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闘争という習性

異世界ならオリジナル武術とか簡単に出せるじゃん! と思ったので軽率に異世界転移始めました。

 どことも知れない森の中に、男がひとり放り出されていた。

 身長は一八◯センチも半ば。体重は一二◯キロに迫るだろう。巨漢と言っていい。

 年のころは四◯そこそこか。豊かな、しかし白いものが混じりはじめた黒髪をオールバックに固め、あちこち擦りきれた空手着を纏っている。その厚い布越しにも、肩が、胸が、太ももが、大きく張りつめ、中に隠れる肉の厚さを伺わせる。露出した首などは頭とほぼ同じ太さで、正面からみるとウイスキーの瓶のようなシルエットになっている。

 周囲を見回す顔も異様だ。潰れた鼻、沸いた耳、唇もどこか(いびつ)だ。いずれも、何度も何度も破壊されたのだ。再生も追い付かないうちに。

 拳もまた尋常ではない。何度も剥がれただろう爪は分厚く歪み、骨折を繰り返しただろう指のころころと太く、角質化した手の甲とあわせてみると赤子の手のようにも見える。履き慣らされたスニーカーに隠された足も、同様に。

 太い首。厚い体。でかい拳。空手着。つまりこの男、松岡(まつおか)誠司(せいじ)は、空手家であるらしかった。


 誠司は困惑していた。自分がなぜ森にいるのか分からなかったからだ。ふと気がつくとここで仁王立ちしていた。気温はやや肌寒いか。風はなく、枝葉をすり抜けた陽光が細く降り注ぐ。

 自分の格好から察するに、道場の行き帰りか、道場破りの行き帰りだろうか。若い時分は山に籠って立木打ちなどしていたものだが、それもしなくなって久しい。ともあれ森を出ようと歩き出すと、途端に人の声が聞こえた。悲鳴だ。女性の悲鳴と、複数の男性の怒号。がさがさと草葉を蹴散らす音。誠司は声のもとへと疾駆した。巨体に見合わぬ猫科の獣のようにしなやかな動きだった。

 幸い悲鳴の主は誠司のいる方向へと逃げているらしかった。あっという間に距離は縮まり、誠司たちは邂逅した。まず誠司が見たのは年若い女性の姿。十代の半ば頃だろうか。肩にかかる赤髪を振り乱し、麻作りの服の胸元を抑えて走っている。どうやら手酷く破かれているようだ。後ろを振り返りながら走っていたが、正面の誠司に気が付くと焦燥の表情を絶望に変えて足を止めた。鳶色の瞳は明確に恐怖に濁っている。

 誠司が少女に声をかけるより早く、男たちが追い付いた。


「おっとぉ、ようやく観念……?」


 にやにや笑いを怪訝なものに変え、少女を挟んで男たちと誠司が向き合う。男は三人。いや、うちひとりは男かどうかも分からない。栗色の毛を持ち服を着て二本足で立つ犬、にしか見えないのだ。残りのふたりも、黒髪に青い肌の男、同じく青い肌だが腕だけが異様に太く長い禿頭の大男だ。青い肌のふたりは鞘に納めた剣を腰に吊っている。


「な、なんだ? コスプレってやつかィ……?」


 どうにも現実感のない面相。誠司の戸惑いは男たちには聞こえなかった。

 

「なんだオッサン、こんなとこでなにやってんだよ」


 二本足の犬がねちっこい声で言った。首を不自然に傾け、下から急角度で睨みを効かせている。口はマズルで口腔には牙が覗き、長い舌が動いて人語を話す。被り物には見えなかった。


「まてスット」黒髪の男が二本足の……スットと呼ばれた犬の肩を抑えた。「よぉオッサン。なにしてたのか知らねぇが、女の足を止めてくれた礼だ。このままどっか行くなら見逃してやる」


 口端を上げながら剣の柄を撫でた。威嚇しているのだろう。だが誠司は、目の前の化生まがいの男たちが日本語を話す事実に困惑し、それどころではなかった。

 

「トッコの兄ぃ、そんなこと言わず、マスかくぐらい勘弁してやりましょうやぁ」

「おいおい、ドッコは優しいなあ。オッサン、弟に感謝しろよ」


 へらへら笑う黒髪はトッコ、禿頭はドッコと言うらしい。スット、トッコ、ドッコ。わけの分からない状況の連続のなか、誠司はすっとこどっこいを連想して場違いにもくすりと笑った。それを余裕と見たのか、会話から三人と無関係と判断したのか、少女は誠司に駆け寄った。


「た、助けてください! あいつら……」


 少女の言葉が終わるより早く、誠司は腰に結んだ黒帯をほどいた。上衣を脱ぎ、(いわお)のような上半身を露にする。顔を強張らせる少女を痛ましく思いながら、脱いだ上衣を頭にばさりとかけてやった。


「羽織っときな。汗くさいが、ないよりマシだろう」


 道着越しに少女の背中を叩き、ずいと前に出た。事態は不明だが、誠司は暴力の臭いには人一倍敏感だった。男たち、特にスットは、誠司が笑った瞬間から怒りに牙を剥き、喉の奥を低く唸らせていた。誠司の内に昏い喜びが灯った。


「オッサンよぉ、ずいぶん勇ましいフリしてるけど、状況分かってんのか? オレたちゃテンジ一家の土間預かりだぞ!」


 スットが泡を飛ばす。どうやらテンジイッカノドマアズカリとやらは人を脅かすに充分ななにからしいが、誠司にはそれが何を指すか全く分からなかった。ずかずかと近づいてくるスットの言葉を笑い飛ばし、


「どうでもいい」


 一蹴。どうでもいいのだ。コスプレでも化け物の類いでも自分がなぜここにいるのかも。どうでもいい。

 誠司の行動原理はもっとシンプルだ。


「ヤるのか、ヤらねえのか、それだけはっきりさせてくれや」


 体が疼く。この異形を相手に、自分の体はどのように対処するのか。試したくて仕方がない。長いこと癒えなかった渇きがいっそう強くなる。目前の荒事に肉が喜び奮える。誠司は、もうそういう習性の生き物なのだ。

 獰猛な笑顔で吐かれる明確な宣戦布告。スットは気圧され歩を止めるが、その事実を払拭するように語気を強め、大股で距離を詰め、右手を大きく振りかぶった。


「テメェあんまりオレたちをナメ……」


──ゴキャッ!


 スットの右拳は鈍い音に遮られた。訝しげに眉を寄せるトッコたちの前で、スットはお辞儀をするように顔面から地面に落ち、ぴくりとも動かなくなった。スットたちには影になって見えなかったが、誠司の間合いに入った瞬間に正拳で胸を穿たれ、言葉半ばで気を失ったのだ。乾いたような湿ったような独特の音は、胸郭が拳大に砕け凹んだ音である。


「ドッコ!!」

「おう!」


 それを見たトッコが鋭く叫ぶと、応じたドッコが腰の剣を抜き放つ。きらりと光を反射する白刃は間違いなく本身のものだ。異常に長い腕に剣を振り上げて肉薄してきた。誠司は棒立ちのままドッコの動きを注視していた。無遠慮にどかどかと近付いてくる様は、誠司の目には無防備に映る。


「フンッ!」


 気合い一閃、左上方から振るわれる剣は、空気を巻き込み唸りを上げて空振った。棒立ちの誠司目掛けて振られた攻撃は、一歩前に出るだけで躱されたのだ。

 右斜め前に踏み込んだ誠司は、さらにもう一歩踏み込むその動きのままに、がら空きの脇腹に右の鉤突きを放つ。重い音とともに肉がひしゃげ、乱暴な拳の乱入に臓器がねじれ上がった。ドッコは大量の吐瀉を噴き出し膝から崩れ落ち、その途中で後頸部に肘の追い討ちを喰らって完全に意識を飛ばした。


「なにっ!?」


 声をあげたのはドッコの背に隠れて肉薄していたトッコだ。ドッコの攻撃を大きく避けるなり喰らうなり、体勢の崩れた相手を密かに詰めていたトッコが斬る。それが狙いだった。ところが今やドッコは顔面から地面に落ち、目隠しどころか障害物になっている。衝突を避けようとしたトッコは左右に避けるか、それとも跳ぶかと逡巡した。否、させられた。


「起きたらこいつら連れて(けェ)りな」

 

 意識の空白は誠司によって衝かれる。ドッコの体をひと跳びに越え、トッコの喉に足刀の一撃。顎を掠め、脳を揺らしつつ喉に深々食い込んだ足は、トッコの意識を容易には覚めない夢へと蹴り飛ばした。

 残心。誰も起き上がってこないことを確認すると、誠司は少女の元へと向かう。少女は空手着を羽織ったままへたり込んでいた。


「よお、ダイジョブかい嬢ちゃん」


 誠司が野太い声で安否を問う。問われた少女はぽかんと開けていた口を閉じ、呆然としたまま頷いた。刃物を帯びた男三人を相手に鎧袖一触。直前までの鉄火場をまるで感じさせない、穏やかな笑顔を向けてくるこの男は何者なのか。少女は今その目で見たことが理解できずにいた。


「助けてやった礼ってわけでもないんだけど……」誠司は困り顔で頭を掻いた。「人里まで案内してもらえないかね……?」


 今しがた鬼神の如き強さを示した巨漢が情けなく眉根を寄せる様は、どうしようもなくおかしくて、恐怖が去った事実を噛み締めながら、少女は少し笑った。

 

 ◯


「改めて、助けていただいてありがとうございます、セージさん」

「なぁに、あんな奴ら、ものの数でもねえよ」


 少女はニトラ・アゼピンと名乗った。ゾルピデム王国のエスタゾラムという街の住人だそうだが、困ったことに誠司にはどちらも聞き覚えが無かった。ニトラもまた、日本という国も東京という都市も知らなかった。

 しかし幸いにも森はすぐに抜けられた。赤毛の少女ニトラは普段から山菜を積みによく入るのだそうだ。人を食うような獣は出ないそうなので、すっとこどっこいは置いてけぼりだ。そのうち目を覚まして痛みにのたうってから帰途につくだろう。

 森を抜けると街までは一本道だという。山菜を回収して帰る道中、誠司はニトラが襲われる理由を聞かされた。ニトラは兄とふたり、エスタゾラムの街で料理屋を営んでいるらしいのだが、そこでの騒動が関係しているそうだ。


「両親から受け継いだ店なんです。父の料理は凄いんですよ! 王都でも名が知られていて、遠路はるばる足を運ぶ貴族様もいらっしゃいます。お陰さまでエスタゾラムでも一等地に店を構えられました。その父母が事故で他界したのが、三年前です」


 ニトラの顔に変化はない。十もそこそこで両親を失うということがどういうことか、誠司には想像することもできないが、彼女の中ではもう気にすることではないようだ。表情に暗さはない。


「私も兄も料理を教わっていたので、店を続けていけたんです。両親の味にはまだまだですけど、馴染みのお客さんのお陰もあってなんとか兄妹ふたり、生きていく分には賄えていました。だけど、一週間ほど前……」


 スットの言っていたテンジイッカとは、テンジ一家。聞けばテンジ一家とはヤクザ者の集まりであるらしかった。チンピラ紛いの連中をまとめあげ、古い道場に住み着いた大親分、テンジが率いる武辺者気取りの集団。


「テンジたちは店に入るなり、今日は貸し切りだ、出ていけと他のお客さんを脅しはじめたんです。兄が宥めにいったんですけど、それが気に入らなかったみたいで、連中も怒っちゃって、店の調度品を壊したり、剣を抜いたりするものですから、カッとなって……」

「お兄さんとそいつらが喧嘩になった、と」


 面子を潰されたならず者など、考えることは皆一緒だろう。誠司も覚えがある。チンピラにもヤクザ者にもストリートギャングにも、背中を狙われた経験があった。一度叩けばしばらくは楽しめたものだ。


「いえ、私が……」

「え?」


 誠司は目を丸くした。


「兄が斬られる、と思ったら、手に持っていたスープを、ついこう……」


 羞恥からか顔を赤く染めて示されたジェスチャーは、スープの入った器を下手から顔に向けて放ってしまったことを表現していた。誠司はニトラのことを大人しい少女だと思っていたので、大胆な行動につい驚いてしまった。いや、大人しい人柄であれ身内に危険が迫れば大胆になれるものだろうか。

 その場はテンジが医者に駆け込み流れたのだが、それから一家のしたっぱからの嫌がらせが始まったのだという。扉に落書きをされ、敷地に動物の死骸を投げ込まれ、店内では大声で騒ぎ他の客を恫喝する。先日など、店を出た帰りに物盗りにあった客まで出たという。


「そりゃひどいな。警察には言ったのかい?」

「はい。衛兵さんも見廻りをしてくださっているんですが、テンジ一家は逃げ足も早く……。それに、当のテンジ本人は並みの衛兵よりずっと強くて、そこに五十人からなる一家が合わさると迂闊に手は出せないそうなんです」

「おいおい……」


 あんまりな話に誠司は内心頭を抱えた。ふたり身を寄せ会う兄妹を守れずしてなんのための組織か。

 そして同時に胸が沸き立つのを感じた。警察……いや、ニトラは衛兵と言っていたか。ともかく、治安維持機構が迂闊に手を出せないほど強い個人。知らず、右手が拳を作る。試してみたいと、拳が囁く。


 そうこうしているうちに門衛に挨拶をして街門をくぐり、エスタゾラムの街にたどり着いた。街並みに見える建物は簡素な作りのものが多い。洋風とも中華風ともつかない不思議な、しかし立派な様式が見える。石積だったり木造だったりするそれらは大通りの左右をずらりと並び、絶えず人を飲み込み吐き出し、人々の往来を代謝しているかのようだった。


「おお……、これは、また……」


 しかし誠司の目を奪うのは建築様式の妙や人通りの多さではない。人通りを構成する個々人の姿形だ。

 誠司から見て違和感のない姿の人間は四半分に届かぬほどか。他はまるで仮装行列のような人々が活気も豊かに行き交っている。狗頭の若者が駆け足で猫の若者に合流し、兎の耳の老婆が二足歩行の亀から物を買う。呆ける誠司の眼前を人間の胸まで体高のある蜘蛛が横切ったかと思ったら、その蜘蛛は頭のある場所から人間の上半身を生やしていた。汗を垂らして荷車を牽く男だった。なにかが足元を通ったと思ったら、誠司の膝ほどの背丈の小人が三、四人連れだって走っていく。


「こっちです」


 圧倒される誠司をニトラが先導する。誠司はぽかんと口を開けた間抜け面を、左右にキョロキョロさせながらあとに続いた。ニトラからすればどうやら日常の様子、日記にすれば紙幅を割くまでもない当たり前の光景のようだが、誠司からすれば、目につくひとりひとりに声をかけ、その体の構造を訪ねたくなるような容貌ばかりだ。そこかしこから聞こえる話し声が日本語に聞こえることも、誠司の混乱を助長した。


「このあたりは、いつも、その、なんだ……。こんな人がいっぱいいるのかい?」


 訪ねる言葉は煮え切らない。日本にいたころですら肌の色や髪の色、生活様式や信仰が原因のいさかいを聞かぬ日は稀だった。管理職になった古馴染みは、部下の容姿に言及しない旨の研修を毎月のように受けているという。ましてどうやらこの世界は容姿の違いがより顕著だ。自然、言葉を濁した曖昧な聞き方になってしまった。

 そうして放たれた疑問は、やはり正しくは伝わらなかったようだ。


「? はい。これくらいは普通です。セイジさんの居たところは、もっと人が少なかったりしたんですか?」

「そう……だな、少なかったかもしれない……」


 正しくは伝わらなかったが、それでもその返答からわかる。この容姿の人々は"普通"なのだと。


「ニトラ!」

 

 改めて面食らう誠司の耳に鋭く届く声があった。正面からだ。キョロキョロと定まらなかった視線に警戒を乗せて声の主を見据える。同時にニトラの前に体を晒した。

 声の主はすぐにわかった。道行く人もまた声の主に注目していたからだ。ただならぬ様子に件の人物と誠司たちの間の往来が捌け、なんの障害物もなく互いの視線がぶつかるようになった。声の主はおよそ全身を覆う革鎧を着ていた。額や胸など急所にのみ金属が当てられている。上がったフェイスガードから覗く顔はよく日に焼けていて精悍そのものもで、栗色の眉は茶色の瞳同様力強くつり上がっている。年のころは十代後半といったところか。手には二メートルほどの槍を携えている。走ってでもいたのか、ぜいぜいと肩で息をしていた。


「フルニ!」


 今度の声はニトラからだ。声の主はフルニというらしい。


「知ってる奴かい?」

「私の夫です」

「夫……」

 

 誠司から見たらニトラはまだ子どもだ。その子どもが人妻だという。誠司が驚いている間にも、フルニの視線は一直線にニトラに据えられている。

 ニトラの様子をとらえて安堵に緩みかけた表情は、その服装を見るにつけ固く強ばっていく。よりそって歩く男女。女は自分の妻で、衣服は乱れ泥と草の汁で汚れ、顔には涙の跡。隣にはいかにも粗暴な雰囲気の半裸の男。頭に昇った血が蒸発し、目を曇らせるには充分だ。


「てめえ、ニトラから離れろ!!」


 瞬間、フルニは右前に槍を構えて駆け出した。慌てて仲裁に立とうとするニトラを手で制し、誠司はあえて前に出る。誠司は、喧嘩の臭いを決して逃さない。チャンスを求めて鼻を効かせ、微かにでも嗅ぎ取ろうものなら強引にでも紛れ込む。言葉で、態度で、仕草でもって相手に手を出させて喧嘩に持ち込む。そのためだけに夜の街を徘徊する。その習性は、異なる世界という非日常でも変わらず発揮された。

 ニトラを前に出すだけでフルニの攻撃は止まり、そこから事情を説明してもらえば何事もなくおさまる。考えるまでもなくそれが最善、普通ならそうする。しかしそうしない。闘いたくてたまらないのが、誠司(みじゅくもの)という人種なのだ。


「でやッ!!」


 瞬く間に距離を詰めたフルニの突きが、誠司の顔面を強襲する。腹や足を狙われたらどうしようかと考えていたが、これならば安心して躱せる。恐らくフルニも、誠司が避けたあとニトラに当たることを嫌ったのだろう。眉間に向かって伸びてくる槍は点となり、ひどく距離感をはかりにくいものだが、誠司はニトラの腕の絞りや肘の伸び具合から間合いを正確に計り、紙一重で左……フルニとは槍を挟んで対角線に空かして見せた。

 軽く首を捻って穂先を見送った誠司は、顔の横ですかさず槍を掴む。引き戻しで首を斬られてはたまらない。

 ギュッと握った途端に誠司の丸太のような前腕がさらに大きく膨れた。手の中で木の柄が軋み、指の皮膚同士が擦れる音が後ろのニトラにまで聞こえる。ミシミシと万力のように締め上げる誠司はフルニの出方を待った。重そうな鎧を着込んではいるが瞬発力は大したもの。このまま力比べをするか他の手段を取るかで、フルニの練度も知れよう。


「ふッ」

 

 余裕を持って出方を待っていると、フルニは予想外の動きを見せた。鋭く息を吐きながら槍を手放し、後ろを向いたのだ。後ろ蹴りか後ろ回し蹴りか、どちらにせよフルニの足では届くまい。誠司はその動きに疑問を覚えながらも、手首を外に捻り、槍の柄で回転中のフルニの首を叩いた。どこかに当たればいいと適当に動かしたそれは首を覆う鎧に防がれたが、鎧を着てなお三◯㎏ほども体重差のある両者のこと。フルニにとって不意の衝撃であったことも相まって回転の軸がぶれてしまった。


 その衝撃が誠司の手に伝わるのとほぼ同じくして、鼻先を掠めてなにかが通過した。ブゥン、という唸りを聞いて咄嗟に首を反らした誠司だが、鼻孔から鮮血が垂れている。つ……、と垂れるそれを親指で拭い、笑みも隠さずにフルニを見る。跳びすさり距離を取ったフルニは、先ほどとは様相が違っていた。


「尻尾か……」


 誠司の呟きの通り、フルニの腰からは一メートル弱の尻尾が蛇のように鎌首をもたげていた。太さは女性の太ももほどから先端に向かって細くなっている。栗色の柔らかな獣毛に覆われたそれこそが、誠司の鼻血の原因だった。フルニは怒りに任せた突進の最中にも、尻尾を自身の影に隠し誠司への不意討ちとして見舞ったのだ。只人でない姿をさんざ見た直後だというのに、相手が自分と同じ構造をしていると疑わなかったを、誠司は恥じた。同時に、とてつもない喜びが沸き起こる。

 ここの住人たちは、いったいどんな闘い方を見せてくれるのだろうか。

 手始めにこの青年だ。腹の底から湧出する喜悦は鼻血を止め、頬を大きく笑みに刻んだ。大いなる期待を込めて、誠司は今度こそ構えを取った。

 いや、取ろうとした。


「フルニ待って!」


 ふたりが距離を取るや否や、ニトラが誠司の前で両手を広げていた。


「この人は私を助けてくれたの!」

「なに?」


 必死に経緯(いきさつ)を説明するニトラを見て、誠司は鼻を鳴らした。これから楽しくなるところだったのだが……。

 身ぶりを交えてニトラが話す。この取りなしによって場は流れてしまうだろうが、だからといってここでフルニを強襲しないだけの良識は、誠司も持ち合わせているようだった。


 ◯


 『金竜の餌場』

 飴色の立派な扉に朱色の大きな屋根が目を引くそこが、ニトラとその兄の営む料理屋の名前だった。大きな通りの中でも存在感を放つ立派な建物だ。どことなく中華料理屋を思い起こさせる様式であった。

 真珠色の美しい内壁、暗色に塗られた床板も塵ひとつない。年季を感じさせるテーブルと椅子の群れは丁寧に磨かれ暗褐色の光沢を持っているが、半分以上が壁際に寄せられていた。使われていないのだ。

 店内どこを見ても清潔そのもので、しかし染み付いた料理の匂いが、この店で味わう品々への期待を煽る。しかし今店内に客の姿はない。昼下がりとはいえ普段なら遅めの昼食を食べる者や、仕事の合間に軽食を摂る者で常に人が入っていたのだ。だというのに、今店内にいるのはわずかに四人。従業員の姿すらない。

 うちふたりは店員で、もうひとりはその伴侶であるため、部外者に限ればひとりきりだ。そのひとりは四人掛けのテーブルに所狭しと並べられた料理を猛然と食べ進んでいるが、金を払っていないため、客ではないのだ。


 甘く煮た肉。大きな焼き魚。蟹に似た何かの姿揚げ。辛いタレの絡んだ野菜の盛り合わせ。肉と野菜がごろごろ入った薄緑色のスープ。薄いピザ生地のようなもので巻いた餡かけの肉や野菜。巨大なステーキ等々、誠司の知る料理に似たものから製法の想像がつかないものまで、卓に並べられては胃袋へと消えていく。余人には真似しがたいスピードで口へ運び、咀嚼し、嚥下する。ニトラが厨房とテーブルを汗を光らせながら往復し、フルニは誠司と同じテーブルで呆れた顔をしていた。誠司は一口一口を珍しそうに、美味しそうに頬張り、おかわりを要求する。

 いったい何人前食べるつもりなのか、フルニが材料の在庫を心配し始めたころ、ようやく誠司からストップが入った。


「ふぅー、食った……。嬢ちゃん、もう追加はいいよ。ここにあるだけで充分だ」

「ここにあるだけで、俺なら一日食わずにいられるよ」


 フルニの皮肉は誠司には届いていない。初めて見る、しかし格別に上手い料理に舌鼓を打つのに忙しい。香り高い茶もまた逸品だ。


「そ、そうですか? では兄に言ってきます」


 どこかホッとした様子でニトラは厨房へ向かった。料理は兄の担当だ。誠司はそれまでとさほど変わらないようなペースで残りの料理を平らげ、腹をさすりながら満足げに息を吐いた。


「いや~……、うまかったァ……」

「それはよかったです」


 額に浮かぶ汗を拭きながら、赤毛の男が現れた。ニトラの兄、ゼパムである。背丈はニトラよりやや高い、線の細い印象の男だ。その印象どおり物腰も柔らかく、妹と同じ鳶色の目は優しげに細められている。


「異国の方の舌に会うか不安でしたが、杞憂でしたね」

「杞憂も杞憂、どれもこれも絶品で、おれァ大満足よ、アンちゃん」

「そんだけ食って満足してなかったら蹴り出してやるところだ」

「もう、フルニ」


 ニトラの仲裁の甲斐あって、フルニと誠司の衝突は免れた。そのまま三人で金竜の餌場へ向かったのだが、フルニは誠司をよく思っていないようで、当たりが強く険のある言動が目立つ。得体のしれない風体の男なぞ怪しんで当然と誠司も思うが、それをニトラが諌めるのが、この短い時間ですでに見慣れた光景となっていた。


「改めまして、妹を助けていただいて、本当にありがとうございます」

「気にすんなィ。行き掛かり上のことだし、おれひとりじゃ街まで辿り着けたか分からねェんだ。お互い様さ」


 深く頭を下げるゼパムに、誠司は軽く手を振って返した。本心である。規模はわからないが、森を歩く心得も準備もない誠司では、最悪野垂れ死んでいたかもしれない。


「じゃあここの支払いはどうするんだよ。道案内とトントンだってんなら、お前ちゃんと金払うんだろうな」


 フルニは相変わらず尖らせた目で鋭く睨み付ける。血気盛んな若者ゆえの逸りが見えた。血の気の多い若者は好きだ。誠司にんまりと笑って答えた。


「いやァそれがどうも文無しみたいでよ、叩いても埃しか出てこねェ。どうだいアンちゃん、さっき襲いかかった詫びってことで」

「はあ?」


 フルニの目の鋭さが増した。眉は歪み、唇の端がぴくぴくと動いている。明らかな怒りの形相だ。槍は壁に立て掛けてあるが、素手のままでも襲いかかってきそうだった。「落ち着いて」そう言って取りなそうとするニトラを無視し、フルニは荒々しく椅子を引き立ち上がろうとして、


「では!」


 ゼパムが大きな声で牽制した。


「では、妹をここまで護衛してくれたお礼ということでどうでしょう?」


 ゼパムはまっすぐ誠司に向かい合っているが、ちらちらとフルニを気にしている。それを受けたフルニは大きく舌打ちすると、乱暴に座り直した。体は横を向き、誠司の顔を見たくないと、態度で示している。誠司ははっとして自分の額をぴしゃりと叩き、頭を下げた。


「いや失礼。今のはおれが悪かった。全面的にな」


 突然の謝罪にフルニは目を丸くして驚いてた。ここまでの誠司の言動は傲岸不遜で、とても人に頭を下げるような人間には見えなかったからだ。ニトラとゼパムも少なからず驚いている。フルニは驚きから覚めるとなおも訝しげな目を向けた。


「なんだよ急に、気持ちわりぃ」

「無闇に挑発するのはおれの悪い癖みたいなもんなんだ。アンちゃんが突っ掛かって来たのは、まあ当然も当然。なにも気にすることはない」ついで、誠司はゼパムに体を向けた。「アンちゃんにも無用な気を使わせたな。悪かった」


 もう一度頭を下げる誠司。フルニは憮然とした表情を隠そうともせず、ニトラはそれを宥めようとし、ゼパムはおろおろしながらも誠司に頭を上げさせようとしている。そのまま五秒ほども経つと、勢いよく頭を上げてパァン! と盛大な柏手を打った。


「さ! これでこの話は(しま)いにしよう。で、ここから別の話なんだがね、ゼパムさんよ、おれを用心棒として雇わねぇかい?」


 自分ではじめたことだというのに、図々しくも一方的に話題を打ち切った。そしてずんぐりした体を闘志に滾らせながら、誠司は獰猛に笑うのだ。そうするとただでさえ大きな体がさらに大きく見えた。ゼパムはまるでこの場に野生の獣が現れたかのような錯覚に陥った。


「ふざけんな!」


 ゼパムがなにかを言う前に、テーブルを叩いてフルニが叫んだ。


「お前みたいなどこの馬の骨とも知れない奴、雇い入れるわけねえだろ! なんの目的があってそんなこと言い出しやがった!?」

「馬の骨、ねぇ……。これでも日本で一番大きな空手団体の館長をつとめとったんだがね」

「聞いたこともねえな。田舎で一番がそんなに自慢か」


 フルニは乱暴に立ち上がってゼパムを肩で押し退け、誠司の正面に立った。自身の尻尾がぎりぎり届かない距離だ。届く距離に来れば誠司から仕掛けていたかもしれないことを思えば、良い勘をしていると言えた。


「だいたい、お前がテンジ一家の者じゃない証拠がどこにある? もう少しなんだ、邪魔されてたまるか……!」


 誠司に詰め寄るフルニの目は怒りに吊り上がり、今にも誠司に襲いかかりそうな危うさがあった。誠司はなにも言わず、立ち上がりもせずにフルニから目を逸らさない。荒事に慣れていない兄妹が怯えたように寄り添い、声も出せずに、向かい合う両者から距離を取った。

 急速に高まっていく緊張感に、テーブルの皿がびりびりと震えているかのように思える。いや、事実初擊の間合いをはかるフルニの靴底が、確かに床を擦っていた。あと足半分も詰めれば尻尾の有効射程に入る。そこは誠司の間合いの外だ。誠司もそれは分かっているだろうが、椅子から立つ素振りを見せない。

 泰然とした誠司に不気味さを感じながら、しかしフルニは構わない。手足の届かない距離から尻尾は届くのだ。恐れることなどない。フルニが残る間合いを詰めようと靴底を浮かせ、


 バァン!! と、店の扉が乱暴に開かれた。


「オルァア! 大人しくしゃァがれ!!」


 突然の音と大声に、兄妹はびくりと体を震わせ、フルニはすぐさま体を扉に向け、誠司はフルニの意識が完全に自分から逸れたのを見てから首を巡らせた。

 声の主はそれぞれの反応もお構いなしに、ずかずかと歩幅も大きく店に這入ってきた。


「なんの用だ!」


 フルニが声を張り上げた。這入って来たのは青い肌に黒髪の男、トッコを先頭にした五人の集団だった。


「メシ食いに、って言いてェとこだがな、今日は違う」トッコは答えながら誠司を指差した。「そこのオッサンに用があってきた。実弟と弟分が血反吐吐いて転げ回ってるもんでよ、その礼をしに来たんだよ。ここに来りゃ会えると思ったぜ」


 フルニは忌々しげに誠司を睨んだ。誠司はどこふく風とばかりに目を会わせようともしない。フルニは意識をトッコに戻した。


「表の看板が見えなかったか? 今日は店を開けてない。さっさと出てけ。それとも、刃物使って押し入ったって報告書書かせるか?」


 その言葉に、トッコは馬鹿にしたように嗤い、腰から剣を抜いた。それは刃がなく、木を剣の形に削った木剣(ぼっけん)だった。


「稽古用の木剣だよ。こいつを取り締まる法はねぇだろ?」

「そうか。じゃあお前はいい。後ろのやつも見せろ」

「全員木剣さ」

「それを確認するって言ってんだ。見せろ」

「おいおい衛兵さん、あんたひとりで五人を取り締まろうってのかい?」

「あ? それは脅迫か?」

「そう聞こえるほどビビってんなら無理すんなよ」


 言葉を交わすたびにじわじわと近づき、今やフルニとトッコは額がくっつきそうな距離にあった。トッコの後ろの四人も全員が荒事に備えている。事が始まればフルニは五対一を強いられることになる。それは分かっているが、引くわけにもいかなかった。一触即発。どちらかが動けばすぐにでもことが始まる剣呑な空気は、しかし大きく分厚い(てのひら)によって霧散した。


「ま、ま、その辺で」


 にこにこと笑みを浮かべる誠司が、両者の胸に手を差し込みそれぞれを優しく押しやった。


「聞けば皆さん私に用事があるご様子。聞きましょう聞きましょう。でもお店に迷惑がかかっちゃいけない。どうです、外に出て歩きながらゆっくりお話でも」


 柔らかい笑顔で柔らかい言葉をかけられながら、それでもトッコとフルニは背筋が冷えるのを感じた。ふたりともが間違いなく臨戦態勢だった。なにがあっても即応するつもりで備えていた。だが、ふたりともが、胸に手を当てられるまで巨体が近づいていることにすら気がつかなかった。

 死んでいた、かもしれない。その事実が、心胆を寒からしめた。


「……チッ、いいだろう、外でハナシつけよう」


 トッコが踵を返し、舌打ちしながらもと来た扉を通って外へ出た。店内ではテーブルや椅子が障害物となり、人数の利を活かしづらい。この男を相手にそれでは危険だと判断したのだ。だが、引き連れた四人はその意図を読めず、戸惑いながら続く足が遅れた。そのため飛び立つ雁の群れのように、トッコを先頭にした矢じりの列を成して店を出る形となった。

 全員が背中を向け、しかも列になっている。誠司にとってこれほど美味しい状況もない。店にいる全員から荒事の気配が消えた瞬間、狙い澄ました攻撃が一閃、二閃。ふたりが意識を絶たれ膝が落ちる、その音を聞いた者が何事かと振り向く最中(さなか)、さらに閃く拳足により瞬く間に四人が無力化された。

 そのことに、呑気にも首だけで振り向いたトッコは目視してからようやく気付き、咄嗟に大きく飛び退いた。浮いた足が地に着く頃には木剣を抜き放ち、眼光も鋭く誠司を睨んでいる。

 対する誠司は拳を口に当て、吹き出すように笑っていた。


「いや~……、喧嘩売りに人ン()上がり込んでおきながら、あんまり無防備な背中見せるもんで……つい」


 顔の笑みは先程の柔らかなものとは違う、獰猛な肉食獣のそれ。

 その笑顔で見詰められた瞬間、トッコは木剣を振るっていた。攻撃の行動をとりながらも、頭のなかは逃げることでいっぱいだった。

 

 攻撃したことを後悔した。即座に走り出せばよかった。負傷して怒らせやしないか。

 攻撃に移れた自分を誉めた。頭に一撃入れてその隙に逃げよう。

 支離滅裂な思考から繰り出された木剣はまっすぐに誠司の頭へと振り下ろされていく。

 

 ニトラとゼパムにはなにが起こっているか分かっていない。誠司が瞬く間に四人を昏倒させたことにすら理解が追い付いていない。

 フルニはその木剣の軌道が見えていた。見えていたから、自分が誠司の位置にいたなら避けられないだろうと理解できた。無駄口効かずにトッコにも奇襲をかければよかったのにと、無意識の刹那に誠司の失策を詰った。頭に木剣の痛打を食らっては、即時反撃には移れまい。フルニの意識は壁に立て掛けた槍に向かい始めた。


 攻撃が見えているふたりともが、必中を確信した。それほどの距離、それほどの速さがあった。だから、ふたりにはそれがなんの音か分からなかった。


──カッ


 トッコは木剣を完全に振り抜いた姿勢のまま、困惑に脳裏を埋め尽くされた。なぜ自分は振り抜いた後なのか。頭を殴ったのだ、振り抜いてもこんな、素通しのような体勢にはなるまい。いやそれどころか、手応えがおかしい。手に残る感触は棒立ちの相手を殴ったものではない。もっと軽い感触しかなかった。

 フルニは自分がなにを見ているのか分からなかった。トッコが木剣を振り下ろした。それはわかる。だが振り抜いた今、なぜ誠司の右手が左の頭上に掲げられているのかが分からなかった。そこまでの過程が見えなかった。

 本来するはずの重い打撃音すらなく、いっそ間抜けなほど軽い音と、数秒遅れてカランカラン、と乾いた音が床から聞こえた。誠司の足元になにやら木片が落ちているのが見える。あれは、そう、木剣だ。刃に当たる部分の中ほどから先が、なぜか床に落ちているのだ。


 それを見たトッコは震える手で自身の木剣を確認した。持ち上げ、眼前に持ってきた木剣は、中ほどからへし折られて無くなっていた。


「なんッ……………!?」


 壁に立て掛けた木剣を折るならわかる。両手でがっしり支えた木剣を折るならわかる。だがこれはどうか。攻撃の姿勢だったとはいえ片手で握っただけの木剣を、持ち手にそうと気付かれずに断つなどと。


「よォ……」


 誠司の低い声にトッコは肩を大きくびくつかせた。目に見えない速さで動き、素手で固い木剣を断ち切るような芸当、トッコには逆立ちしたってできやしない。頭ではなく、本能が認めた。この男は自分より遥か格上なのだと。


「お(めぇ)さんは残しといてやるから、手下連れてとっとと(けぇ)んな」


 傲岸な命令にも、従う以外に道はなかった。

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