表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
どうやら魔王は俺と結婚したいらしい  作者: わいず
今後の事、ゆっくり行こう……自分のペースで
458/517

458

「やぁ、無事起きたね……おはよ」


目をパチクリさせてるクーにそう言うと、僕に向かってぼぉっとしながらこう言って来た。


「おは……よう」


ぽへぇとしてるね。

素顔のままなのに、恥ずかしがってない。

まだ石喜がハッキリしてないんだ。

まぁ……その方が良いよね。

また、恥ずかしがって倒れたら困るし。


「体調とか大丈夫?」

「……ん」


目を細めながらクーは頷いて答えた。

そう、なら良かった。

そう思ったらメェが、すすすぅっとクーの側へ行く。


「一応検査するですよ。はい、あぁんするです」

「あぁ……んっ」


言われるがまま口を開けるクー、メェはじぃっと見て「なんともないです」と呟いた。

良かった、なんとも無いんだ。


「……ん、なん……で、ここに? あたい……自分の家に、いた……はず」

「あぁ、それはですねぇ、ラキュ様がここまで連れてきたからです!」


うん、その通り。

言おうと思ったこと言ってくれたね。


「ほぇぇ、運んでくれたんですか……」


ぽへぇとしながら僕を見るクー、まだ気を取り戻さないんだ。

多分……そろそろ、正気に戻って顔真っ赤にする頃だと思うのは、僕だけかな?


「ラキュ様に感謝しなきゃダメですよ? 戸惑いきった顔でメェのとこに来たんですっ! もう必死さを感じまくったですよ」

「ちょっ! そんな事言わなくて良いから!」


突然、何言い出すのさ! そんな顔してないし……必死だったのは間違ってないけど。


「へぇ……そう、なんだ。必死に……運んで……っ!?」


あ、顔が一気に赤くなった。

はじまるね、あれが。

一応、耳塞いどこう。


「ひっ、あっ……うぅっ、あぅ……ひゃぁぁぁぁぁぁっ!!!」


っ、すごい声……やっと、自分が素顔のままなのに気がついたみたいだ。

と言うか、気付くのずいぶんと掛かったね。


「え、あっ……え! えぇぇっ!」


バタバタ暴れだすクー。

それを「落ち着くですよ!」と後ろから抑える、でも……。


「ぎゃめぇぇぇっ!!」


クーの力が凄すぎて右に左に振り回されてる。

うわっ、すっごい力……って、感心してる場合じゃなかった。


「クー! 落ち着きなよ!」


そう言って近付いてみる。

おっと、危ない……振り回してるメェにぶつかる所だった。

それを、ひょいっひょいっと交わして、目を手で覆って見る。


「ね? 落ち着きなって」

「っ……うぅぅっ」


肩をぶるっと震わせるクー、その後ろでメェがひぃひぃ言ってる。

そして、力なくクーの肩から手を離して、べちゃっと床に倒れた。


……心配だけど、今はおいとこう。


「どう? 落ち着いた?」


優しく話し掛けると、クーはゆっくりと頷いた。


「そう、良かったよ」


ほっとして微笑むと、クーが震え始めた。


「ラキュ……君、色々……めっめい、わく……掛けちゃいました。ごっ……ごめん、なさい」

「あぁ気にしなくて良いよ。気にしてないからさ」


それより、落ち着いて良かったって事の方が大きいね。


「そう……ですか」

「うん。だからこれ以上謝らないでよ?」

「う……うん」


くははは、えらくか細い声で返事したね。

僕の手で目隠ししてても、恥ずかしいのは恥ずかしいのかな?


じゃ、取り敢えず被り物をどうにかしよっか。


「クー。取り敢えず、いつもの被り物しない?」

「っ! しっ……しません!!」


うぉっ、ビックリした……。

急に大声だしたね、しかも「しません」と来たか。


「でも、しないとまともに話せないでしょ?」

「うっ」


図星だね、身体が固まったよ。


「でっでも……あたい、もう被り物……被れません、から」

「え、被れない?」

「そっ、それに! あたいっ、被り物は卒業するって……きっ、きめ……決めました、から!」

「え、ちょ……質問に答えてよ」


なに、ビシッと決めてんのさ。

全く意味が分からないよ、被り物卒業ってどういう事? 被れない? どうして被れないのさ。


「あっあたい! 負けない為にっ、ががっがん……頑張ります! ネガティブなあたいとは……おさっおささ、おさらば……です!」


おっおぅ。

なんか凄い気迫で格好いい事言ってきたね。

負けないって、誰に対して言ってるのさ。

まぁ、ネガティブおさらば宣言は素直に凄いって思ったけどね。


と言うか、僕とクー……なんて格好で話してんのさ。

相手の目を覆って話し合うって、スッゴく変だね。


と、そんな事は頭の片隅に追いやり、僕は苦笑いしながら思う。

もう、これは聞くしかないね……なんで、そこまで被り物をしたくないのかを。

変な所で話が終わった感が半端無いぜっ!


今回も読んで頂きありがとうございました!


あ、前の後書きで言ってた釣果を発表します。

4、5匹? も少し釣れたかもだけど釣れました。

取り敢えず坊主は回避ですね。

でも……疲れたぁ。

今日は良く眠れるぜっ、釣りの指導に付き合ってくれた友達に感謝だね。


では、次回もお楽しみにっ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ