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クーちゃんが突然怒った。
だから、怖いって思いながらクーちゃんを見つめてた、そしたら。
「はぁぁ……」
大きなため息をついた、分かりやすく見せつける様なため息。
えぇ……なにこれ、なにか知らないけど、私を冷たい眼で見てきてる。
そっそんな眼しないで、怖い。
「はぁぁぁ……」
またため息ついた。
今度は1回目より深いため息、冷たい眼もより冷たくなってる気がする。
「アヤネ……ちゃん」
「なに?」
声も冷たい、なんか背筋がゾクッてする。
そんなクーちゃんにオドオドしてると、ガシッと頭を掴まれた。
「……」
え? いまなんて言ったの? 良く聞こえなかった。
「恋愛に邪魔は付き物ですよ!」
「っ!」
おっ大きな声を出してきた。
ビックリして、ビクッて反応しちゃった。
「それなのに……アヤネちゃんは、1回目振られた位で諦めるんですか!」
「……」
バシバシ頭を叩きながら言ってくる。
クーちゃん、こんな大きな声、出せたんだ。
……あっ、急に慌てた、顔真っ赤にした。
「あっ、えと……かっ簡単に……あ、諦めちゃ、だっダメ……です」
いつものに戻っちゃった。
もしかして、我に返った……のかな?
「アヤネちゃん」
「なっなに?」
ふぅ、と一息ついて視線を鋭くするクーちゃん。
「シルク君の事は……まだ、好き、なんですよね?」
「……うん」
「だっ、だったら諦めるのは……ダメです」
きゅっと私の手を握り、優しく微笑んでくる。
……本当に優しい、君ちゃんの温もりを感じてそう思う。
でも、今のクーちゃんの話は……優しくない。
諦めちゃダメ? そんなの諦めるしかない。
1度振られたんだよ? 答えはもう出てる、なのにそんな事言うなんて……酷いよ。
「そんな顔……しちゃダメです」
「……いはい」
むぃぃってほっぺたを引っ張られた。
そして離される、うぅ……ヒリヒリする。
「まだ終わってない……よ。諦めない限り、アヤネちゃんの……恋愛は、終わって……ません」
「クーちゃん……」
とっても澄んだ眼、何か大切な事を言いそう。
そんな視線に見とれてしまう。
「少し、とある話しを……聞いてくれませんか?」
「……話し?」
「そうです。えと……ダメ、ですか?」
「ダメ……じゃないよ」
とっても真剣な顔、だから聞くことにした。
と言うより、クーちゃんがどうしても聞いて欲しそうな顔をしてたから聞こうと思った。
話しを聞いてどう思うか分からないけど……たぶん、話しを聞き終わっても私の心は変わらない……と思う。
「そっそうですか」
ほっとひと安心した後、分かりやすく息を吐き出す。
そして、表情を整えて咳払いする。
「じゃぁ、おっお話し……します。こっこれは、とある女の子のお話しです」
若干、顔を赤く染めながら話始める。
とある女の子……もしかしたらクーちゃんの友達の事かな?
えと、もしかして今からその娘の話をするの? 今の私と関係あるのかな? そう思い私はしっかりと話しを聞いた。
変な所で終わった感があるけれど、気にしないでね。
今回も読んで頂きありがとうございましたっ。




