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どうやら魔王は俺と結婚したいらしい  作者: わいず
素直になる事とやり直し
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柔らかいのが強く押し当てられてる。

それが何かはご想像にお任せしたい。


さて、今俺が置かれてる状況だが……キスされている。

強引、だけどそこに不慣れな物を感じる。

恥ずかさを圧し殺してしてる感じがひしひしと伝わる。


今されてるキスはこんな感じだ。

…………っ!? えっ、ちょっ! えぇぇぇっ!?


俺はやっと、事の重大さに気付いた。

キス! キスされた! キスだぞキス! 俺っ、今っ、キスっ、されてる!!


慌てて身体をよじる、しかし動かないっ、きょろっと目玉を動かして状況を確認する。


アヤネ目を瞑ってる、俺抱き締められてる。

唇強く当てられてる、ついで腹と胸も……あっ、今太ももが当たった。


「ぅ……ぁぅっ……ぁっ」


あっアヤネから、くぐもった声が漏れた。

なっなんて声を出してるんだ……それを聞いて心臓がバクバクしてきた。


まっまずい、これは色々とまずい! 自分の想いを語った手前……アヤネとのキスで感じるのは不味い! そんなのダメだ!

だから、頑張って……かっ身体を、うっ動かして……いるんだが! ダメだ動かんっ! 向こうは背伸びしてるんだぞ? 体勢不安定なのになんでガッチリ抱き締められるんだよ。


「んっ……くっ……っ」

「っ!?」


そんな突っ込みを心の中で入れた時だ。

むちゅぅぅっと吸ってきた、余計に俺とアヤネの唇が強く当たる。


おっおい、これ……強いキス所じゃないぞ。

強すぎるキスだぞ! だっだから、じっ地味に……痛い。

だけどアヤネはそんな事は知るよしもない。


さっきからずぅぅっと眼を瞑ってこの体勢。

必死に俺の唇を吸ったり離したりを繰り返してる……それで俺の唇が変な事になったら……許さないからな。


てって言うか、だっだめだ、頭がぽぉっとしてきた。

このままだと気を失いそうだ。


れっ冷静になれ、冷静になってここから脱出するんだ! そう思って手を動かそうとするが……だっダメだ、手も一緒に抱き締められてるから動かせない!


だからと言って身体を動かすと、その……あれだ、色んな所に当たったりするから……出来ない。

色んな所が何かは、そっ想像に任せる。


と、そのときだ。

ある事に気付く、いや……ようやく気付いたと言うべきか。

さっきからアヤネにキスされてる訳だが……長くないか? いや、間違いなく長い! そう思ったら急により身体が熱くなってきた!


だからせめてもの抵抗で、手を動かしアヤネの太ももをペチペチ叩く。

そしたら、身体がビクッ! と跳ねて眼を開けた。


だから必死で目で「離れろ」と訴えた。


「……っ」


アヤネは俺の眼を見た瞬間……鼻息が荒くなった。

いや、さっきまで荒かったんだが、より荒くなった。


その数秒後……腰に回した手を前に持ってきて、俺の胸をとんっと押してくる。

よろっとふらついた俺は後ろに数歩よろけてしまう。


やっやっと離してくれた。

……思わず手首を唇に当てて、鼻の頭辺りを紅くしてアヤネを見る。

すっ凄いことを……されてしまった。


唇離れたのに……まっまだアヤネの感触が残ってる。

あぁ……くっそ、これっ絶対暫く忘れられないぞ!


そんな悶々した気持ちに教われてると……アヤネが上目使いで見つめて来た。

なっなんて眼をするんだ、今そんな視線……向けないでくれるか?


「こっこれで……宣戦布告は終わり。まっままっ満足!」

「まっ満足って……」


カクつきながら言ってる所悪いが、お前自分のしたこと分かって……愚問だった。

分かっててやったんだよな、俺が好きだから……自分の事を好きにさせる為にキスしたんだ。


「とっ兎に角! あっあとは……付き合うだけ。あっあきらめ……ないから。私、本気だから……覚悟……してね?」


そう言った後アヤネは、さらっと髪を撫でた後……。


「そっそこのとこ、よっよろしく……ね。親友だけで……終わらす気なんて、無いから」


恥ずかしがりながらではあるが、しゃなりと立ち振舞いながら言ってきた。


いっ一瞬ドキッとなった、今のアヤネ……凄く綺麗だ。

いっいや、普段も綺麗だが……今この瞬間、普段の綺麗を越えたんだ。


「凄い……覚悟だな」

「うん、だって……シルクの事、好きなんだもん」


それ、面と向かって言えるんだな。


「そっそうか」

「うん」

「あっありがとう。気持ちは嬉しい」

「むぅ……。絶対に諦めないから」


ぷくっと頬を膨らましたアヤネは、にぃっと微笑んだ。


「じゃ帰ろっ、シルク」


アヤネらしいな、自分の想いを押し通す。

そんな強引さ……ちょっぴり迷惑だが、お前の良いところだと思ってるよ。

って、まて……もう帰る感じか? もっと話を続けるのかと思った。

相変わらず話の切り替えが激しい奴だ。


だっだけど、帰るなら帰るで良いか、そう言う事にしておこう。


「そっそうだな、帰るか。一緒に」


俺もアヤネに微笑んだ。

なんと言うか……アヤネはいつでも自分らしさを保ってるんだなぁ、そう感じた一時だ。

そう染々と思いながら……俺とアヤネは一緒に魔王城へと帰っていった。

今回のキスは濃厚なキス、と言うより不慣れで初々しい感じのキスにしようと思い書いてみました。

今後のアヤネの動きにも期待を持てる感じに書いた……つもりです!


今回も読んで頂きありがとうございました。

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