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Face of the Surface (小説版)  作者: 悟飯 粒
彼らは新人類編
43/92

人の悪性

登場人物

飯田(いいだ)狩虎(かこ):あだ名はミフィー君。主人公。

・イリナ:最強の勇者。主人公。

黒垓(くろがい)白始(はくし):王様を守る部隊の1人。ワープの能力を持つ。他にも秘密がありそうだ。

・ウンモ:岩石の魔物。うんこもどきの略。

 めくれあがった大地が渦巻き、ひまわりのような様相をとる。そしてそのひまわりはなおも動き続け、触手を伸ばして大地を穿ち続ける。


 「このまんまじゃ死ぬな」


 それを物陰に隠れながら見つめる俺。最初の一撃が運良く当たらなかったのが功を奏した。重力の反転による衝撃で吹き飛ばされていなかったら100%死んでた。イマイチ状況を理解できてないから整理するか。

 岩石の魔物、ウンモに会いに行ったら「大地の守護神でしゅー」とかいって攻撃してきやがったんだ。いつもは1.2mぐらいしか背丈がないのに3m近くあったし……原因があるとしたらあれか?


 「ちょっとミフィー君またなんかやったの!これ以上は流石に庇いきれないよ!」

 「俺じゃないよウンモだ」


 異変に気がついたイリナが黒垓君の能力でワープしてきた。何か起きたら全て俺の責任にしやがって、俺はそんなに問題起こしてないんだぞ。ほとんど冤罪だ。


 「大地の聖剣の影響じゃないかな。3mのバケモノになって暴れ回ってる」


 今もまた大地がめくれあがって天地がひっくり返っている。イメージを言えば、プロの料理人が高火力でパラパラのチャーハン作る時に中華鍋をひねって米を空中に持っていく時のあれだ。パラパラのチャーハンみたいに大地がうねっている。


 「あーーそういや王様が言ってたっすね、魔物が聖剣を持ち続けたら凶暴化するって」


 なるほどね。んじゃあ俺達がやらなきゃいけないことはウンモから聖剣を奪うことか。


 「イリナ、制御術式を解除してくれ」

 「え?今のウンモってそんなヤバいの?」

 「まだそこまで至ってないけど…………剣を持ち続けたら最悪、魔王クラスになるかもしれん」


 聖剣のことはよく分からないがあの魔力の規模は並外れている。最悪を想定して動いた方が賢明だろう。


 「…………まだ魔王クラスではないんでしょ?」

 「ああ、そのレベルには達してないな」

 「じゃあ私が倒してくるよ」


 光剣を引き抜き、首の骨を鳴らしながら騒ぎの元へとイリナが向かう。


 「私の目標は魔王を超えることだからね。でもこのままじゃあそれどころかリヒトにすら負けかねない。あれぐらいどうにかできなきゃ話にならないよ」


 そしてイリナは飛び立った。…………最近出番が少なかったから活躍したいんやろなぁ。この小説、一応俺が主人公だから活躍できないのは仕方ないよね。



 イリナにとって大切なことは強くなること。しかし自分の強さの多寡が生まれた時から決まっているこの世界で、強くなるというのはとても難しいことだ。普通なら誰もが諦め挫折する。…………イリナですら、一年前、魔王との戦いで圧倒的な強さを見せつけられて挫折したほどなのだ。この世界に「なんとかなる」という言葉は通じない。


 音速を軽々と越え、急速に迫ってくるイリナの存在に気がついたウンモが魔剣を振り抜いた。岩盤が突出し槍のようにイリナを襲うが、彼女は高速で迫る岩盤に片手をついて簡単にかわしその上を走り抜ける!踏み込むたびに破裂する足場を辿ることで見えるイリナの軌跡は一直線でウンモへと向かう!しかし一気に方向転換!右後ろに飛び込み、着地と同時にウンモを中心に大回りに駆け出し背後をとった!


 全ての人間の視界をぶった斬るようなイリナの急旋回。しかし、ウンモはそれに対応し背後からの斬撃をかわす!さらに大地の聖剣で地面を切り裂くとそこからマグマが溢れ出しイリナを襲うがイリナはそれを後ろに跳ぶことで軽々かわす!

 …………第二類勇者ほどじゃないけれど身体能力もかなり高いぞ。大地の聖剣を持っている2本の腕を両断するつもりだったけれど、これはなかなか骨が折れ………


ゴキゴキッ


 ウンモの身体が変形していく。さっきまでは辛うじて人型だったのに、まるでムカデみたいに背中が伸びていく。4本脚、6本腕の怪物…………ちょっとずつ強化されているのか!時間が経てば経つほどまずいぞ!そう考えたイリナは最高速度で飛び出した!しかしウンモがマグマの中に潜航してしまいイリナは立ち止まる。イリナは雷を操る性質上かなりの耐熱性能があるのだが、なるべくマグマの中に入らないようにしている。第一に、マグマがあるところには有毒ガスが発生しやすい為、流石のイリナでも死の危険性がある。第二にせっかく手入れしている髪の毛を溶岩まみれにしたくないからだ。

 しかしウンモがマグマに潜ったということは、強化が完了されるまで出てこない可能性がある。どこまで強くなるか皆目検討がつかないが、ミフィー君が言ったように魔王クラスまで行く可能性はある。………そうなったら地獄だ。今の私とミフィー君じゃ止め切ることは出来ない。

 このままこの地面全部吹き飛ばすか?イリナが光剣を変形させ巨大なハンマーに変えると振り下ろした!


 ドォォオオオンンンン!!!!


 一撃によって発生する振動が地面の中を駆け巡る!!その衝撃によって溶岩が高く噴き上がった!!しかしそんなことお構いなしにイリナは何度も何度も地面を叩きまくる!!その都度地面は崩壊していき溶岩が噴き出し続け最後、渾身の力で振り下ろすと地面は陥没する!!

 その瞬間を見計らったように岩盤が大地に直角になるように突出した!!それをかわしたイリナを追撃する為に、何本も何本も地面から岩盤が突き出る!!かわしきったイリナが着地し


 バグンッ!!


 地面から飛び出たウンモがその6本の腕で拘束しようとしたが、イリナは空中で磁力を発動させ地面に反発させると空中で跳び上がりかわしきる!そして1発!空中を蹴飛ばし高速で右膝をウンモに叩きつけた!岩が砕ける音が膝を通じてイリナの中に響く!しかしその感触を噛み締めることなく、イリナは両手でウンモの頭を掴むとさらにもう1発、顔面に膝を叩き込む!さらにもう1発!もう1発!もういっちょ!最後に電撃を溜め込んだ右手を頭頂部めがけて振り下ろした!


 その威力は凄まじくウンモの身体を粉々に吹き飛ばし放出された電撃が地面を走り回り全てを焼き焦がす!


 「…………うそっ!?」


 しかし粉々に砕いたと思ったものはウンモの抜け殻だった。一回り小さくなった化け物は3本の腕でイリナを掴み遠くにぶん投げる!そしてイリナが着地する前に地面を操り、大地で高波を生み出すとイリナを飲み込み閉じ込めた!


ギィインンッ!!!


 一部始終を見ていた俺は、ひまわりのような形になった岩盤から飛び降りウンモに斬りかかる!まぁ俺程度の力で切りかかったところでこいつを倒すことなど出来るわけがない。斬撃を喰らったはずなのにまったくの無傷だ。…………世話が焼けるなぁ。


 「俺の概算からして………あと5分ってところか。それ過ぎたら収集つかなくなる可能性が高いから、頑張って何とかしてくれ」


 俺は魔剣の能力を使いイリナと自分の位置を入れ替えた。イリナには強くなって越えてもらわなきゃ安心して死ねない。怪物ウンモぐらいサクッと倒してくれよ。炎で俺を閉じ込めていた岩盤を溶かし穴を開けると、俺はイリナとウンモの戦いを眺めることにした。



 「………………」


 イリナは拳を握りしめた、自分の不甲斐なさを握り潰すために。彼女はもう狩虎を殺すつもりなど一切ない。ただ、彼をこのまま越えられないのは間違っていると理解している。自分を圧倒し、カイを殺した仇であり強敵であり…………大きな目標である飯田狩虎に背を向けては前に進めないと心が理解している。それなのにまた彼に助けられ倒すチャンスを譲られている。自分はまだ庇護対象であると嫌でも実感させられる。それが堪らなく悔しい。


 「………いつから私はこんなに弱くなったんだ」


ダンッ!!


 私は思いっきり地面を踏みつけ大地が陥没しヒビが四方に広がる!

 いつからこんなに心が弱くなったんだ。負け犬根性が染み付いている。「自分より強い奴に負けるのは仕方ない」と心の底から諦めてしまっている。違うだろ!敵がどんなに強くたってどんな困難が立ち塞がったって、負けることに理由を作ってはいけない!敗因を理解することは大切だけどそれを負けた言い訳にするな!勝利だ!貪欲に勝利を求めろ!今の勝利を!その次の勝利を!求め続けろ!


バチチチチッ!!!!


 閃光が空間を駆け抜けた!空気を焼き焦がし、その圧倒的な光が空間に残像を描く!一直線!小細工なしの一直線の矛となってウンモに襲いかかる!それを迎撃するウンモの変形は加速し、ムカデというよりかは竜のような見た目となっていた。6本の腕には大地の聖剣と5本の岩石で作られた大剣を握りしめられ、雷と化したイリナにその6本を振り抜いた!!


バキィン!!!


 光剣と大剣が交錯した瞬間、衝撃波が世界を叩いた。空気を震わせながら拡散される衝撃波は周辺に突き刺さっている岩石を崩壊させていく。その光剣の一振りは限りなく光速に近く、5本の大剣を粉々に打ち砕いた。そして大地の聖剣を握っていた腕は肩からもげ、地面に高速で突き刺さる!


 「あとちょっとでカムバックだな」


 元の姿に戻っていくウンモと、それを見下ろすイリナを眺めながら俺は呟いた。




 〜30分後〜


 俺達は勇者領の中心地、剣戟の城の中で重役達と会議をしていた。しかし会議とは名ばかりで、本当の目的はさっきの事件の追及だろう。…………そこまで俺を不利にしたいのか。


 「どうだった狩虎ちゃん。聖剣を持った魔物はかなり強かっただろう」

 「いやーもう全然、イリナの足元にも及びませんでしたよ。………ね?」

 「う、うん…………」


 そもそもイリナはまだ全盛期の力を取り戻せていない。肉体的というよりかは心理的な原因が近いだろう。まぁ、人生を左右するようなトラウマの原因である俺が近くにいるのだから当然のことだ。この状況で全てを忘れてメンタルリセットできる人間は常軌を逸している。

 葛藤があるはずなのだ。「このままでいいのか」という葛藤が彼女を苦しめている。


 「飯田狩虎!貴様に聖剣をこれ以上持たせるわけにはいかない!没収だ没収!」


 重役の1人が叫んだ。


 「………別に俺は良いですけど、大丈夫ですか?誰が魔剣を敵の手から守るんですか?」

 「それは王様か慶次にでも任せれば良いだろう!」

 「確かに2人は強いんでしょうけど、2人とも魔剣を持てないという致命的な欠点がある。緊急事態になったら守り切れる保証は無いと思いますよ。ちゃんと扱えて、しかも素で超強い人間に魔剣を任せた方が安全だと俺は思うんだけどなぁ。あっ、個人的な意見なので無視してくれて大丈夫ですよ」

 「ぐっ………そもそも!この剣戟の城に保管すればいい話だろう!ここなら敵はそう簡単に侵入することは出来ない!」


 …………そりゃあないでしょう。彼の発言で場の空気が一瞬で凍りついた。それもそのはずだ、今の彼の発言は間違いなく失言なのだから。


 「…………俺が言う必要ありますか?」

 「いや、すまん………完璧に失言だった」


 そもそも、城に保管することよりも最初から王様や慶次に持たせようとしていたということから彼は[勇者領内部にスパイがいる]ことを強く疑っていることがわかる。俺から魔剣を取り上げようとしていることからもそれは確実だ。昴に始まり直近ではミレニアルズが裏切ったのだ、いまだに反対勢力が息を潜めている可能性は十分にある。本当の味方が一切わからないこの状況で少しでも安心を買うには、完璧にシロな人間に聖剣を渡しておくのがベターというわけ。


 「大地の聖剣はいくらでもあげますよ。強い勇者にでも使ってもらって戦力を底上げしてください。ただ魔剣をあげるのには反対します。それは得策じゃあないですよ。無理だとは思いますけど、俺をもっと信用してください」


 俺は全面的に協力している。命だって差し出している。こんなことを言えば反感を買うだろうが、俺が勇者領を滅ぼすのは本気を出せば多分可能だ。………俺が敵のスパイとして勇者領に潜り込む意味は一切ないのだ。しかし彼ら重役は「俺が魔王だから」無意味に警戒している。警戒するのは大いに結構、大切なことだ。しかしここまで追い詰められた状況で保守的に動く必要は一切ないはずだ。むしろそちらの方がリスキーだ。


 「俺を信用するだけでこの状況はひっくり返ると思いますよ。俺の監視をさせられているイリナも重要な任務が出来るようになって、俺を戦力として利用することもできる。何度も言いますよ俺を信用することはメリットしかないんです。デメリットはない。それぐらいわかっているはずですよ、みなさん」


 俺の言葉でこの会議は無言になった。いや、王様だけが爆笑しながらエロ本を読んでいるわけだが、とにかく、ちゃんと参加してた人達は全員無言だ。


 「……じゃあ、今日の騒ぎを起こした岩石の魔物をこちらに渡せ。あいつは危険だ、こっちで処理しておく」


 …………俺はこういう言葉が1番嫌いだ。


 「仲間を売ってまで信用を勝ち取るつもりはないですよ。今回の騒動の槍玉が欲しいのならまた俺にすればいい。いくらでも批判の的になってあげますよ。ただ」


 俺は笑顔で詰め寄った。いたって平常心を保ち、怒りを心の底で圧殺しながら。


 「次、また同じようなこと言ったら俺がここをぶっ壊しますよ。………さて、空気も白けたことですし俺はこの辺にさせていただきます。それではごきげんよう」


 俺は立ち上がり大地の聖剣を残してここを後にした。


 「大丈夫ミフィー君」

 「うん?なにが?」

 「いや、さっき凄い怒ってたから……君が怒ってるところを見たことなかったからちょっと驚いちゃったよ」


 俺の後を追ってきたイリナが心配そうな顔で聞いてくる。


 「あーー…………俺は自分が最低な人間だとは理解しているんだ。だから俺に対して何か言われるのには慣れてる。ただ、そんな最低な俺とも仲良くしてくれる友達をバカにされるのだけはどうもなぁ………」


 自分で言うのも嫌な話だが、俺はずる賢い。人を騙すのも苦痛に思っていない。嘘はただの言葉であり、心を込めなきゃ「ありがとう」と変わりはしない。そんな言葉に騙される方が悪いのだ。本格的に俺はそう思っている人間だ。こんな最低な人間とそれでも仲良くしてくれる奴っていうのは心が広かったり、本当に人の心を見ようとしてくれる素晴らしい人間なわけだ。彼らをバカにするということは、人の心をバカにするのと同じだ。それは許されない。


 「それに友達を軽々と売る人間にはなりたくないじゃん?そんなことしたら、俺の性格と相まって40代で孤独死しちゃうよ。はっはっはっ!自己防衛って奴だな」

 「…………正しいと思うよ」


 イリナはそれだけ言った。そして俺の隣に立って一緒に歩いていく。


 「…………ありがとう」


 俺はそれだけ言った。さて、ウンモに会いに行くか。

 ウンモはまた、騒動の前まで待機していた洞窟で座っていた。


 「どうした聖剣取り上げられてしょぼくれてるの?」

 「……………」


 ずっと地面を見ていたウンモだが、なにか覚悟を決めたようだ。ガバッと顔を上げると大声を出して両手を広げた。


 「どうせ我を殺すつもりだろう!ひと思いにさぁ殺せ!」


 ………はい?


 「いや、殺すつもりなんて一切ないんだけれど」

 「嘘じゃ!暴れ回って危険な我を殺すつもりだろう!さぁ殺せ!ころしぇえ!」


 めっちゃ滑舌が緩くなってる。ナーバスになってるんだな。


 「安心しろって、今回暴れたのは俺だってことになったからさ。ウンモが死ぬようなことはないよ」

 「なっ!?な、なにバカなことをしゅ、してりゅんだな!我を庇って貴様になんの得があるというのだ!」

 「仲間が助かるんだからそれで良いじゃない」


 うわ、こいつめっちゃバカじゃんって顔してるんだけど。やめろよ自覚したくないんだからさ。


 「誰かを助けるのは力のあるものの使命だ。俺はそれを貫くだけさ」

 「ば、ばかなん!?」

 「とうとう言葉にしやがったな!焼き殺すぞ!」

 「貴様に身体能力で負けるわけがないだろ!」


 俺とウンモが殴り合っていると(言うても一方的にウンモが殴ってる)黒垓君が白色の扉から出てきた。


 「2人にお仕事持ってきましたよー」

 「え、仕事?俺なんかに?さっき険悪なムードのまま出てきた俺に?」

 「そうっすよー。…………どうやらカースクルセイドのアジトを突き止めたらしいので、部隊の一つを任せたいらしいっす」

 「マジで?俺なんかに?………絶対やめた方がいいと思うんだけど。さっきはあんなこと言ったけど、俺、仕事できないからね?」

 「それは知ってますけど大見得切った以上やらないとダメっすよ。慶次さんと王様からの直々の命令なんで断れないっす」


 …………あんなこと言わなきゃよかった。


 「よし!今度こそ活躍して評価をあげるよ!」


 そして妙にやる気のあるイリナ。いや無理だろ………人からの評価なんてそう簡単に変わるものじゃないよ。特に俺、魔王だからね。勇者の大敵だからね。


 「あ、そうそう、黒垓君。キープタウンに俺を飛ばしてくれない?」

 「いいっすよーー」


 俺は白色の扉をくぐり抜け目的地へと向かう。そこにはボロッボロの机が置かれた、さっきまで俺がおにぎりを配っていた場所だった。さっきの騒ぎのせいで誰もおらず、そもそもこの通りを歩いている人すらもいない。ユピテルさんが避難活動をしてくれたのだろう。置いてあったマシュマロとおにぎりを掴んだ。


 「…………思ったよりも楽しかったし、もう一回やってみるか」


 呟いた俺はボロボロの机に腰掛け空を見つめた。陽が落ち、地平線が閉じていく。そしてカラスが1匹、素っ頓狂な声をあげた。

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