配感知】とかを優先したから後回しにしちゃったけど。


 ……お、あったあった。

 これだ。

 ファンタジー小説などでもお馴染みの【アイテムボックス】くんだ。


 取得に必要なSPが50必要だから少し痛いが取得しよう。


 ────────────────────

【アイテムボックスLv.1】

 ・亜空間に物を収納することができる。

 ・亜空間は時が止まっている。

 ・容量はスキルレベルに依存する。

 ────────────────────


 これでいくらゴブリンを倒しても、容量があるかぎりは棍棒の回収には困らないな。

 五百円玉や魔石(小)の回収も同じくだ。


 ……【アイテムボックス】あればバッグと財布もいらないだろって?

 ……それをいってはいけない。


 ま、まあ他にも役に立つ時があるかも知れないから念のため持っていくだけだ!


「で、あとは武器だよな……なにかあるかな……」


 俺はパソコンの前の椅子から立ち上がり部屋を出て、庭にある倉庫に向かう。


 無難なところだと包丁とかなんだろうけど、さすがに普段使うような包丁は使えないからなぁ。


 なにかあると良いんだけど。

 そのように考えながら歩いていると、倉庫に到着したので、金属製の横開きの扉を開く。


「まあ、さすがにそんな都合の良い物は無いよなぁ……」


 倉庫の中に入り、中を見渡す。

 倉庫は広く、いろんな使わなくなったものや、たまにしか使わない物が沢山置かれている。


 だが、当然ながら一般的な我が家に明確に武器と呼べるものはなく、DIYに使うような道具ばかりが置かれていた。


 ……これはダメかなぁ。

 そんなことを考えながらしばらく倉庫の中を探し続ける。


 ******

 *****

 ****

 ***

 **

 *


 上昇したステータスのお陰か、倉庫の中を片っ端から探すという作業もすぐに終わった。


 一応倉庫の中を一通り探したが、武器になるような物はなかった。


 いや、無かったわけではないのだが……


「これって戦闘に使えるのかなぁ……?」


 見つけたのは庭の草を刈り取るための鎌が一本。

 鉈などは無かったが、鎌はあった。


 【鎌術】もあるから鎌を使って戦うことは不可能ではないのかもしれないけど……

 そもそも鎌が戦闘に耐えられるのか?


「まあ、仕方ないかぁ」


 そう呟きながら鎌の柄を握り込む。

 グリップはそこまで悪くなく、握り込みやすい。


 ただ……普通に草を刈り取る用の鎌だから鎌の刃の部分はそこまで鋭くないんだよなぁ……

 刃の部分も短いし。


「それでもないよりかはマシか……」


 これ以上武器になりそうなものを探して時間を消費するのも嫌なので、一旦武器の捜索は打ち切り。

 俺は鎌を【アイテムボックス】に入れて倉庫を後にする。


「さてと。あとは……」


 これからの予定を考えながら歩き出す。

 とりあえずこの後はゴブリン討伐に向かうつもりだが……


 後でホームセンターにでも行ってこよう。

 今日は鎌しか武器と呼べるものが無いけど、鎌以外にも武器が欲しいからな。


 なにか良い物があれば良いんだけど。

 まあ、最悪素手で戦えば良いだろ。

 【柔術】のスキルもあるし。


 ……出来ればゴブリンに直接触りたくないんだけどな。

 ゴブリンばっちいんだよ。


 昨日帰ってきて手を洗ってビックリしたからな。

 あ、もちろんその事に気づいてから、自転車はしっかり洗浄させていただきました。

 スマホは泣いた。そんで全力で拭いた。


「んー……そうなると、武器以外にも戦闘方法は用意しておくべきか」


 となると……魔法だよな!

 昨日の転職で【死霊魔術】というスキルは取得したけど、まだスキルレベルが1で使える魔法も一つだけだ。


 しかも攻撃する系ではない魔法。


「じゃあどの魔法にするかって話なんだけど……」


 悩むなぁ。

 残りのSPは35。


 この時点で【光魔法】は却下だ。

 なんか必要SPが増えて80になってたし。

 職業が死霊魔術師になったからかな。


 で、山の中だから【火魔法】も却下。

 攻撃する魔法はあるだろうけど、山の中だと山火事不可避だ。

 これは無し。


 となるとだ。


「……【氷魔法】かなぁ……」


 残った候補として俺の頭の中にあるのは【氷魔法】だけだ。

 確実に攻撃性のある攻撃ができる魔法はこれしか想像つかなかった。


 作った氷を投げても昨日の感じだと倒せそうだし、攻撃の魔法でなくとも実質攻撃魔法だろ。


 まあ、詳細みた感じ、しっかり攻撃の魔法使えるっぽいけど。


「まあ、とりあえず取っちゃうか」


 そう呟きながらスマホを取り出しセルフステータスを開き【氷魔法】をタップする。


 これで取得に必要なSP15を消費して【氷魔法】を取得。

 そしてさっそく【氷魔法】の詳細を確認する。


 ────────────────────

【氷魔法Lv.1】

 ・氷魔法を使用することができるようになる。

 ・使用は使用者のイメージに依存する。

 消費魔力:使用した魔法によって左右する。

 ────────────────────


 はい、こんな感じだ。


 使える魔法が決められてた【死霊魔術】とは違って、魔法はイメージして自由に使えるって感じか。

 使える魔法もかなり自由度高そうだし、使い方は【死霊魔術】とは少し変わってくるか。


「まあ……使ってみるのが一番かな」


 今すぐにってわけではないが、使い方はなんとなく頭に浮かんできているから実戦で試してみるか。


「よし。これで用意は終わりでいいかな」


 一通りの準備が終わったのでスマホをしまって、庭にある自転車に跨がる。


「それじゃあ楽泉山まで行きますか」


 そう言いながら自転車を走らせ始めた。

 楽泉山のゴブリンを倒しに。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

ブックマーク、評価、いいね、ありがとうございます。


続きが読みたいって思っていただけたのならブックマークと広告の下にある☆☆☆☆☆に★★★★★評価をしてくだされば作者のやる気がマシマシになりますのでぜひお願いします。

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