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戦国タイムスリップ(仮)  作者: 飛龍
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プロローグ-2

善朗は老人に駆け寄った。


「大丈夫ですか、怪我はありませんか。」

「大丈夫じゃ。お主のおかげで助かりもうした。本当にかたじけない。」


そう言うと老人は、やや立ち上がるのに苦労しながら立ち、善朗に話しかけた。


「ところでお主の名はなんというのじゃ。」

「飛井善朗と言います。」

「飛井殿本当に助かり申した。飛井殿は儂の命の恩人じゃ。」


「いえいえ、人として正しいことをしたまでです。」と善朗の謙虚な姿勢に感激したのか老人は..


「飛井殿はなんと素晴らしいい方なのだ、是非とも我が家でもてなしたい。」

「それはありがとうございます。ところで貴方のお名前を教えて頂けないでしょうか。」

「それは失礼した。儂は近江国(おうみのくに)愛知郡(えちぐん)の土豪、村山十兵衛幸郎と申します。」


と老人の自己紹介を聞いて善朗は驚いていた。その訳はまず近江国とは現代ではあまり使わない名称であったのと、そして土豪というのは戦国時代の小さな豪族という意味であった為、老人の話を聞いていた善朗の頭はさらにパニックになっていたのである。

そして善朗は状況を整理する為に村山十兵衛にとある質問をした。


「村山さん、変な事を聞くようですが今の年は何年ですか」


と聞かれ村山十兵衛は怪訝そうな表情で答えた。


「永禄6年ですが、それがどうしたのですか」

「あ、いやなんでもないです。」と言いながらも善朗は必死に状況の整理をしていた。


(やばい、村山さんの話が本当だと、俺戦国時代にタイムスリップしちゃてんじゃん。まずは村山さんの家に言って休ませてもうらおう。)


「飛井殿、では我が屋敷にご案内致します。」

「はい、ありがとうございます」


__________________________


・村井屋敷


「飛井殿、ここが我が屋敷にございます。」と村山の屋敷は昔ながらの小さな武家屋敷という感じであった。そして村山は善朗を中に招き入れた。


「飛井殿、さぁどうぞお入りください。小雪帰ったぞ。」そう村山が声をかけると奥から美しい女性がやってきた。


「おじい様、おかえりなさいませ。してそちらの御人はどちら様でしょうか。」

「小雪、こちらの方は儂の命の恩人の飛井殿じゃ。」

「飛井善朗です」

「お初にお目にかかります小雪と申します。我が祖父がお世話になっております。さあ飛井殿立ち話はなんですので、どうぞお入りください。」


そう言われ善朗は屋敷の中に入って居間に通された。


「ささ飛井殿お座りください。」と村山に促され座るとすぐに小雪が酒をもってやってきてた。

「さあ飛井殿どうぞ」とお酒を差し出されたが善朗は..

「いえいえ私は下戸ですので遠慮します。」と言った。本心は未成年なので飲まないと決めているのだ。善朗は意外と律儀なやつなのである。


「そうでしたか、これは申し訳ございません。」

「いえ自分が悪いのでお気になさらず。」

「ところで飛井殿先ほどは本当に助かり申した。改めて礼を言いたいありがとうございました。」

「いえいえ当然のことをしたまでです。」


「ところでおじい様、なにがあったのですか」

「まだ言っていなかったな、儂が野伏に襲われところを飛井殿に助けられたのじゃ。」

「あの負け知らずのおじい様が野伏に!」

「あぁ儂も年をとった、もう長くもないしのう。」そう村山は言うと小雪は励ました。


「おじい様、そんな事を言うものではありません。」

「小雪、儂を励まそうとせんでもよい。だが小雪お主の父、我が息子とお主の母、そして我が妻もいなくなってしまった。もう儂も長くない」

「おじい様..」

「そこで飛井殿にお願いしたいことがあります。」


とここで話の輪に入れていなかった善朗に村山は急に話を振った。


「は、はい」

「儂にはここいる孫娘の小雪しか家族がおりません。そして儂が死ぬ前に小雪を嫁に出そうとして思っていたのじゃが、何処の馬の骨もわからなぬ奴に嫁に出したくないという気持ちなのです、そこで急ですが飛井殿に小雪を娶ってもらい我が養子になっていただきたいのだが如何でしょうか。」


と話を聞かされた善朗はまたもや頭の中がパニックになっていた。無理もないことである。ある日突然タイムスリップしたと思えば人を助けるためとはいえ人を殺しそしてその後助けた人に孫娘をもらってくれと言われているのだ。


「村山さ、殿自分も何処の馬の骨とも知らないのに大切なお孫さんを嫁にさせ、尚且つ養子にするのはちょと..」


そう言って有耶無耶にしょうとするが、


「小雪そなたはどう思う」

「私は、飛井殿の嫁になっても良いと思います。」

「な!」

「飛井殿はおじい様の恩人でありますし、それに飛井殿の顔が私の好みでございます。」そう顔を赤らめながら話したのであった。














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