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家族会議

「領地経営の新たな方針について、レティシアから提案があるそうですね」


アレクサンドラの声が、会議室に響く。テーブルを囲むように、アイシュエット家の面々が揃っていた。


「はい」


レティシアは静かに立ち上がる。手元の書類には、これまでの調査で得た情報が整理されていた。


「この領地には、三つの可能性があると考えています」


彼女は淡々と説明を始めた。


「一つ目は、寒冷地に適した作物の導入です。特にライ麦は有望です」


「ライ麦?」エーリクが興味深そうに身を乗り出す。「確かに、それなら育つかもしれない」


「二つ目は、毛織物のブランド化です」


テーブルに、アストリッドが用意した織物の見本が広げられる。


「この技術は、もっと高い価値を生み出せるはず。首都での販売ルートも、既に目処が立っています」


「そんなの、誰が買うというんだ」


エリアスが冷ややかに口を挟む。


「実績もない商品を、誰が高値で買うと?」


「私が保証するわ」


レティシアの確証めいた言葉を受け、アレクサンドラが静かに告げた。


「首都の貴族たちへの紹介は、私が引き受けましょう」


「母上まで...」


エリアスの声が苦々しさを帯びる。


「三つ目は、鉱山の活用です」


レティシアは、エリアスの反応に動じることなく続けた。


「現在、単なる原石として売られている鉱物にも、加工次第で付加価値を付けられる可能性があります」


「そんな技術が、この領地にあるとでも?」


「私が、技術者を育てます」


その言葉に、一同が驚いた表情を見せる。


会議室の空気が、一瞬張り詰めた。


レティシアは深く息を吸うと、静かに告げた。


「ここで、私についてお話しさせていただきたいことがあります」


その声音に、何か特別なものを感じ取ったのか、アレクサンドラが身を乗り出した。



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