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どうやら魔王は俺と結婚したいらしい  作者: わいず
厳格な男、されど凄くお茶目さん
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アヤネの事を全てフドウに話した。

そしたら険しい顔をして、テーブルに膝をつき「むぅ……」と唸りだした。


その瞬間、背筋がゾクゾクする緊迫感に包まれる。

くっ……ずっと考え込んでるみたいだけど、何言うのかな? まず初めに怒鳴ったりする? 見た目が厳格そうだから怒鳴りそうだね……勝手なイメージだけど。


あ、でも……初対面の相手にそれは無いかもしれない。

でもこの人はアヤネの父上だからなぁ、どうなるか分からない、だから恐いんだよね。

あぁ、もぅ……ヒヤヒヤが止まんないなぁ、そう思いながら、ぎゅっと手を握る。


ヴァームとヘッグ、脳筋もそんな仕種をしていた。

うつ向いたり、目を瞑ったり、ごくっと唾を飲み込んだり……フドウの出す威圧感に気圧されてる。


「んっんんっ!」


っ! フドウが咳払いした。

その瞬間、僕を含めた全員がビクッ、と身体を震わせる。

そのあと、視線がフドウに集中する。


「あぁ……んー……その、なんだ」


髭を擦りながら言い辛そうに話し出す。

そして、暫く何も喋らなくなった。


え、やめてよ急に黙るの。

妙にピリピリして来るじゃんか。

はやくなんか喋ってよ……なんて思った時だ。


「……なんかぁ、ややこしくないか?」


そんな事をさらっと言ってのけた。

その瞬間、ヘッグと鬼騎がずるっと椅子から滑り落ちかけた。

いっいや、まぁそうなんだけどさ……確かに色々ありすぎてややこしい話だよ? でもさ、他になんか言う事あるんじゃない? 「なんでアヤネが失恋せねばならん!」とかさ。

そう言うこと言われるかと思ったんだけど……言わないんだね。


でさ、「ややこしくないか?」って、あまりにも軽く言い過ぎじゃないかな? それにそう言う事、苦笑いしながら言う?


予想の斜め上を行き過ぎる反応で軽く転けたよ。

怒られるかと思って、身構えた僕のドキドキを返してくれるかな?


「我がここに来るまでそんなややこしい事になってたとは……。人生とは難しいものだ」


フドウはそんな僕の気持ちを知らないで、うんうんって感じに頷く。

いや、うんうんじゃないよ、そんな反応とってないで何か言ってよ。


斜め上見て悟ってないでさ、早いとこ喋ってくれないと困る。

あぁ言う話したから僕等からは話し辛いからさ、頼むよ。


「そうか、失恋したのか……ふぅむ」


ふぅぅぅっ……と、長く息を吐いて腕を組む、そしてまた黙ってしまった。

あぁ話が進まない、これ、ずぅぅっとこの状態が続く気がする。


僕たちに色々聞いたりしないで良いの? まっまぁ……反応は人それどれなんだろうけど、でも……そうなると気まずいんだよ、だからなんか喋ってくれないかな?。


「あぁ……えと、そろそろフドウと会った時の話をしていいかな? 聞きたいだろう?」


と、その時だ。

ヘッグは、苦笑いしながら話を変えようとする。

ナイスだヘッグ、このままだと場がグダグタになる所だった。


「あぁ、うん。聞きたいね」


という訳で、それに乗る為に同意する。

そしたら鬼騎も頷いて応える。


「では、今度こそ話そうじゃないか」


ニヤリ、と不適に笑うヘッグ。

よし、これでこの気まずい雰囲気をなんとか出来そうだ。


「えと、フドウもそれで良いかい?」


ヘッグが一応フドウに確認すると、暫く無反応だったが遅れて。


「構わないぞ」


と答えた。

それを聞いて「ふふ、では話そうじゃないか!」と何時も通りキメ顔でポーズを取る。

そんなポーズをスルーして、ヘッグの話しに集中する。

ちょっと、いや……かなり強引だけど雰囲気の入れ換えは出来たみたいだ。


「そう、あれは今より少し前の事だった」


ヘッグは思い出すかの様に、遠い目をして話し出した。

さぁ……ヘッグとフドウはどうやって会って、なんの経緯でここにやって来たのかが分かる。

その事をじっくり聞こうじゃないか。

強引すぎる展開かな?

きちんとプロット練ってないからこんなことになるんだ! と自分を自分で叱った今日この頃。


今回も読んで頂きありがとうございました。

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