荒れ地の精霊達
今回は、精霊達の出会いそして荒れ地の真実が明らかに
屋敷を追い出されて3日後。アイリスは、国境を超えようとしていた。その道中の町で食料などを調達した。本来なら国境には門があり門番がいるのだが荒れ地に面する場所は管理がされていないので出入りが自由なのだ。アイリスは、少し深呼吸をする。
「ここからが荒れ地。あの声は荒れ地のどこからか聞こえる。」
アイリスは、振り返り
「さようなら私の故郷。」
そして荒れ地へと入っていた。辺りを見回すと大地が枯れまるで砂漠の様だった。大昔川が流れていた跡なども見受けられる。高い崖に登り遠くの景色を眺める。遠くに海が見えた。しかしその海はひどく濁っていた。
「すごい。これが荒れ地。」
国境を超えて3日後。荒れ地の中心辺りに到着した。中心に近づくにつれあの声が強まった。そして声がする方に行くとそこには石碑のようなものがあった。
「何かしら。」
石碑に近づくが文字らいしものは、なかった。しかし確実に声は、ここから聞こえていた。辺りを見回すが何もない。石碑に触れた瞬間地響きが起こる。突然のことなので咄嗟に石碑にしがみつく。すると石碑の回りの地面からクリスタルのようなものが出てきた。しばらくして地響きが治まったので立ち上がる。石碑を囲むようにクリスタルが4つあった。
「何かしらこれ。クリスタル?。」
近づくとクリスタルの中にうっすら影が見えた。突然クリスタルにひびが入る。
バキバキバキバキバキバキ。
全てのクリスタルが割れる音が響く。そして割れたのだ。すると人のようなのがいた。4人は、目を開け
「ここは外なの。」
「やっと目覚めるとこが出来たわ。」
「一瞬のように感じたぞ。」
「また太陽が見れて良かったわ。」
そしてアイリスに近づいて
「あなたのおかげです。ありがとう。」
アイリスは、混乱していた。
「あなた達は、誰なの。」
「突然のとこに驚かしてしまってごめんなさい。わたくしは、ジェニス。女神です。」
ジェニスがアイコンタクトをし他も挨拶をする。
「初めまして。わたしは、フェアリン。妖精です。」
「わたしは、マリン。人魚よ。」
「我はドラゴーネ。ドラゴンだ。」
アイリスは、さらに混乱。目の前に精霊達がいるのだ。
「私は、アイリス・オザントと申します。」
少し落ち着いてからジェニスが説明した。
内容は、この荒れ地は元々とある王国だった。人間と精霊が仲良く暮らしていた。それぞれの精霊は、特になことで守っていた。女神は、天候など。妖精は、自然など。人魚は、海の管理など。ドラゴンは、鍛冶などを管理してきた。そして人間には聖女と呼ばれた乙女がいた。聖女は、祈りで王国の平和が保たれてきたのだ。しかし500年前別の国に当時聖女と呼ばれた乙女を奪われたのだ。当時の国王は、抗議したが聖女を人質に取られどうすることも出来なかった。しばらく聖女がいなくなり大地が次々枯れ始めたのだ。聖女の家族だけは、その国に住むことを許されたが他は、許されなかった。国民達は、故郷を捨て別の国に移り住んだ。王族達も去っていた。残された精霊達は、このままでは、力を失い消えてしまう。当時のそれぞれの精霊のリーダー達が1番若い精霊を封印することを決意する。それはいつの日か再び聖女が現れこの王国を平和へ導くとの予言だった。この4人に全ての力を託しいずれリーダーになり平和にするため眠り続けていたとのことだった。
「そんなことが。信じられませわ。」
「信じられないかもしれませんが事実です。」
精霊達は、悲しそうにうつむく。
「聖女を奪うなんてひどいです。」
「当時聖女は、ナディアしかいなかったから。」
アイリスは、首をかしげてる。
「ナディアという名前なのですか?。」
「そうだけど。」
ジェニスが答える。さらに驚く。
「ナディア様は、ディバイヤス王国の伝説の聖女です。」
故郷のディバイヤス王国の伝説は、王国がある時枯れ始めた。そんな時聖女ナディアが現れ大地を復活させたと言う。実際は他国から奪っていったなんて驚愕すぎるのだ。
「ナディアは、とある男爵家だった。噂では、ディバイヤス王国へ行ってから子爵家になったと聞いたのだか。」
「子爵家ですか。たくさん子爵家は、いますから。下の名前は、何と言うのですか。」
フェアリンが答える。
「当時は、ソレイユ男爵家。だからソレイユ子爵家ね。」
「えっ。ソレイユ子爵家。」
アイリスの戸惑いにドラゴーネが
「その様子だと知っているみたいだな。」
「知っているも何もソレイユ子爵家は、私の母の実家です。今は、もう無いですけど。」
精霊達は、驚いて聞き返す。
「アイリスの母方は、ソレイユ子爵家。つまりナディアの子孫。」
「道理で凄まじい力を持っている訳ね。」
「あなたの先祖は、この王国の出身。だから力が強いみたいね。」
アイリスは、戸惑いながら
「私の先祖がナディア様。想像もしていませんでしたわ。」
するとジェニスがある提案をする。
「アイリスお願いがあるの。わたくし達と一緒にこの王国を復活させたいの。」
「復活?。」
「わたくし達は、元々この王国を復活させるために眠っていた。聖女が現れた今使命を果たす時。だから力を貸して欲しいの。」
アイリスは、少し考える。元々旅をするつもりだった。けど行き先は決めていない。声の導きでここまでやって来た。迷っていたが自分を必要としてくれる人が目の前にいる。アイリスは、覚悟を決め答える。
「ご先祖様の故郷をもう1度復活させます。平和な王国を築き上げて見せます。」
これから荒れ地の建国が始まろうとしていたのだった。
次回荒れ地の建国するため聖女としての力を開花させるのだった。