~青春の歯車は廻りだす~ ープロローグー
こちらは弓道部所属の少女、浪川祈璃が高校で青春を送るという作品です。
ごくごく普通の日常生活です。たぶん。
最後までお付き合い頂けると光栄であります
「俺は先輩のことがずっと前から好きでした!」
え?え?いまこの子何て言った?
「君それあたしに言ってる?」
「はい」
これは告白というやつ?夢でも見ているんじゃないか?二次元に執着しすぎて頭がおかしくなってしまったか?ありえないありえない。こんなの絶対ありえない!!
「はぁ~」
私、桜ヶ丘高等学校 弓道部所属 二年四組 浪川祈璃は、部活の朝練の教室の机に突っ伏してため息を吐く。
「浪川ちゃんどうした?恋わずらいか?」
この子は同じ部の榊原菖蒲。
「恋わずらいも何も浪川は昨日テニス部の一年の木村くんに告られてんのよ」
そしてこっちは新聞部の 米倉梢。新聞部だけあって情報網が凄すぎる。
「米倉ちゃん情報はっや。新聞部コワイ...」
ここは菖蒲に共感。うん。
「それはそうとその後どうしたのサ」
二人が声をそろえて詰め寄ってくる。
「あの後か...。完全にテンパっててとっさに考えますって言ったんだっけ...。」
「うん、新聞部情報によるとあの子は一年一組の 木村浩次くん。テニス部の中では強いほう。しっかりしてて誰からも信頼されてるみたい。中学のバレンタインにもらったチョコの数は13個。」
この情報量...。新聞部怖すぎる。そして声が大きい!クラスメイトがざわつきだすし。
「で、月浪、返事どうすんの?」
なんかクラスの男子が入ってきてるし。
「あぁお前らウゼェ。そろそろ席に座れ」
そう言って周りの人を追い払うのは同じ部の 西島綾斗。三年生の時以外は小一からずっとクラスが一緒で仲は良い方かな。
「お前も二次元ばっか見るんじゃなくて少し現実を見たらどうだ?普通にしてるとそれなりに可愛いんだからよ」
「普通にしてるとってなによ。ていうかあんたには関係ないことでしょう?余計なお世話よ」
「耳元でギャーギャーわめくな。五月蝿い。だからかわいくねーんだよ」
「なによ。あんたなんかに可愛いと思われたくないわよ気持ち悪い。あんたなんかあっち行って」
「言われなくても行くわって言いたいけどお生憎様席が隣なんでねぇ」
......。我ながら小学校低学年レベルの喧嘩だ。どうしていつもこうなるんだろうな。本当はもうちょっと仲良くしたいのに。
「西島って月浪ちゃんのことずいぶん気にかけてるんだね。脈ありじゃない?」
「菖蒲ちゃん?余計なことは言わないで」
「ごめんごめん」
木村くんに何て言おうかな。断ろうとは思ってるけど相手に申し訳ないな...。
Side西島綾斗 ~どうしていつもこうなるんだ~
今日は浪川の様子がおかしい。弓道部の朝練でいつも以上にドジってたし、反応も変だ。女子部員に聞いてみるか?いや、米倉とかがいいのか?誰に聞いても7面倒なことになるな...。まぁ少し様子を見るか。
朝練が終わって弓道場の鍵を返しに行ってから教室に入るとなにやら皆が騒がしい。
......。なるほど浪川が一年に告られたのか。だからあの調子だったのか?あいつまんざらでもないのかよ。...。なんか腹立つ。
「綾斗くんさ、すごい殺気みたいなオーラでてるけど...。もしかして祈璃ちゃんの事が心配なの?妬いてるの?」
隣で余計なこと言ってるのは 白銀和彦。俺と浪川とは今まで大体一緒のクラスの奴だ。部活も同じ。
「妬いてる、か...。和彦の行ってる事は間違ってない、か...」
俺は浪川が他の男のことでああゆう顔してんのには腹が立つ。これは嫉妬という奴か?
「お前も二次元ばっか見るんじゃなくて少し現実を見たらどうだ?普通にしてるとそれなりに可愛いんだからよ」
「普通にしてるとってなによ。ていうかあんたには関係ないことでしょう?余計なお世話よ」
関係あんだろうが。俺はお前が...。あーもうなんでこうなるんだ?
「耳元でギャーギャーわめくな。五月蝿い。だからかわいくねーんだよ」
そうじゃねぁだろ俺の馬鹿。
「なによ。あんたなんかに可愛いと思われたくないわよ気持ち悪い。あんたなんかあっち行って」
「言われなくても行くわって言いたいけどお生憎様席が隣なんでねぇ」
はぁ。結局こうなんのか。あーくそ。俺のガキ。
本当は俺はお前が好きだって。もっと俺見ろって、お前は可愛いって言いたいのに、どうしていつもこうなるんだ。
~続く~
最後までお読みいただきありがとうございました。
次回作はとても不定期になっていくと思いますが、気が向けば確認して頂けると幸いです。