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どうやら魔王は俺と結婚したいらしい  作者: わいず
素直になる事とやり直し
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さて、時間は少し遡り。

ラキュと鬼騎が話し始めた時の事、別の場所では別の人と魔物が話しをしていた。

その人物とは……アヤネとクータンである。



私はいま、クーちゃんの家にいる。

帰りたい私を引き留めて、色々してきてる。


ちょっぴり迷惑、でも感謝してる。

だって倒れてた私を助けてくれたもん。

だけど……迷惑って言う思いの方が強い。

ずっと帰りたいって言ってるのに帰してくれないんだもん。


だったら自分で帰っちゃえば良いんだけど……そしたらまた迷っちゃいそう。

また倒れるのは嫌だ、あの時は疲れたし、お腹へったしで大変だった。

だからクーちゃんが教えてくれないと帰れないの。

いつまでも私がクーちゃんに帰り道を聞いてる理由がそれ。


クーちゃんはあれから色々聞いてくる。


"あっアヤネちゃん。ラキュ君から、聞きました。シルク君に、振られちゃったん……ですね"


そんな事言われなくても分かってる。

もう、言わないで……悲しくなる、涙が出ちゃうよ。


"どうして、家に帰りたいん……ですか?"


帰りたい気分だって……言った。


"そうですか、言いたくありません……か"


そうだよ、言いたくない。

それが分かってるなら、もう……放っておいて、素直に道を教えてよ。



クーちゃんの言葉一つ一つに自分の想いを心の中で吐き出した、そんな私に突然……。


"アヤネちゃん、帰りたい理由は……良く、わっ分からないですけど、そっその……あたいは、今、アヤネちゃんは……帰るべきじゃない……そう、思います"


って言ってきた。

ムッとした、頭に来た。

なんでそんな事言われなきゃダメなの? 私の勝手なのに……帰りたいって言ってるんだから帰らせてよ。


だから「勝手な事言わないで」って言ったの。

でも、最後まで言えなかった……だってクーちゃんがカボチャの被り物取ってたんだもん。


驚いた、本当に驚いた。

今まで見たこと無いんだもん、クーちゃんの素顔。

オレンジ色の髪、ソバージュヘア、鼻の所にソバカスがある。


……可愛い。

眠た眼で私を見てくるクーちゃんを見て、思わずそう思っちゃった。


「あたい、あっアヤネちゃんが……話してくれるまで、こっこのままでいますっ! すっ素顔のままっ、顔を隠さないで待ってて、あっあげますから……はっはっ、話す気になったら、話してくだひゃい!!」


言葉は噛み噛み、顔は真っ赤っか、ぶるぶる震えてじぃっと私を見てる。

必死だ、私と話しをしたくて……クーちゃんは必死になってる。


ちょっとそれに怯えた私は、ずずっと後ろに下がる。

そしたら、ささっ! と素早い動きでクーちゃんが私の近くまで寄ってきた。


ちっ近い、あっ……なんか、抱き付かれちゃった。

えっえと、うぅぅ……なにこれ、どんな状況? どうしよう軽いパニックだ。


「あ、え、うあ。うぅぅ……とっととっ、とりあっあえじゅっ……はっ話しましょう! しゅっしゅべて……今の想いを出して、吐き出して!」


何言ってるか意味分かんない。

言葉の順序間違ってる、たぶん"今の想いを全て吐き出して"って言いたいんだと思う。


でっでも、本当にクーちゃんにそんな事言ったってどうにもならない。

だから言う意味がない、だから言わな……うわ、すっごい顔が近い。


眼がうるうるしてる、しかも抱き付きの強さがちょっとずつ増してきてる。

いっ痛くなってきた……うぅぅ、これ、言わないと離してくれないっぽい。


だって、こんな必死な顔してるもん。


「おねがいじまずぅぅっ、はっはなじでぇぇぇ……」


ほら、こんな事いってきた。

完全に泣いちゃってる、鼻水まで垂れてる。

こっここまでしつこく聞きに来るなんて……ちょっとビックリ。


「わっ、分かった。話すから……離れて」


だから、そんなクーちゃんに根負けしちゃった。

そしたら、瞬時に明るく笑った。


はぁ……速く帰りたいのに。

はい、展開変わりました。

アヤネ&クータンパートですね、こっちもしっかり書いてくぜ!


今回も読んで頂きありがとうございました。

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