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どうやら魔王は俺と結婚したいらしい  作者: わいず
厳格な男、されど凄くお茶目さん
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さて、暫く時間が経ってイチャつきは終わった。


「えへへぇ、ごめんなさぁい。つい目の前でイチャついちゃいましたぁ」

「我の妻が謝っている。どうか許してやってほしい」


なんと言うか、大分長い時間イチャつきを見せ付けられた気分だよ。


「うっうん、別に気にしてないから良いよ」


若干顔をひきつらせながら言ってやる。

ほんっと、待ったんだからね? ちゃんと反省しなよ?


「そうだ! なんでふぅちゃんがここにいるのぉ?」

「アヤネを探しに来たのだ」

「そぉなんだぁ」


謝罪が終わって直ぐ二人で話するの止めてくれないかな? 完全に僕とヴァームと脳筋とヘッグが空気になっちゃってる。


「シズハはどうして此処に?」

「探してたら此処にきたのぉ」

「おぉ、そうなのか」


それ、どんな偶然? って突っ込むべき所なんだけど。

フドウは全く突っ込まない、なんで何も不思議な事は無いと言いたげに頷いてるのさ、不思議な事だらけだからね?


「あ、ふぅちゃん、ふぅちゃん」

「なんだ?」

「あのぇ、アヤネちゃんがここにいるらしいのぉ」

「うむ、それはさっき聞いた」

「そっかぁ」


安定の急に話の切り替え、そして……まぁたイチャつきそうな雰囲気になってるし。

と言うか、この場で手を繋がなくても良くない? それに、お互い頬赤く染めちゃってさ……どんだけラブラブなのさ。


「じゃぁ、アヤネちゃんが失恋したって……知ってるますか?」

「うむ、それも聞いた」

「そうですかぁ」


にへぇっと笑うシズハさん。

それに、ドキッとしたのか照れて視線をずらして頷くフドウ。

ほんと、見せ付けてくるねぇ。


「じゃぁ、ふぅちゃん。ちょこっと二人きりでお話ししましょぉ」

「え、あ……うむ」


えっ、ちょっ……。

二人で話すって、どこ行くのさ! で、フドウは何照れてんの?


「ちょっ! 話をするって……何処で」

「ちゃんとお城でお話ししますよぉ。夫婦でお話ししたい気分なんですぅ」


話しを遮られた……ちゃんと城で話しをするっていっても、急に出ていくのはどうなの? とか思ってたら、まっまた○○したい気分、とか言った。

アヤネ一家は気分でしか行動しないなぁ。


「そうか、気分なら仕方無いな」


え、それで済ますんだ。

って、そうか……この一家はこれが普通だった。


「と言うわけで、お話ししてきますよぉ。お夕飯の時には顔を見せまぁす」


そして、当然のごとくご飯を食べようとする。

……厚かましい、ほんっと厚かましい。

とか思ってる間にフドウとシズハは出ていった。


「………本当に出てったな」

「そうですね」


その様子に呆気に取られる脳筋とヴァーム、なんと言うか、台風が過ぎ去った後見たいな気持ちになったよ。


「……えと、とりあえずどうする?」

「そうだな、俺は……しぃ坊んとこへ行ってくるわ」

「そう……あ、分かってると思うけど、姉上が暴れた事は内緒にしといてよ?」

「わぁっとるよ、んじゃ、ちょっと行ってくらぁ」


のそっと立ち上がった鬼騎は部屋を出ていく。

きっと、シルクは姉上が暴れた事を知ったら絶対に傷付く。

「自分がしっかりしてれば、こんな事にはならなかった」って思って今より更に落ち込むだろう。

そうなるのは良くない、だから隠しておこう。


「……ラキュ」

「なに?」


ヘッグに話し掛けられた、手に顎を置き、こっちを見てくる。


「俺はここらでおいとまさせて貰うよ」

「そう……。もう行くんだ」

「なんだい? 帰って欲しくないのかい?」

「いや別に? 帰りたければ帰ったらいいよ」

「はっはっはっ、相変わらず素直じゃないねぇ」


いや、素直な気持ちを言ったんだけど? 勝手な解釈しないでくれる?


「じゃ、また会おう……」


ぱちっとウインクした後、ヘッグも部屋から出ていった、残ったのは僕とヴァーム、あと部屋の隅で寝てる姉上だけだ。


「……」

「……」


暫く黙った状態が続く。

その間、ヴァームはずぅっと下を向いていた。


「意外だね、そんな風に落ち込んだりするんだ」

「心外ですね、私だって普通に落ち込みます」

「……ごめん」


あぁ、言葉の選択をミスしたね。

今言うべき事じゃなかった、カリカリと頭をかきつつ次言う言葉を模索する。


「ラキュ様、私は……このまま従者を続けて良いのでしょうか?」


そんな時だ、不意にヴァームがそんな事を言ってきた。

暗い表情、低い声……自分のやった事を後悔してる、そんな風に感じた。


従者を続けて良いか、か。

随分と馬鹿げた事を思うんだね。

はぁ……やれやれ、いつも見たいにやった事は後悔しない感じにすれば良いのに。

だから僕はこう言ってやった。


「バカなの? 続けて良いに決まってるじゃん」


それを聞いたヴァームは……ばっ! と僕を見て、口をポカーンと開けた。

今回も読んで頂きありがとうございました。

ふぅ……ちかれた。

難しい展開が続くから書くの難しいぜ! と思う今日この頃。

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