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どうやら魔王は俺と結婚したいらしい  作者: わいず
素直になる事とやり直し
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クーちゃんは話しを続ける。


「そっそれを聞いた時、頑張ろって……決心した……んです」


そっか、それで決心したんだ。

好きな人の為に頑張って、人見知りを治そうとしたんだ。


すごい、その娘……本当にその魔物の事が好きなんだ。

その事を聞いただけで、そう感じるよ。


「あ、あの……あっアヤネちゃん!」


わ、びっくりした。

また大きな声だしたね、あれ? なんか、さっきより視線が定まってない気がする。


「なぁに」


とりあえず、返事するとクーちゃんはパチンっと手を合わせる。


「だっ大事な話、だから……ちゃんと、眼を見て……はっ話したかったんどけど……げっ限界、だから……被り物……被って……良いですか?」


あ、もしかしてもう限界? そう言えば息使いが荒荒しくなってる、そか、限界なんだ。


「いいよ」

「あっ、ありがとう……ございますっ」


コクリと頷いて答えてあげると、感謝しながら近くに置いてあった被り物を被る。

これでいつものクーちゃんに戻った。


「ふぅ……ひぃ……はぁ……」


よっぽど素顔を出したのが疲れたのか肩で息してる。

暫くそうして呼吸してると、落ち着いて私の方を向く。


「すっすみま……せん。はっ話しを……続けます」

「うん」


話し続けるんだ。

また謝り続けて暗い事言うのかと思ったけど……違ったね。

でもいいよ、話の続き気になってた……だから何も文句はないよ。


「そっ、それで……その娘は……色々アピールしたの」

「アピール?」

「うん。じぃっと見つめたり、おっお菓子……作ったり、がっ頑張って……身体の何処か触ろうと……したり……したの」

「おぉ……良いアピール」


なんか、頭に思い浮かぶかも。

必死でやってるんだけど恥ずかしくて上手く出来ない。


でも、その魔物の事が好きだから頑張れちゃう。

すごく健気、応援したくかる……その娘、今も頑張ってるのかな? それともちゃんと付き合えた? そう色々考えちゃう。


「でっでもね」

「……でも?」


声が低くなった。

それに、でもって言った……え、その娘になにかあったの?


「その娘が好きな魔物に、好きな娘が出来たの。あ……違う、たっ正しくは、気になる……娘……かな」


え、すっすごい急展開。

そっそれって……間違いなく不味い状況、だって恋のライバルが現れたんだもん。


「その魔物が好きな娘は、とってもクールで……綺麗で、強くて……ちょっぴり抜けた娘なの」

「そうなの?」

「そっそうなんです」

「ふぅん。ドジっ娘なんだね」

「え? あっ……そっ、そう……ですね」


なんで私をじっと見て苦笑いするんだろ。

可笑しな事言ったかな?


「それで?」


気になるけど、今は詳しく聞かない。

それより話の続きが聞きたい気分。


「あ、えと……。そっその娘は……負けない様に頑張った、いつも以上に気合いをいれて……頑張って、頑張って、頑張った」

「……」


なんだろ。

自分で思うの変だけど、これ……私に似てるかも。

恋のライバルが現れて頑張る、私もロアが出て来て頑張った。


でも……頑張り足りなかったのかな? 結果はダメだった。

その娘は……どうだったの? ちゃんと付き合って欲しいな、私みたいに振られないで欲しい。


「でっでもね、気付いたんです。その娘の好きな魔物は……その娘より、ライバルの方を見てたの。その時……察したんです。本人は口にしてないけど、その魔物が今好きなのは、その娘じゃなくて……ライバルの方だと」


悲しげに話すクーちゃん。

私もそれを聞いて悲しくなった。

そか、そんなの見たら、そう思っちゃうよ。

色々思い込んで、落ち込んで……暗くなっちゃう。

今の私と同じ、もう諦めた方が良いんだ……そう思っちゃったんだ。


「でっでも! その娘は諦めませんでしたっ」

「……っ!?」


え、え? え!?

なっなんで、あっ諦め……ないの?

クーちゃんの言葉に驚きを隠せない、軽く鳥肌が立っちゃった。


「だっだって、その魔物は……本当はどう思ってるか、わっ分かりません……から! たっ例えライバルの方が……すっ好きだとしっしても! つっ付き合うまでには……ちゃっチャンスが……ありっありますからっ!」


強い。

本当に心の底から、そう思った。

私と違ってその娘は強い。

そんな強さは私に無かった、振られて悲しんで落ち込んで塞ぎ混んで……ただ悲しんでるだけだったのに。


その娘は、諦めなかった。

立ち向かった……凄い、尊敬する。

格好良いよ……クーちゃんのお友達。


「アヤネちゃん」

「……なに?」


クーちゃんは被り物ごしから私を見てくる。

たぶん、中では真剣な眼をしてる。


「あっアヤネちゃんも、そっそうしませんか? あっ諦めずに……頑張って……見ませんか?」

「1度、振られたのに?」


そんなの、相手からしたら迷惑だよ。

そんな顔されるの、私は嫌だ。


「まだ1度……だけです!」

「っ」

「まっまだ、大丈夫……シルク君は今、誰とも……付き合ってないです。だっだから……まだ、大丈夫……なんです!」


……そう、だけど。

また振られるよ、シルクはロアが好きなんだもん。

答えが分かりきってるのに……また、告白するの?

そう思って、下を向くと顔を両手で持たれ、ぐいっ! と前を向かされる。


「下向いちゃ……ダメ、です」

「……」

「せっせめて、いっ今の気持ち……全てを、シルク君に……ぶつけませんか?」

「……」

「いっぱいいっぱい伝えて……みません……か?」

「……」

「自分の……きっ気が済むまで言って、気持ちが空っぽになるまで……伝えませんか?」


クーちゃんの問いに無言で返す。

そんな……そんなの、怖いよ、また振られるよ。

私は……シルクと、付き合いたいっ。


「いま、シルク君と……付き合いたいって……思いました……よね?」

「っ! なっなんで、わっ分かったの!?」

「わっわかり……ますよ。アヤネちゃんの顔を見れば……あたいも、似たようなもの……ですから」

「え?」

「なっなんでも、ないです!」


??

最後ら辺、よく聞こえなかった。

詳しく聞こうと思って喋ろうとする、でもその前にクーちゃんが話す方が早かった。


「こっ告白の、やっやり直し! やりません……か? いっいえ、やりましょう! やっやらないと……ずっとモヤモヤした気持ちのまま……です。そっそんなの……辛すぎ……ます」

「クーちゃん……」


それを聞いた瞬間、心に熱い物を感じた。

本気で私を心配してくれてるし、応援もしてくれてる。

……そう感じた、そう感じた瞬間、曇った空に光が射した見たいな気持ちになった。


すこし、晴れやかな気分。

なにかやってやろう! そんな気合いに満ちた気分。


「いま、思ってる……気持ち、つっ伝えましょう。結果は……分かりませんけど……やる価値は、あっありますっ!」

「……」


私の顔から手を離し、ぐっ! とガッツポーズする。

クーちゃんにやる気にさせられた。

それと、クーちゃんの友達にもやる気にさせられた。


私も、クーちゃんの友達みたいに頑張ってみよう。

だって、いま頑張らないと……クーちゃんの友達に笑われちゃう。


「やる気に……なったね。アヤネちゃん」

「うん、やる気になったよ」

「そっそう……ですか」

「クーちゃん、ありがと。私、頑張る」


正直1回振られて怖い気持ちは消えてない……でも私、やるよ。

もう1度、シルクに告白する。


明日の朝早く起きて、魔王城に行ってシルクにあって……気持ちを伝える。

ダメだった時は……その時はどうなるか分かんない。

もしかしたら、今度こそ塞ぎ込んじゃうかもかもしんない。

でも、想い全てを伝えるから……大丈夫、そう信じたい。


願いを込める様に手を合わせ眼をつむった。


そして、その夜……私は明日に備えて眠った。

待っててねシルク、もう1度私の気持ちを聞いて


そして今度は……私の事、好きって言って。

私もシルクの事が好きだから……。

この話し書くとき、非常に胃がキリキリしたよ。

大事な所だからね、失敗できないからね、だから変な所はないかな? 展開早すぎないかな? と今も思ってるよ。


今回も読んで頂きありがとうございました!

総合評価の方が800を越えました、超絶嬉しいです! ありがとうございます! これからも頑張ります!

次は900越え、その次は1000越えだ!


この評価以上の作品を書き上げる事を誓います! 頑張るぞ!

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