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朝、太陽が顔を出した頃早速今日一発目の騒動が起きた。
「何で貴女がシルクと寝てるの?そこ退いてっ」
「ふみゃ……んー……くかぁで……」
何故かヴァームとアヤネがこの部屋にいた、まぁ何故いるか説明すると。
「申し訳ありません……あれから別の部屋を用意して一夜が明けたのですがシルクさんの所へ連れていけと煩かった物で連れてきてしまいました……」
と言う事だ、ヴァームは俺の隣で非常に困った顔をしてる、アヤネは未だに眠るロアに股がりゆさゆさと揺らしまくる、普通なら起きる筈なのに全く起きないロア、なのでアヤネは揺らすのを止めない、この騒動で俺は起きてしまい今に至ると言う訳だ。
「起きろっでか乳!」
ぎゅむっと胸を掴み無茶苦茶に揺らしまくるアヤネ、これはあれだな……見てはいけない奴だ! 視線を反らしておこう。
「アヤネさん、お止めください」
此処でヴァームが動いた、アヤネを羽交い締めにしてベットから降ろす。
「むぅ……」
物凄い不満げにヴァームを睨み手を払う。
「私も一緒に寝たかった」
「一人で寝てくれよ……」
さらっと何を言い出すんだ、アヤネは俺の方に近付いて俺をベットから降ろす。
「帰ろ、帰ったら一緒に寝よ」
「帰っても一緒に寝ないぞ?」
そんな俺の言葉にガーンとショックを受ける、何故いけると思ったんだ?
「アヤネさん、シルクさんを帰す訳にはいかないんです」
ここでヴァームが割ってはいってくる、するとアヤネは怒りを表情にする。
「何それ……そんな冗談、面白くない」
まぁ当然そんな反応とるよな?
「ご理解くださいませんか?」
「するわけ無いよね?」
アヤネがこんな怒った表情は今まで見た事ない。
「シルクさんは此処にいなければならないんです」
そうだ、俺は答えを出さないといけないんだ、今逃げるわけにはいかない。
「何でシルクが此処にいなきゃいけないの?」
とここでアヤネが一言、まぁ、そう言ってくるよな、そんなアヤネの言葉に俺とヴァームは顔を見合わせて思う、そうだ……アヤネにはまだロアの事は言ってなかった、だったら今この場で言うべきだ、そう思った俺はベットから降りてアヤネの近くへ行く。
「それは理由があるんだ」
「シルクさん……それは私が説明します」
その時だ、ヴァームが割り込んでくる……ここは俺が言うべきだと思うがヴァームが話した方が詳しく話せるかもしれない、と言う訳で俺の代わりに俺が何故此処にいるか話すヴァームが話していく、主に話したのはロアは俺の事が好きだから結婚する為に俺を此処に連れて来たと言う事だ、それを聞いたアヤネの反応は。
「意味わかんない……このでか乳は馬鹿なの?」
こんな感じだった…これも当然の反応だと思う。
「そんなのシルクも迷惑してる筈……私はそんなの許さない」
そう言った後、俺を抱き締めてくる……そんなアヤネの心とは裏腹に俺は「此処に残らなきゃいけない」そう思っている、言うなら今か……俺は息を吐き今の気持ちを伝える。
「アヤネ」
「シルク……私と帰りたいよね?」
………その言葉で俺の心にズキッと痛みが走ったが続けて話す。
「俺は此処に残らなきゃいけない……だから帰らない」
「………え」
俺の言葉を聞いて俺の方に振り向く……とても驚いた顔をしている。
「此処で答えを出さなきゃいけない事があるんだ」
「……」
俯くアヤネ……本音をアヤネに言ったが罪悪感が残ってしまった、アヤネは俺を心配して此処に来たと言うのに……俺はそれを無駄にした。
「ごめんなアヤネ……俺は此処にのこ……」
「嫌だ!」
俺の言葉を遮って自分の気持ちを伝えてくる、その目には真剣さが見て取れた、何時ものアヤネとは違う別のアヤネだ。
「理由なんて知らない……私はシルクと帰りたい!」
「アヤネ……」
アヤネは俺の手を強く握ってきた、どうやら俺の言葉に納得するつもりは無いみたいだ、だが納得して貰わないといけない……この問題は絶対に解決させなければいけないんだ!
「アヤネ、俺は……うぐっ!」
その時だ、俺の身体に痛みが走る……ビリビリと痺れる様な痛みが全身に響き俺はその場に倒れてしまった。
「シルク!?」
「シルクさん!」
突然俺が倒れて心配するアヤネとヴァーム、直ぐに俺の元へ駆け寄って来る、くそっ! 痛みで全く喋る気がしない……何でこんな時に痛みが走るんだ、と言うかこの痛みはなんだ?何故今起きるんだよ! 様々な言葉が俺の脳裏に過る……アヤネに言わないといけないのにこんな所で倒れるのか? 俺を心配して名前を呼んでくれるアヤネの姿が見える、その瞳には涙があった……女の子を泣かしてしまった、最低な男だ……そんな事を思った時、俺は意識を閉ざした、この時俺は思いもしなかっただろう……次に目が覚めた時、あんな事が起きてあんな事が始まるなんて……まだそれを知らない俺は静かに眠るのであった。
急にシリアスな感じになりましたね、さてこれからどうなるやら……ご期待下さいね。
今回も読んで頂きありがとうございました。