表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/52

冷たい風吹く畑で

「これでは収穫が難しいでしょうか」


冷たい風が吹き抜ける畑で、レティシアは一人の農夫と話をしていた。彼の頬は寒さで赤くなっている。


「はい、若奥様。この土地では、作物の選択が難しくて」


農夫はそう言いながら、凍てついた大地を指差す。寒冷な気候は、作物の生育に大きな制限を与えていた。


「でも、羊の飼育は上手くいっているようですね」


レティシアが丘の方を指差すと、そこには小さな羊の群れが見える。


「ああ、確かに。寒さに強い品種を、代々改良してきましてな」


農夫の声には少しばかりの誇りが混じっていた。


「しかし、それだけでは...」


彼は言葉を濁す。羊の飼育だけでは、生活を支えるには不十分なのだ。


「分かりました」


レティシアは静かに頷いた。前世の記憶を辿りながら、彼女は畑を見渡す。確かに一般的な作物は育ちにくいだろう。しかし──。


「ライ麦なら育つかもしれない」


「ライ麦、ですか?」


「ええ。寒さに強い品種があるの。それに...」


レティシアは空を見上げた。


「この土地には、神の恩寵があるわ」


その言葉の意味を、農夫は理解できていないようだった。しかし、レティシアの確信に満ちた表情に、何か希望のようなものを感じ取ったようだ。


「若奥様、本当に育つと?」


「ええ。まずは小規模で試してみましょう」


その瞬間、馬のひづめの音が近づいてきた。


「何をしている」


振り返ると、そこにはエリアスが馬上から二人を見下ろしていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ