昭和の仮面ライダーの飛行能力について
昭和に放送された仮面ライダーシリーズで、スカイライダー以外で空を飛べるライダーっているのでしょうか?
その森では花梨の木が黄色い実をつけていおり、甘い香りが漂っている。
木の下に小さなタヌキくんと、頭に王冠のようなものを乗せた白いおサルさんがいる。
二人の間にあるお茶を飲みながら、どちらも魔法の鏡を持って別の世界の『動画サイト』を見ていた。
「白猿さん。昔の仮面ライダーさんって、あまり空を飛べないのかな?」
「平成以降の仮面ライダーは結構飛んでいるな。でも昭和の仮面ライダーだと、ある程度自由に飛べるのはスカイライダーだけだな」
「ある程度? スカイライダーさんって映画のライダー大戦だと飛び回っていたような」
「放映当時の設定では、スカイライダーも自由には飛べないようだぜ。重力低減装置で体重を軽くしてセイリングジャンプ。その後は滑空で降りているっていう設定なんだ。ライダーを自由に飛ばすことには、石ノ森先生が難色を示してたらしい」
「そうだったんだ。ライダー大戦のスカイライダーさんは、後でパワーアップしたのかも」
「昭和のライダーでは、ZXも少しだけ飛べる。両足のジェット噴射でジャンプの方向を変えられるんだ。他に仮面ライダーBlack・RXのバイオライダーは、身体を液化すると低空で移動できる」
「ZXさんとバイオライダーさんのもいちおう、飛行能力って言えるかも。バイオライダーさんの液化状態は高く飛べないのかな」
「もしかすると、液化していると視覚を失ってまわりの状態が大雑把にしかわからないのかもな。だとすると地面から離れると危険になる」
「液化に時間制限がある場合、高いところで元に戻ると墜落するかも」
「自力ではないけど、Xライダーは専用バイク・クルーザーの飛行機能を使っていたな」
「んとね。オートバイで飛ぶのは違うと思うの」
「仮面ライダーV3第2話での1号と2号は、体内に爆弾を内蔵した怪人を捕まえて、海の彼方へ飛んでいる。これはライダージャンプにベルトの逆噴射を加えたものだろうな。緊急時にはこういうこともできるようだ」
「スカイライダーさんの最終回では、8人ライダーのみなさんが手をつないで飛んだよね」
「あれはスカイライダーの重力低減装置の力を仲間と共有したみたいだな。これもおそらく緊急用のもので、使うと何かペナルティがありそうだ」
「スカイライダーさん以外は普段は飛べないけど、緊急時には切り札で飛べるってことかなぁ」
「そもそもの話だけどな。1号・2号はバッタの能力を持っているから、飛行能力があってもおかしくないんだ。ついでに言うと、V3も設定上は飛べることになっている」
「え? V3さんも飛べるの?」
「V3の2本の白マフラーで滑空できるぞ。オープニング2番でも歌われているし、V3の『26の秘密』にグライディングマフラーというのがあるんだ。パチンコ台の動画では本当に飛んでいるシーンもあるらしい」
「滑空ってことは、スカイライダーさんの初期設定みたいなの」
「というよりV3の例があったから、石ノ森先生もスカイライダーの飛行能力を許可したのかも。ちなみに石ノ森先生の漫画でも最終回で1号が飛んでいる。腰にジェット噴射の装置を付けていた。ゴレンジャーの『バーディー』みたいなやつだな。ライダージャンプの補助機能かもしれないけどね」
「んとね。その装置があったら、どの仮面ライダーさんでも飛べるの」
白猿さんと子狸くんはお菓子を食べ、それから湯呑のお茶を飲んだ。
「V3はベルトの逆噴射で空中でのホバリングもできるから、白マフラーと合わせるとそれなりに飛べるかもな」
「んとね。V3さんの逆噴射はあまり使えなかったと思うの。使うとエネルギーが一気になくなるみたいなの」
「全力で敵を吹き飛ばす場合はそうなんだけどな。短時間なら使っているかもしれないぜ。V3の特技の『V3反転キック』は知っているよな」
「んとね。相手にキックして、いったん後ろに跳んで後方宙返りをするの。その次のキックで怪人を倒すの」
「おそらく後方宙返りの途中で一瞬だけ逆噴射を使っているかも。その後、マフラーの機能で怪人に向かって斜めに飛び降りているんだ」
「そっか。よく考えると後ろに跳んでから、もう一度怪人に向かって斜めに降りてくるのは変なの。飛行能力を使っているんだ」
「そう考えると、昭和ライダーで飛行能力を一番使っているのはV3かもな」