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ダブルセンス  作者: もにょもにょ
8/43

2ー4



ーーーーーーー滝 英二



俺が着いたとき、戦いはもう、終わっていた。

対象の男は腹部に槍が刺さっている。

死んでないよな?



「鐵、殺してはいないよな?」



念のために確認する。

鐵の隣に超高速移動を使って移動してきたが、鐵は瞬きもしない。全く、可愛げのないやつだ。



「殺してませんよ。致命傷は避けましたから」



鐵はそう言った後、事務的に報告を続ける。

最初は人質がいて女性が逃げたこと。対象の男が爆破の異能力を使っていたこと。



「ちょっと待て、対象は透過系の異能力じゃなかったのか?異能力は使い方で能力を誤認する場合はあるが、透過と爆破はどう考えても別物だ。」




「対象は戦闘中に黒いカプセルを飲みました。そしてそれをクスリだと言っていました。」




鐵はずっと真顔だ。そこには驚きも焦りも感じられない。もう3年になるのにこいつの考えてることはイマイチ伝わってこない。

都市伝説だと思っていたことが現実にあるのに、だ。



「まじかよ!・・・どうやら、面倒なことになっちまいそうだな。」



取り敢えず応援が間も無く到着する。さっきから近くでサイレンが鳴っている。到着すれば、対象の男の治療と検査などもろもろやってくれることだろう。



「もう、いいぞ。止血は俺がやっておくからな。」



そう言うと、瞳を一回こちらに向けた後頷いた。

鐵は壁にもたれかかって目を閉じた。


鐵の異能力、武器精製は使い勝手が良い分リスクもそれなり。今回は大したものを使っていないようだからリバウンドも少しの時間で済むだろう。



「寄りかかってくれてもいいんだがなあ・・・」



眠った鐵を見ながら呟いた言葉は誰にも届かずに空気に溶けていった。


鐵を背負って裏路地を歩くと応援にきた警察官とすれ違う。敬礼を返しながら裏路地を出た。



「滝さん!大丈夫なんですか、虎徹くんは?!」



焦った声で話しかけてきた声は、昔、俺が鐵を保護したときに鐵を預けた後輩の藤堂トウドウ 綾女アヤメ。同じ異能力犯罪対策課で鐵を唯一子供扱いする存在だ。



「大丈夫だよ、ただのリバウンドだ。今回は大した能力は使ってないみたいだからな。」



そう答えると藤堂は納得いかない表情だ。



「そうじゃないですよ!怪我してるじゃないですか虎徹くん!手当てしてあげないと!バイ菌入って膿んじゃったらどうするんですか?!それで腕や足を切り落とさないといけなくなってしまって、未来が見えなくなって自ら命を絶ってしまったら滝さんは責任とれるんですか?!?!」



怒涛のマシンガントークだ。怖えぇ...

藤堂は優秀なんだが、鐵のことになるとこれだ。

それに鐵は流血も多少しているが、表面だけで深い傷には至っていない。



「相変わらず心配性だな、これくらいの傷は男の勲章で...」



「な、何を言ってるんですか?!まだ虎徹くんは16歳なんですよ?!だから、私は反対してガミガミガミガミガミ」



勿論、ガミガミなど本当に言っているわけではない。

全て聞くことを拒否しただけだ。いつも言われるのは同じことだし、こちらも言われたからといって、はいそうですね、と言えるほど素直じゃない。



「ほい、じゃあ任せるわ」



背負った鐵を藤堂に預ける。そうすると藤堂は甲斐甲斐しく世話を始めた。まるで母ちゃんみてぇだな。


鐵を預けた俺はもう一度現場に戻る。

今回気掛かりになることが多すぎる。嫌な予感がする。


ポケットから取り出したタバコに火を着けて煙を吐く。・・・さて、現場検証といきますか。



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