1ー1
処女作になります。
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ここはどこだろう、白い天井に首と両手両足に枷が着けられていて身動きが取れない。
とりあえず生きてはいるのだろう。口元につけられた呼吸器と、心電図の音が自分の生存を教えてくれている。
「ようやくお目覚めかね?」
白髪にスクエア型の細い眼鏡をかけた白衣の男性が覗き込むようにこちらの様子を見ていた。
その目はまるで深い沼のように濁っていてずっと見ていたらこちらが飲み込まれそうな恐怖がそこにはあった。
「随分と静かじゃないか。普通、君くらいの年齢の子だと泣き喚くものなのだがね」
男の言葉を聞くに、ここに居るのは自分一人だけではないらしい。
眼球が動く範囲で周囲を見渡すが彼以外の気配は感じない。ここにいるのは自分だけで他に捕らえられた人は別の場所に居るのだろう。
「ちっ、つまらない子供だな君は。名前はなんていうんだ?一つ注意しておくが沈黙はおすすめしない。私は生意気なガキは嫌いだからね。」
無言でいたのが癪に障ったのだろうか。生意気なガキが嫌いだというのなら真っ先に俺はそれに該当するだろう。子供らしくない、不気味など既に言われ慣れている。だが、歯向かうことに意味はない。彼は俺の生死に関心などないだろうから反抗=死に繋がる危険性が高い。
それにさっきから‘’異能力‘’を使おうとしているのに全く力が使えない。
「鐵 虎徹11歳。」
俺の名前を聞いて少し満足したのか、彼は少し笑った後手元にある道具をいじっている。
あえて見えるようにしているのだろうか、注射器、小型のドリル、メスなどの医療器具が並んでいる。
・・・これから何が起きるのかを想像が出来てしまって体が少し震えた。
「さあ、始めようじゃないか!私が君を新しい存在へ進化させてあげようじゃないか!」
麻酔のせいかザクザクと体を切り裂かれているのに痛みは少ない。少ないが故に精神は蝕まれる。
流れる血が切り裂かれる肌が増える度に死が刻々と迫ってくる。
嫌だ、止めてくれ、怖い、死にたくない。頭を恐怖が支配していく。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!!!」
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