表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/52

守るべきもの

夕闇が忍び寄る城の会議室で、捕らえた密偵から押収した書類が、次々と机の上に広げられていた。


「これは...」


エリアスが手に取った文書には、アスタルン公国の指示が細かく記されている。


荒らすべき農地、妨害すべき物資の輸送経路、そして──。



「私たちの領地を、長期的に侵略する計画を立てていたのね」



レティシアは冷静に文書を見つめる。暖炉の炎が揺らめき、紙面に記された文字が不気味に踊る。


「寒冷地での農作物の栽培技術、鉱山の新しい採掘法、毛織物の生産技術」アストリッドが息を呑む。「全て、レティシアが築き上げてきたものね」


「まさか、これほどまでに...」


エーリクが眉を寄せる。

彼の手元には、農地の被害報告が積み重なっていた。


枯れた作物、壊された水路、盗まれた種。それらは決して偶然ではなかったのだ。


「被害を受けた領民たちのことを考えると」


エリアスの拳が震える。この数ヶ月、作物の不作に苦しむ農民たち、不安に怯える鉱夫たち。

彼らの苦悩は、全て計画的なものだった。




「まずは補償を」


レティシアが静かに切り出す。

彼女の前には、既に具体的な対策が書き記された紙が広げられていた。


「被害を受けた農地への支援、物資の再配分、そして...」


彼女の言葉に、会議室の空気が変わる。

かつての混乱から一転、具体的な対策への希望が生まれ始めていた。



「俺は騎士団を再編成する」


エリアスが立ち上がる。その声には、確かな決意が込められていた。


「鉱山と農地の警備体制を強化し、住民の避難経路も整備する」


「私からは、アムレアン皇国の首都を通じて」


レティシアも静かに告げる。


「アスタルン公国への正式な抗議を行います。彼らの行為は、もはや隠しようのない侵略行為ですから」



窓の外では、夜の帳が降りていく。しかし、会議室の空気は、むしろ明るさを増していた。

あけましておめでとうございます。

今年も頑張って更新していくので、お付き合いいただけるととても嬉しいです。


よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ