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どうやら魔王は俺と結婚したいらしい  作者: わいず
やるからには全力で…掛けろ風の様に!
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視点はシルクに戻ります!

ラキュと並んで地下の城下町を歩いて行く、そこでは地上と同じで色んな奴等がいる、こう沢山いると目移りしてしまう……ここで俺は逃げている事を自覚し気持ちを引き締める、そしたら路地を出て大通りに出た、そこには地上とは違った景色が広がっていた。


「地上より人が多くないか?」


言った通り人通りが多い……それに建っている家が古代遺跡見たく石で出来ている。


「そうだね、ここは地上より賑わっているよ、光が駄目な魔物もいるし魔物は夜行性だから好き好んで此処にいる奴もいるね、あっそれと、ここでは魔物って言う方が正しいんよ」


バニースーツのウサ耳を揺らしながらラキュは説明する、ほぉ……人ではなく魔物か……ならばこれからそう言うとしよう。


「……ん? 光が嫌いな魔物がいる?」


と遅れながらもラキュが言った言葉が気になる。


「うん、ほら……あそこにいるマミーがそれだよ」


ラキュがその人に指を指す、そこには全身を包帯でぐるぐる巻きにした奴が歩いていた。


「前は見えているのか?」

「……見えてるんじゃないかな?」


かなり歩き方がふらふらだ……まぁ、ちゃんと歩けてるから大丈夫なんだろう、それよりも俺は気になった事がある。


「ラキュってドラキュラなんだよな?」

「うん、そうだよ」


ふむ……だとしたら可笑しいんだよな。


「ラキュは何で太陽の光を浴びても平気なんだ?」


と俺が言った時だ、ラキュが「はぁ……」と呟いた、なっなんだ? いけない事を聞いてしまったのか?


「あのねシルク君……」


そう語って大きなため息を吐く。


「それ人間の勝手な固定観念だよ」


きっぱりと言い放つラキュ、その言葉に俺は驚愕する。


「え!とっと言う事は……」

「そう、太陽の光浴びても平気って事、因みに銀の矢も効かないしニンニクだって食べられる……そう言う物が苦手だって言われるけど真っ赤な嘘だよ」

「そっそうなのか……知らなかった」


一人納得する俺……そうか全部嘘なのか、なんか1つ賢くなった気がする。


「まっ……人間が知らないだけで魔物には色んな生体があるんだよ」


軽く語るラキュは、ぐぐっーーと背伸びする……俺が知らないだけでそんな事実があるとは知らなかった…。


「分かったら行くよ」

「おっおぅ」


足を早めるラキュ、それに追い付く様に俺もついていく、ふむ……他にも俺の知らない魔物の生体がありそうだな、そう思った一時であった。



「で、これから何処に行くんだ?」


あれから暫く歩く…変わらず大通りを歩きながら隣にいるラキュに話す、俺達は今逃げてるんだから人通りの少ない所へ行った方が良いんじゃないか? 特にラキュなんか目立つ格好をしているから地上の奴等が此処に来たら一発で見つかるだろう……。


「僕の知り合いの場所だよ」


とそんな、心配をよそにラキュは軽く答える、知り合いの場所か……その前にラキュよ、その格好で大通りに出るつもりか? 肝がすわっている……俺にはとても出来ない。

あっ早速、ラキュの格好を見て「おほっ」と喜んだ人がいる、これだよ……この反応が辛いんだよな、でもラキュは平気そうだ……俺より長くヴァームのコスプレを受けていたから慣れもあるんだろう。


「ねぇ、そこの狼男(ウルフマン)、見ないでくれるかな……色々とえぐるよ?」


と思ったらそうじゃなかった、そりゃそうだ……バニースーツでおお通りを歩くんだ、こんなの慣れる訳が無い!


「えぐる」と言われた毛深い男、狼男は身体をびくつかせ足早に去っていってしまう……えぐるって何をえぐるのやら。


「さっ行こうか……」


ラキュは笑顔だが、その奥には深い悲しみが見えた…辛いよな、良くわかるぞその気持ち……。

ラキュは自分の事を見詰めてくる魔物に「見てんじゃねぇよゴラァ!」的な視線で威圧しながら大通りを歩いて行く、すると魔物達はそそくさと視線を反らして歩いて行く……相当心に来てるな、これ



「着いたよ、此所が僕の知り合いのいる場所さ」

「そっそうか……」


大通りをちょっと歩いた所…そこにその店はあった、俺は苦悶の表情を浮かべその家を見る、まじか……このに入るのか。


「どうしたの?」


俺の様子が気になったのかラキュが話し掛けて来る。


「いや、なにもない……」

「そう?じゃ、入ろっか」


俺はその家を見て足がすくんでしまう、何故ならその店は……カボチャだからだ、は? と思った方もいるだろうから説明しよう。

簡単に言えば家がカボチャなのだ、巨大なカボチャの家…流石魔王の城下町、まだまだ俺の理解が及ばない事がある、と言うか両端が石造りの家で真ん中が巨大カボチャハウス、しゅっシュール過ぎるだろう。

と俺が思っていると先に家に入っていくラキュに気付いた俺は慌てて家に入る、さて……外観はあれだが内装はどうなっているんだろう、まさかラキュの部屋見たいにトマト家具ならぬカボチャ家具とかじゃないよな? そうだとしたらどうリアクションしたら良いか分からないぞ? そんな心配をしながらカボチャの家に入る。


「クーっ居ないのかい?」


その家の中に入ってラキュは大声をあげる……家の中は広い、まぁ中々大きなカボチャだったからなぁ、しっしかしやけに暗い雰囲気の部屋だ。

入り口付近には骸骨2体のお出迎え、明かりは部屋の壁付近に等間隔に置かれた蒼い炎を灯す蝋燭(ろうそく)、床には紫色に光る魔方陣、アンティーク物だろうか? 古い感じを際立たせるソファーが2つ

テーブルも同じくアンティーク……そこにはお香が焚かれている、甘くて心を落ち着かせる良い香りだ。

その奥にはクローデットにベット、キッチンと言った物がある、そこには本棚もあり、その隣には振り子時計があった、その全てが素敵なアンティーク……なんか羨ましいと思ってしまう。


2階は無くて天井が広い部屋、その天井には古いシャンデリアが着いてある、しかし蝋燭が無いのを見るとあれはただの飾りみたいだ。


「……いないみたいだね」


どうしようか……と言う表情のラキュ、すたすたと部屋の中を歩いて行き勝手にソファに座る、そのラキュの視線の先には1つの絵画があった、そこに描かれていたのは、カボチャだった。

ここの住人はちょっと変な人……じゃなくて魔物だ、そう思いながらラキュ同様にソファに座る。

勝手に座って申し訳ない感じがあるがアンティークのソファーに座れる機会なんてあまり無いからな、悪いが勝手に座らせて貰おう。


「暫く待ってようか」

「あぁ…」


そう言ってラキュは足を組んで深く座り直しリラックス……この機会にこの部屋をもっと良く見てみよう、辺りを見渡して見る……ん? カボチャの置物か? キッチンに黒いローブを来たカボチャ頭の置物があるな、大分小さい……8歳位の子供の様な背丈だ。

変わった置物がある物だなぁ……そう思ってそれをじとっーーと見つめる、あれ? あのカボチャ、さっき部屋を見た時には無かった様な……そう思う俺だったが、いや気のせいだろう……きっと見逃したに違いない、と解釈し俺はラキュの方を見てみる。


「ねぇ、シルク君……」


すると暗い表情で話し掛けて来た。


「何だ?」

「いたよ、僕の知り合い……」

「え?さっき居ないって言わなかったか?」


そう言うとラキュは苦笑しながら頬を掻く、なんだ? 何か背筋が寒くなってきたぞ……。


「いや言ったんだけどね、彼女陰が薄くてさ……気付かなかったんだよ」


何処か暗い表情のラキュ、組んだ足を正し、俺の目を真っ直ぐ見ている、いきなり暗い雰囲気で言ってこないでくれ、俺はそう言うの苦手なんだ。


「それで彼女は今ショックを受けているみたいなんだ……」

「いっいや……ショックを受けているって、そんな奴何処にも見当たらないぞ?」


俺は右左に辺りを見てみる、言葉通り、人一人見当たらない……その瞬間に俺の頬に冷や汗が流れるのを感じた、どくっどくっーーと心臓の音が自棄に大きく聞こえる、かちっこちっーー振り子時計が刻を刻む音、その音が俺の恐怖心を煽る。


「おっおい……ラキュ、こんな時に人をからかうんじゃ」

「からかってなんかいないよ……」


ラキュは真剣その物の表情で言って俺に指を指す、なっなんだ? 俺の顔に何かついているのか……。


「後ろ……」


ただ一言だけラキュはそう言った、俺は小刻みに震えながら生唾を飲み込み恐る恐るその方に振り向く……なっ何で振り向いた!これは絶対に何かいるパターンだろ! その方向に向こうとした時、瞬時にそう思った。


「……っ!」


その瞬間身体が急に固まった……何かの気配を感じたからだ、凍り付く背筋……溢れる冷や汗、あぁ…まずい、これはガチでマジでヤバいかもしれない……こっ怖すぎてどうにかなりそうだ!


「どうも…始めまして……」


恐怖心でガタガタ震える耳元に囁かれる可愛いくて暗い感じの女の子の声……横目で見えたのはカボチャ頭の幼子だった。


「わぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


俺は盛大に叫ぶ、恐怖心がMAXを越えた、と言うかこんなの叫ばずにはいられないだろう!


「はぅ……叫ばれ……た、あたい……最初からいたのに……酷い……」


暗く可愛い声が聞こえたがそんなの関係無い! 今は恐怖の絶叫を上げさせて貰おう。


「……ぷっ、くはははっ! シルク君恐がり過ぎ!」


そして隣で笑っているラキュ……やはりからかいやがったか、後で頭を思う存分叩きまくってやろう。

そう思った俺はその後、数秒間叫んだ後息切れして少し苦しかった。


「改めて…挨拶…します、らっ君の…ずっ友の……クータンって言います、種族は…ジャックオーランタン……です」


カボチャ頭の女の子?は、てこてこと俺の前へとやって来て深々とお辞儀する。

礼儀正しいけど、声が可愛くて暗い……まだ恐怖心が抜けきれて無い俺は震えながらお辞儀を返した。

これがラキュの知り合い……また可笑しな奴が増えてた、恐怖心の中でそう思った俺であった。

気がつけばもう50話……早いものですねぇ。

今回はホラーな感じにしてみたつもりです!

どうでしたか?


ってな感じで何時もの言葉を言います!

何時も読んでくださりありがとうございます!

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