切り株
漢の詩です。
馬鹿げた例えを持ち出すのなら
おれは切り株のような男になりてえ
ちっぽけな疵を
ひとの目を避けるように隠しながら
かばって生きるやつよりも
おおきくひらいた断面を
明け透けなくらい曝けて
まるで平気みたいな顔してる
おれはあいつみてえな男になりてえ
せっかくひろげた枝葉も まるごと
高く聳えてた幹ごと
切り倒されちまったんだ
そりゃあ 痛くないわけがないだろう
悔しい想いだってしただろう
なのにそんな疵である断面を
恥ずかしげもなく曝けてくれたうえに
あろうことか
疲れたなら此処に腰をおろして
休むがいいさとまで 囁きやがる
断面からのぞける年輪は 黙っていても
うわっつらの樹皮から剥がれた片鱗より
ずっと雄弁にその生き様を語り
腰かけたおれはそれを数えるように指を這わせて
もう一度
そして さらに強く こう思うんだ
おれはあんたみたいな男になりてえ
おれは切り株のような男になりてえ
ごっつぁんです!
(押忍! よりこっち、笑)