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どうやら魔王は俺と結婚したいらしい  作者: わいず
始まる変化の3日間 二日目っ
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あの骸骨の騒動が治まるにはかなりの時間がかかった、全身がどっと疲れてしまった。


「ねぇ……気になったんだけどラムはいないの? あの状況なら出て来ても可笑しくなかったと思うけど……」


と、ラキュが俺に話し掛けて来た、お客を右手で押さえ込みながら話してる……魔物の頭がメキメキってなっているが大丈夫なんだよな?


「さぁ?俺が此所に来て暫くはいた筈なんだけな……」

「そう、まぁいない方が良いから別に構わないんだけどさ……」


そっそうだな、奴がいれば騒動はもっと大きくなってただろう……この場に居なくて安心だ。


「少し休憩しない?正直しないと身体がもたないと思うんだ」

「そうだな……」


ラキュがお客の1人をカウンターに押さえ付けながら話す、その魔物は押さえ付けられてるのに嬉しそうだ。


「と言う訳だから君ら早く帰りなよ」

「「えぇぇー!!」」


ぽいっと押さえ付けていた魔物を放り投げながら言うラキュ、魔物達は不満なのかブーブー言ってる……ブーイングしてる所悪いが……帰ってくれ、休憩いれないと身体が持たないんだ! だから俺も何か言おう……と思った時だ。


「さっさと帰りなよ……()るよ?」


どす黒い覇気を出しながら恐ろしい事を言い出した、いっ威圧感が半端ないな……目がぎらついてるし手もポキポキ鳴らしてる、これ冗談で言ってないな……これマジのやつだ。

魔物達もそれを察したのかささーっと蜘蛛の子を散らすように店から去っていった。


「ふぅ……やっと静かになったね」

「あっあぁ……そうだな」


にこっと微笑んで休憩室への扉を開く、なので俺もそれについていく、ラキュは真っ直ぐ椅子に向かって歩いて座る。


「あぁ……疲れた」


そして、ぐでぇ……とテーブルに倒れる。


「本当にな……って、服着たらどうだ?」

「勝手に着たら猫が出て来る魔法掛けられてるからね……無理だよ」


そう言えば猫嫌いだったな、またヘンテコで迷惑な魔法を掛けられたんだな……。


「シルク君……その鎧脱いだら?」

「そうさせて貰うよ」


自分の事を置いておき俺にそんな事を言ってくる、ちょっと悪い気がするが暑いので脱がせて貰おう。

俺はゆっくりと鎧を脱いでいく……あぁ脱ぎ辛いなぁ、汗でぬるぬるするし……シャワーでも浴びたい位だ。


「よし……脱げた」


時間は掛かったが全部脱ぐ事に成功した、下に着ていた服は汗でぐしょぐしょ……もう肌が透けてしまってる、あぁ……早く着替えたい。



そう思ってふと窓の外を見てみる……あっ、雨降ってるな、降りそうな天気だったが本当に降ってしまったな。


「……余計べたべたするな」


雨が降ると湿気が多くなるし今は汗を掻いている、こんな時に雨なんて降って欲しくなかったな、そんな事を思っていた時だ、ラキュがまじまじと窓の景色を見る、そして「ふぅ……」と息を吐いた後こう言ってくる。


「この雨……勢いが増しそうだね」


ほぅ、見ただけで分かるのか……。


「そう言うの分かるんだな」

「一応ね、空気の感じとかで大体ね」


ほぉそれは便利だな、流石はドラキュラだ……その辺の感覚が敏感なんだろうな。


「そう言えば最近暑くなって来たよね?」

「そうだな……もうすぐ梅雨入りだからな」


俺はぐぐっと身体を伸ばしながら言う、疑問を抱いたラキュは「梅雨?」と聞いてくる、魔界には梅雨が無いんだな。


「雨が良く振る気候の事だ」

「へぇ……人間界ってそう言うのあるんだね、魔界には年中適温だからこんなの初めてだよ」


これまた新たな事実を聞いてしまった、魔界は年中適温……ある意味羨ましいかもしれない。


「……人間界にさ」

「ん?」


そんな時だ、突然ラキュが真剣な顔をする、どうしたんだ、何か聞きたいのか?


「人間界にはさ……嵐の前の静けさって言葉があるよね?」

「あぁ……あるな」


どうしたんだ突然……そんな事を聞いてくるなんて少し動揺してしまった。


「この雨もそれなんだよね……これから嵐が来るよ」

「そっそうなのか?」


なら早く店を閉めた方が良いかも知れないな……と俺が考えた時、ラキュがぼそっと「この状況も嵐みたいなるかもね……」と言い出した、やめてくれ……想像もしたくないよ、そんな意味を込めて苦笑いで返す。


「ねぇ……そろそろ座りなよ」

「いや、汗掻いてるし多分臭うぞ?」


あんまり近付かない方が良いだろう……そう思うもラキュは。


「構わないよ……色々と話ししようよ」

「そうか……じゃぁお言葉に甘えよう」


少し気は引けるがラキュがそう言うなら遠慮はしない……有り難く座らせて貰おう、俺はゆっくりとラキュの方に近付く、するとピチャッと言う音が鳴った……ん? 疑問に思って下を見てみると水を踏んでいた、水なんて溢した覚えなんてないんだが……なんでこんな所に水?


「っ、シルク君っそこから離れるんだ!」


がばっと起き上がって突然叫びだすラキュ……。


「え」


俺がそんな言葉を発した時だ……突然水が吹き上がって俺を包み込んでくる。


「シルクさんっその身体あたしが舐め回して頂きますわ!」


その水の正体はラムだった……ふざけた事を言って俺の身体全体を包んでくる……くそったれっ完全に油断してしまった。


「がぼがぼぼ……」


結構だ! と言ったつもりだが水の中なので上手く喋れない……ラキュの言った様に嵐の様に激しい事が起きてしまった……俺はラムに汗を舐め続けられたが近くにいたラキュに救出されラムは蒸発して天に昇っていった、はぁ……快晴の様な何の変鉄も無い状況は此所に暮らし初めてから起きてない、もう色々と駄目になってしまいそうだ、俺はそう思いながら窓の景色を見て重苦しい心境で口ずさんだ。


「早く晴れれば良いのに……」


今の天気もそうだしこの状況の事も言っている……早くこの状況が晴れて欲しいものだ、染々思った俺はゆっくりと深いため息を吐くのであった。

話の切り方がすっきりしない……難しいね、これは何とかしないといけない。


さて、今回は雨の回です。

ちょっと苦しい?感じがしますが……まぁ、うん……良いでしょう!


えと……今回も読んで頂きありがとうございました!

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