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どうやら魔王は俺と結婚したいらしい  作者: わいず
始まる変化の3日間 二日目っ
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「何でシルクの隣に座るのじゃ!」

「何でシルクの隣に座るの?」


ロアへの再教育(しりたたき)が終った頃、俺達はヴァームと共にロア専用の食堂に来ていた。


「何か増えとらんか?」

「それを聞く前に二人を止めてくれ」


疑問を浮かべる鬼騎に素直に今の気持ちを伝える、今右にアヤネ左にロアが俺の側に座っている、左にいるロアは先程の尻叩きの性か椅子から少しお尻を浮かせて座って? いる。


「あぁ……わしには無理だ」


そんな光景を見て鬼騎は手を合わせて謝ってくる、そんなに早く諦めないでくれ……何とかしてくれよ。


「2人共……喧嘩は」

「シルクは黙っているのじゃ!」

「シルクは黙ってて!」


仕方ないから自分で止めようと思ったらこうなった。


「2人共此処は食堂ですよ?静かにしてください……」


ロアの隣に座るヴァームはぎらりと睨みを効かす、びくんと同時に肩を震わせた2人は黙ってしまう、静かにはなったが場に恐ろしさが残ってしまった……。


「さっ、鬼騎さん早速料理を作ってください」

「えっ……あっおぅ」


一瞬にして優しい雰囲気を出すヴァーム、当然狼狽える鬼騎……そこから気まずい夕食の時間が始まった。



「ごっごちそうさまでした」

「おっおぅ……ありがとな」


何か気まずい食事だった、美味しい筈の鬼騎の料理は今日はあまり味がしなかった……まぁ、その理由は分かっている。


「ぐぬぬぬ……」

「ふん……」


ロアとアヤネの性だ、ヴァームに叱られた後……今度は俺を巻き込んで色々としてきた、色々と言うのは『あーん』だったり他の事だったりする……まぁ、そこはご想像に任せるとしよう。


「では、そろそろお部屋に戻りましょうか……と、その前に」


するとヴァームがアヤネに指差してくる。


「貴女はどちら様ですか?」

「それ、今聞くんだな……」


なんか今更感が半端ないな……そう思ったが黙っていよう、別に突っ込む程の事でも無いからな。


「私はアヤネ ブレイブ」

「そうですか……私はこの城のメイド長のヴァームと申します」


お互い立ち上がって深々と頭を下げ合う。


「えと……アヤネさん、今日は泊まっていかれますか?」

「ん、外は暗い……本当はシルクを連れて帰りたかったけど此処に泊まりたい」

「んなっ連れて帰るじゃと!」


あっ……アヤネにはまだあの事を伝えて無いから俺を連れて帰る気でいる、でロアはその言葉を聞いて起こってしまった。

また喧嘩が始まるのか?と思ったがヴァームが「こほんっ」と咳払いしたらロアは黙り混んでしまった……と言うか知れない所で良く寝泊まりする気になれるな。


「そうですか……でしたらお部屋を用意しますね」

「私はシルクと寝るからへーき」


いや、平気じゃない問題だ!


「この無い胸っ何を抜かすか!」

「ロア様……少し静かにしてくれませんか?」


その発言で何度も痛い目を見てると言うのにまた言っちゃうロア、ヴァームに睨まれてお尻を押さえてまた黙ってしまう、学習能力の無い奴め……。


「アヤネさん」

「んう?」


改めてヴァームがアヤネに話し掛ける、小首を傾げる。


「別の部屋ならご案内致します」

「やだ」


そっ即答! そんな答えに困った顔をするヴァーム、と言うか俺的には1人で寝たい……ろっロアを見てやるとは言ったがやはりそれとこれとは別なのだ、また寝れなくなって困りたくないからな……睡眠はしっかりとりたいんだ。


「困りましたね……」


頬に手を置き考えるヴァーム、ロアは何か言いたげだったがヴァームに黙っていろと言われたので黙っている、今物凄く不満な顔をしている。


「そだ、別に案内して貰わなくて良いかも」


そんな時、ぽむっと手を叩くアヤネ、何か良い案を思い付いたみたいだ、アヤネは俺を立ち上がらせ自分も立つ、そして俺を担いでお姫様抱っこをされる。


「おい……何のつもりだ?」


流石に幼馴染みにまでされるとは思わなかった、アヤネは細く笑っている、ヴァームはそんな様子を見て警戒する、ロアは言わずもがな……同様に警戒した。

取り残された鬼騎はと言うと黙って腕を組みその様子を見ていた。


「夜だろうが関係無い……今すぐ連れて帰る」


そう喋った後、アヤネは思い切り床を蹴る、その刹那風の様な速さで移動する、勿論そんな事予想だにしてなかった俺は「わぎゃっ!」って変な悲鳴をあげてしまう。


「っ!」

「んなっ!」


その速さに驚きを隠せないヴァームおロア、一気にその2人を通り過ぎ部屋から出る。


「おっおま……人間か?」


そんな疑問を持つ程に凄まじい走力だ……先程も言ったがまるで風の様な速さなのだ、とても人間に出せる速さではない。


「シルクは失礼……私は人間」

「そっそうか」


うっ! 睨まれてしまった、ふと思ったんだが、この廊下確か魔法が掛けられていたよな? 時速50キロの速さで走らないと永遠に迷い続ける魔法って奴だらアヤネは確かに速く走っているが流石に50キロなんてスピードは出せない……俺を連れてこの城から出ていく考えだと思うがそれは不可能に終わるだろう。


「ねぇシルク……」

「何だ?」

「迷った」


ほらな……迷ってしまった、と言うかアヤネは此処に来たのは初めてだから魔法を掛けていなくても迷っただろう。

アヤネは迷っていても足を止める事はなかった、きょろきょろ辺りを見渡しながら走る。

時折「窓から飛ぼうかな?」と不吉な事を言うので俺が「それはやめとけ」と制止しておく、そんなやり取りをして暫くした時だ、こんな状況に変化が訪れる、それはアヤネが走る方向に現れた。

突如空間が捻れてある物が現れる、そのある物とは……棺桶だ、俺はそれが何を意味するのか分かっているらだがアヤネは分からない、だから少し気になりつつも棺桶を通り過ぎる、その時だ!


「悪いけど、シルク君を帰す訳にはいかないんだ」


そう言って棺桶の中から現れたラキュはアヤネの手首を掴む、アヤネは身体をびくつかせ立ち止まってしまう。


「っ!」


当然突然現れた見知らぬ奴に驚きを隠せないアヤネ。


「取り合えず拘束させて貰うよ」


ラキュはぱちんっと指を鳴らすとロープが現れてそれがアヤネをぐるぐる巻きにした、その際に俺は床に落とされる。


「くっ……離して!」


怒りの感情が入った目でラキュを睨む、だがラキュは何処吹く風……全く気にしていない。


「えーと、取り合えず姉上は此処に来る筈だよね?」

「え、あぁ……多分な」


それ所か無視してしまう、じたばたと暴れるアヤネを見た後ラキュは「そっ、じゃぁ後はよろしくね」と言って何処かへ消えてしまった……それから待つ事なくロアとヴァームが駆け付けて来た。


ぎゃぁぎゃぁーー

と暴れるアヤネをヴァームが担いで何処かへ連れていき、残された俺とロアは部屋へと行く、これ……明日になったら絶対にアヤネがどう言う事か聞いてくるよな? やらなければいけない事が増えている様な気がする……そんな事を考え俺は眠りにつく、勿論眠る事が出来なかったのは言うまでもない。

こんな感じになりましたがどうでしょう?

アヤネは間違いなく人間です、安心してくださいね!


今回も読んで頂きありがとうございました。

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