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どうやら魔王は俺と結婚したいらしい  作者: わいず
素直になる事とやり直し
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鬼騎の言う事が怪しいから詳しく話しを聞くことにした。

そう、聞こうとしてるんだが……。


「いやぁ、すっごく暴れおるから大変だったぞ」

「そっそうなのか」


全く話しを聞けない。

鬼騎が強引に話してくるからだ。

この後、何度か話そうとしようとしたんだが……結果は出来ず。


途中でロアが「飯にするのじゃ!」と言いながら入ってきた。

いや、いきなり入ってきて何を言い出すんだ? と思ったんだが……なんか知らんがよく分からない内に食事をする事になった。



で、今に至る……。

な? 全体的に怪しすぎるだろ? 皆、俺に何かを隠してるんだ。


「ふおぉぉっ、肉! 肉! 肉じゃぁあっ」


……妙にハイテンションなロア、確かロアは肉が好きだ。

だがここまで大声を上げる程ヒートアップして喜ぶ事があったか? いや……無かった。

明らかにいつもと違う。


それに、ヴァームもそうだ。

さっきから一言も喋っていない、俺の気のせいかも知れないが、何処と無く表情が暗い気がする。


「ねぇ、シルク君」

「っ!」


疑いの視線をロアに向けてたら正面の席にいるラキュに話し掛けられた。


「ぼぉっとしてるけど……大丈夫?」

「あぁ……大丈夫だぞ」


うん、ラキュは何時も通りだ。

美味しそうにトマトを食べている、だがなんだろう……なにか違和感を感じるな。


「なぁ」

「ん?」


だから、少しだけ揺さぶる事にした。


「さっきの大きな音、大丈夫だったのか?」

「ん? あぁ……大丈夫だよ」


にっと笑って、トマトをパクリ。

表情は普通の笑顔、どこも怪しい所は無い、ポーカーフェイス……なのか? ラキュの顔見てると本当に大丈夫そうに聞こえてしまう。


……俺の考え過ぎか? いや、でもなぁ。

さっきのメェの態度を見たら、何かあったとしか思えない。

いや、でも……このラキュの表情、どっちだ?


「僕の顔に何かついてる?」

「あ、いや……なにも」


見詰めすぎて不思議に思われてしまった。

そう思って食事を進めた、うん……旨い。


今日の夕食は肉多目のカレー。

あとはサラダ、さっきも言ったが旨い。


「……」


そう思いながら、チラリとロアを見てみる。

こっちもこっちで笑顔だ、美味しそうにカレーを食べてるよ。


「おい、ロア嬢……肉ばっかり拾って食うな」

「むっ……別によいでわないか!」

「バランス良く食えや」

「ちっ、口煩いのぅ」


……よそう、今疑っても仕方無い。

今は食べることに集中しよう。

旨い料理なんだ、難しい事を考えるのは後にするんだ。


ぱくっ

フォークを使ってサラダをパクリ。

みずみずしい……ドレッシングとの相性も良い、流石鬼騎、良い仕事をしている。


トットットッ……

ん? なんだ、足音が聞こえる。

皆もそれに気付いたのか、食事の手を止める。


トットットッ……。


うん、間違いなく聞こえる。

さっきよりも大きくなってる、こっちに近付いてる?


「ん、なんじゃ? 誰かこっちに来るのかのぅ」

「さぁ? 誰だろうね」


ラキュとロアが話し出す。

誰か来るにしても誰が来るんだ? 皆もそれが分かっていないみたいだ。


……バタァンッ!


なんて思ってたら、強く扉が開いた。

ビックリしてフォークをテーブルに落としてしまった。


「ちょっと! 食事する時は呼んでって言ったのにぃ」

「そうだぞ、シズハは確かにそう言ったぞ」


現れたのはシズハさんと……え、え!! こっこの人は!


「ふっフドウ……さん?」

「む、シルク君か……久し振り」

「はっはい、おっお久し振り……です」


気軽に話し掛けてくるのはアヤネの父親、フドウさんだ。

普通に挨拶したけど……すっごい驚いた、え? え? なんでこの人がここに要るんだ?


「しまった。二人の事、忘れてた」

「え……」


ラキュが気になる事を言った。

忘れてたって……どういう事だ? そんな疑問が浮かんだ時だ。


「私たちも食べますっ」

「我も」


シズハさんとフドウさんがそう言いながら席に座る。

なっなんか、急に現れておいて図々しい……。

そんな態度に呆れる、まぁ……怪しいとか怪しく無いとかは考えるのは止めよう。


さっき決めたんだ、今は食事に集中すると。

今回も読んで頂きありがとうございました。

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