序章 グリーンオイルとスタンドフィールド
序章
グリーンオイルとは、燃焼させると水蒸気を出すエネルギー資源。酸素と水素が排出するので公害にはならない代物。澄んだ水と太陽の光で繁殖し、水分を多く含む生きたバクテリア。
二酸化炭素を排出しないエネルギー資源を。
それは、喘息をもち足の不自由な妻がいた、生物学者のデ・ミスト博士の願いだった。秀才と言われて、工学研究の学者になることを望まれた若き日、一人の女性と出会った。恋に落ちたことで生物学者に転向した。新たなエネルギー資源を求めて、バクテリアから開発しようとして、生物学を研究することにしたからだった。グリーンオイルを開発に成功したときには、妻は故人となっていた。妻に先立たれて、研究を断念しようとした時、夫婦を影ながら尊敬していた隣人の娘が志を強く持って勉学に励み博士の助士となって支えた。博士は開発の成功をした後、その助士と結婚をして、家族を増やした。それは、グリーンオイルを不幸な事象に影響させないために、監視と責任を可能な限り永遠に請け負うために。
その世界には、コン・ラ・ジェンタ皇国という国があり、グリーンオイルという資源を大量に増やすことができる水、その水をはぐくむ山や森林を保有する自然豊かな国。しかし、エネルギー資源を大量に保有することで、他国からの摩擦や侵略、他民族により内乱が絶えず、国民は疲弊するとともに環境破壊をすることもしばしばあった。環境改善を指導する者が現れ、カリスマ的な存在でもって、国民を魅了し、救世主のように振る舞い産業革命・自給自足革命・教育革命をし、国を国民の心を豊かにした。
そのことによって、他国からの脅威にさらされず矜持をもち、他民族との和解ができるようになった。その人物は、老齢には、野に隠れ、余生を静かに過ごしたことになっている。本当のところ、どうなったのかは知られていない。国民はそう願ってやまないからだった。
他民族との和解をしたものの、ある民族だけが和解の約束をまもろうとせず、テロ工作を図り、グリーンオイルが全滅寸前にまでにした。そのとき、救世主の子孫ではないかと言われる人物が大量のグリーンオイルの生産を請け負い、国を救った。
それが、アレックス・スタンドフィールドだった。アレックス・スタンドフィールドは、大量のグリーンオイルを生産できるタンクを制作し、新鮮な水を確保し、太陽光を吸収できる施設を建設していた。
後にこの功績がたたえられて、時の皇帝から、最新式のエンジンを搭載した空挺・アレキサンドリア号が譲与された。
この物語は、そのアレックス・スタンドフィールドの子孫である少年たちのお話である。