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婚約破談と旅立ち

今回から本編スタートです。楽しんでね。

「アイリス・オザントお前とは婚約破談だ。」


いきなり婚約破談を突きつけられた。アイリス・オザント。15歳。オザント伯爵家の長女でディバイヤス王国の第1王子の婚約者だ。ディバイヤス王国の聖女でもある。アイリスは、無表情で聞いていた。マイケル・ディバイヤス。15歳。ディバイヤス王国の第1王子。お互い10歳の時に婚約が決まった。


「お前は、自分が聖女だと嘘をついた。さらに真の聖女であるエリーゼを虐げていた。」


アイリスは、無表情。心の中では、『何を考えているのだこのバカ王子は』と思っていた。


「ならば証拠を見せてくださいマイケル殿下。」


「証拠だと。」


「はい。エリーゼが聖女である証拠です。もしかしてエリーゼだけの証言ではないですよね。」


マイケルは、焦っていた。図星を突かれたからだ。


「エリーゼが聖女なら教会を訪れているはずです。しかし私は、1度も見かけたことはありません。他の聖女仲間に確認したのですか?。」


この王国には他にも聖女がいる。アイリスは、一緒に仕事をしていた。しかしエリーゼを見かけなかった。


「うるさいうるさい。口答えするな。」


おもいっきりわめく。アイリスは、あきれていた。何を言っても無駄だと。


「分かりました。婚約破談いたしましょう。」


「分かればいいのだ。」


「殿下ご忠告します。いずれこの王国は破滅の時を迎えるでしょう。過ちに気がついた時は、手遅れになる。その時は、私は、知りませんからね。」


そう言うと去っていった。マイケルは、首をかしげていた。アイリスは、屋敷に戻り自室でため息をつく。


「予想はしていたけどこんなことになるとは。」


実は婚約破談されることは、薄々予感していた。それは、マイケルは、義妹のエリーゼと過ごすことが多いのだ。まるで婚約者のような扱い。2人でデートしている目撃情報を耳にした。王城に登城する度にエリーゼがついてきてマイケルと過ごすのだ。


「わがまま過ぎて困るわ。」


アイリスの実父フィリップは、義母であるルナと浮気をしていた。義母は、元々平民である。お互いに恋に落ちたと言う。実母のティナがいるため隠れて密会していた。アイリスが5歳の時ティナが他界。それと同時に再婚した。ティナが亡くなる2年前に2人の間にエリーゼを授かっていた。そしてルナとエリーゼを屋敷に迎え入れた。エリーゼは、わがままでアイリスのドレスやアクセサリーを奪っていった。その頃から聖女として修行をするようになった。エリーゼは、自分も聖女になりたいと言ったが聖女のリーダーで教会の管理人であるユリアナ様が拒否した。それは、エリーゼには才能つまり聖女としての力が全くなかったからだ。それから5年後。10歳の時マイケル殿下と婚約が決まった。アイリスは、聖女の仕事の傍ら王妃教育を受けてきた。


「全部が水の泡だわ。もう気にすることではないわ。」


婚約した頃は、楽しく過ごしていたのに。マイケルが怪我した時癒しの力で治してあげたのに。それも全て忘れてしまった。少し悲しくなった。エリーゼに王妃は務まらないことを予感していた。それは、礼儀作法の教育をサボるほどだからだ。勉強嫌いのエリーゼには、王妃教育は、無理だろう。考えているとドアが開きフィリップが入ってきた。


「アイリス。殿下の使いがやって来た。よくも騙したな。」


「お父様騙したとは?。」


「しらばっくれるな。聖女だと嘘をついただろ。エリーゼを偽物呼ばわりして」


するとルナとエリーゼがやって来て


「ちょっとエリーゼがかわいいからって嫉妬するなんて最低よ。」


「お義姉様どうしてわたくしを虐めるの。」


エリーゼは、嘘泣きで悲劇のヒロインを演じていた。いつもそれでわたくしは、怒られるのだ。フィリップが


「お前は、勘当だ。今すぐ出ていけ。」


「分かりましたわお父様。私出ていきます。」


皆笑っていた。まるで出ていくのが嬉しいようにアイリスは、振り向き


「最後に言っておきます。家族の縁を切ります。何があってもどんな状況でも2度と頼ってこないでくださいね。」


フィリップは、怒りながら


「それは、こっちのセリフだ。」


アイリスは、無視して屋敷を出た。少し歩いて屋敷から見えない位置に荷車があった。実は追い出されることを見越してすぐに出れるように荷物やお金や食べ物そして荷車を引く馬を用意していた。


「さようならお母様との思い出の我が家。」


そしてアイリスは、荷車の馬車に乗り出発した。


「でもこれからどこへ向かおうかしら。」


勢いで飛び出したのはいいものの行き先を考えていなかった。しばらく悩んでいると


『こっちにきて。』


「えっ。今何か聞こえた。」


辺りを見回すがただの草原。誰もいない。


『こっちにきて。』


また聞こえた。今度は目を閉じよく耳をすます。


『こっちにきて。』


不思議な声が聞こえる方角を感じとり目を開ける。しかし聞こえる方角は、


「あっちは、確か荒れ地。」


聞こえた方角は、ディバイヤス王国の隣国。広大な大地でディバイヤス王国より広い場所。しかしそこは、荒れ地で誰も住んでいない。大地が枯れているため人が住めないのだ。しかし声は、荒れ地の方から聞こえる。アイリスは、悩み


「行ってみましょう。」


そしてアイリスは、荒れ地へ向け意気揚々と出発した。



そしてこれから変革の時が訪れようとしていたのだった。



次回荒れ地へ突入そして予想もしない出会いが待っていた。

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