表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

⑥《リビング・デッド》

作者: いちごみるく

実はフリーの小説家。

ツイッターやってます。

「@Ichigo_Milk___」

キャラクター紹介


ナカノ・メア/殲滅王

焼野原高校一年の男子生徒で中家鬱が驚かせるための実験体の一人、昔からの幼馴染。

霊銃(レィスガン)を使い生還する。


島崎夢子/デストロイ・ロータス(新種タイプD)

焼野原高校二年生徒会長でショートヘアの女の子だった者。現在は天空楽園(インビジブルユートピア)地獄(エリア)の門番をしている。

表情は嗤うと歪み赤眼。黒い天使をイメージした衣装。妊娠しているかのようなふっくらしたお腹。左手には骸骨が付いた大鎌を装備している。


中家鬱/デストロイ・コスモス(新種タイプD)

焼野原高校一年の女の子で夏の日は冷たいフローリングリビングで寝転がるのが趣味だった者。

髪の毛はイカの足の様にうねる触手。

目は充血したかの様に赤い。微笑むと流れる血の涙。

服装はデストロイ・ロータスと真逆で白い悪魔の様なイメージ。両脚には白い模様がいくつも入っている。

武器は無し。両手を広げて誰かを包み込み待っているかのよう。


サリィ・ユニバース

衣装はゲーム内とは変化しており髪には大きな星の髪飾りブースター、星の王冠、宇宙飛行士の白色と青色の女性用スーツ姿になっている。

ナカノを助けるべく空から戦闘型惑星探索機で駆け付ける。


プロローグ ー 記/憶 ー


あれは中学校を卒業して焼野原高校に入る前の頃のワタシ。

焼野原高校の教室に入った時は既に中家さんはリビングに倒れているもしくは寝そべっているゾンビの印象でした、ワタシは驚きました。

すると背後から「おいおい、またそんな事してるのか中家。すまないなアンタにまで迷惑かけてしまって」。

と声をかけて来たのはナカノくんでした。

一目でわかりました、自分は惚れたのだと。

しかし後に中家鬱さんがナカノくんを好きなのを理解したのを思い出すと悔しくて仕方ありませんでした、そして二階の教室で首吊り自殺をしたのでした。これで百回以上でしょうか……死んで人生をやり直したのは。


最終章 一 ー 空/宇 ー


天空楽園に向かうにはサリィの惑星探索機が必要だった。

後から聞いたサリィの話によると中家がそこにいるらしい。

何故そう言う事態になっているのかはわからないし何故それをサリィが知っているのかもわからない。

その惑星探索機で未来を見て来たなんて言うのなら説得力はあるが……にわかには信じ難い。


「ちょっとぎゅうぎゅうだけど何とか二人で入れたねこれ」


ちょっとぎゅうぎゅうどころではなくサリィの至る部分がナカノの肘や腕に当たりそこそこ集中出来ない。やっぱり女の子だよなぁ……。


「それじゃあ行くよー!しっかり掴まっててね!」


決して誰にも見られない場所……それに辿り着くには相手の心を壊さないといけない。

心の壁はきっと莫大な規模なのだろう、だが。


「見えた!中家の光だ!あの透明な壁を破壊するんだ!」


了解!とサリィは返事をして右手のドリルアームを全開で回して相手の心の壁を破壊して見えたその先は十字架に取り付けられている人間とは姿変わり果てた中家の姿がそこにあった。


最終章 二 ー 好/嫌 ー


「ようこそ天空楽園へ。アナタにはずっとずっと会いたかったんですよ。それなのに……中家さんばかりを見て、少し妬いちゃいました。なので……最愛の彼氏の目の前で中家さんを殺しますね」


そう言って骸骨がついた大鎌を中家の首元へと振りかぶる瞬間にサリィの小型ハンドビームガンの薬莢が島崎の手に直撃し大鎌をその場で落とした。


「く……ッ。でもやっと会えたのね……見て、ワタシのこの膨らんだワタシのお腹。アナタの子よナカノくん……」


血だらけの右手で優しく自分のお腹を撫でる島崎さんの笑顔はまるで悪魔では無く人間のようだ。


「……ッ!パパ!今の内に私の力を受け取って!それでママを助けて!」


サリィはそう言ってナカノの頬に優しくキスをするとその場で光の量子となり消えナカノの体内へと入って行った。凄い力を感じる。これなら……。


「俺は殲滅王だ。アンタの事知らない!全力で行かせて貰うぞ!はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!」


左手には黒球の稲妻が迸り、右手には白球の稲妻が迸る。これを一つに合わせる事で島崎さんの腹部を極太のレーザービームが貫きその場で極太のレーザービームが長い柱になるかのように石化してその場で貫通され壁の端まで追い込まれて串刺しにされた島崎さんは多少なりとは生きていた。


「ワタシの夢は…………アナタに…………出会い…………霊銃で…………守護してあげる事よ…………それに……霊鎧者(リアクティブ・アーマー)はやっぱりアナタには感染しなかったのね……そうすれば……アナタとワタシはヒトツに……」


島崎さんならぬ。デストロイ・ロータスは自分の貫通させられた腹部を優しく撫でてその後ゆっくりと目を閉じた。


「この霊銃も消える……ありがとう生徒会長。アンタは最初から……何故わかり合う事が出来なかったんだ俺達は……!」


近くから近付いて来る足音がする。

それは他の誰でもない、中家だ。

そして俺を優しく抱きしめてくれた。


「ずっと怖かったよね。ずっと苦しかったよね。ずっと痛かったよね。ごめんねナカノくん」


俺は初めてこの瞬間に気付いた、あの最初に助けてくれたポニーテールの女の子の正体を。


「いや、中家の方こそありがとう。あの時俺を庇ってくれたのは中家なんだろ?お花見の時だってそうだ、あの変な行動は全て俺達を地獄から少しでも遠ざけるためだったんだろ?それと……はい、これ」


俺はいつの間にか持っていた指輪を渡す。

サリィが嵌めていた指輪に少し似ている。

それに今の中家は純白のウェディングドレスを着ているようにも見えて雰囲気はバッチリだった。


「……そういや中家、あのZカップの呪いは解けたんだな?」


いやそこはほら……!と中家に言われる前に俺は中家の両肩に手を置いて唇を重ねる。

そしてゆっくりと離す。


「俺と側に居てくれ、結婚しよう。鬱」


すると少ししてから中家の両目からは沢山の涙が流れて……だいっきらい!とバシーンッ!と凄い音を立てて俺はぶたれた後に中家は蔓延の笑みを浮かべて。


「こちらこそよろしくお願いね、ナイトメア」


と、お互いは今初めて名前で呼びあった。


最終章 三 ー 映える/生える ー


地獄(エリア)完全封鎖から一年。

あれからと言うと俺と中家は結婚して、苗字もナカノ・メアから仲野に変わり仲野召亜になり、中家も仲野に変わり。

それとは別にもっと凄いのは俺と鬱の間に女の子の子供が出来た。

勿論名前は悩んだけど俺にはこの名前しか出て来なかった。

仲野紗里。

理由は……何故なのかイマイチわからないからダメなんだけど鬱もそれを採用してくれた。


「そういや……髪の色、白くなってしまったな……その、目は治らないんだよな……?それ」


そう、鬱は俺を人間にするのを引き換えに茶色の髪色と目を失ったのだ。

しかし鬱曰く、目は失ったのでは無く。赤目が原因で人間にどんな影響を与えるかわからないため両目に包帯を巻いているのだ。

それと引き換えに俺は人間になり、白髪だったのが茶髪になり。鬱は不死身と化した。


「大丈夫だよナカノくん。私は今を生きてる。例え目が見えなくて……不死身の存在であっても一生消える事ないとても小さくて暖かな光がここにはあって……私達の宝物だもの」


鬱はそう言って赤ん坊の紗里を優しく撫でる。


「そうか……俺もそう思うよ」


その病室の風景はとても優しく描かれて居て、この個室には暖かな光が差して居た。



七年後の四月。


そろそろ紗里が一人で動けるようになって来て今日は三人で手を繋いでお花見に行く予定だ。

と、そんな時に紗里は俺達にこう言って来た。


「ねーねー、おかあさん。なんでおとうさんと結婚したの?」


まだ幼い紗里は必死に問いかけました。

するとおかあさんはこう言いました。


「あの人ね。私を見ても怖がらなかったのよ?私の……そうね……私がナカノくんを初めて驚かせたから……かしらね」


鬱がそう言うと紗里はそうなんだ!えへへ……と笑っていた。


まさか、人生で最初に驚かせる手段がビンタだなんて告白してからされる事じゃないからなぁ……と染み染み思った。


「今日は綺麗な桜見れると良いな」


俺は空を見上げてそんな事を言うと鬱が隣から……。


「来年もきっと綺麗よ」


そう微笑む鬱の笑顔に俺はホッとした。


プロローグ ー 天/使 ー


ここは宇宙ですぐ前には地球が見える。

それは黒に染まっていない。

優しい緑と青の世界。


「ほら見て島崎ちゃん!地球はあんなにもわかろうとしている!理解しようとしている!人間と!」


背中から羽が生えたサリィは地球に指を指しながら言う。


「そう……あれが、ナカノくん達がいる地球だものね。守ってあげなくちゃ……」


右手はサリィと手を繋いでいて、そう言い終わると左手で自分の膨らんだお腹を優しく撫でる島崎。


「この景色凄いわね……初めて見たわよ……今度遊びに行きたいなぁ……なんてね」


左手は島崎と手を繋いでいている。

そして宙の中で足を組む星蝕(ほしはみ)ステラの姿がそこにあった。


「みんなで見守れば大丈夫だよ」


サリィがそう言うと次の瞬間に三人の姿は光の量子となって消えていた。

あとがき


こんばんは、いちごみるくです。

今作の最終巻までお付き合いいただき本当にありがとうございます。

とは言え他に外伝を作ろうかとも思っていました。

レイムの生存ルートとか……まぁなんかその仲間の死を犠牲にしてまでナカノくんには守りたい人が出来たと言い切れますので悪しからず。

と、言う訳で何となくで連載したリビング・デッドシリーズいかがでしたでしょうか。

またいつか別の最新刊でお会いしましょう!。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ