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厳冬の季節の終わり

アイシュエット家に嫁いで三ヶ月が過ぎようとしていた。

厳冬の季節も終わりに近づき、凍てついた大地に僅かながら春の気配が感じられ始めていた。


早朝の冷気が頬を刺すなか、レティシアは日課となった巡回のため馬に乗って畑を見回っていた。

この三ヶ月、彼女は一日として欠かさずこの時間を設けていた。


寒風に身を包みながらも、大地の変化を見守り続けることは、彼女にとって大きな楽しみとなっている。


「若奥様!」


遠くから、農夫たちが手を振る。

彼らが指差す先には、霜を纏った大地を突き破るように、ライ麦の若葉が力強く伸びていた。


「見事に育っていますね」


レティシアが馬から降りると、農夫たちが嬉しそうな表情で近寄ってくる。


「はい、若奥様のおっしゃった通りでした」頬を紅潮させた農夫が答える。「寒さにも負けず、確かに育っています」


その言葉には、確かな希望と誇りが混じっていた。

最初は半信半疑だった彼らの表情にも、今では自信の色が浮かんでいる。


「あちらの毛織物工房も」農夫の一人が城下町の方を指さした。「最近は明かりが遅くまで灯っているそうですね」


日が昇る前から、既に工房の煙突からは煙が立ち上っていた。

アストリッドの指導の下、職人たちは新しい商品作りに没頭している。

夜遅くまで灯る明かりは、今では城下町の希望の象徴となっていた。


「若様!」


凍てつく風を切り裂くように、馬のひづめの音が近づいてきた。

振り返ると、そこにはエリアスの姿があった。


この三ヶ月で、彼の表情も少しずつ変わってきていた。

最初の頃の険しさは影を潜め、代わりに何か考え深げな色が浮かぶようになっていた。


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