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どうやら魔王は俺と結婚したいらしい  作者: わいず
厳格な男、されど凄くお茶目さん
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メェの先導の元、俺はロアの部屋へと戻ってきた。

そのあと、メェは俺を見て。


「さぁ、ここで大人しくしてるですよ!」

「おっおぉ」


厳しい口調で言ってくる。

言われなくても、そうするつもりだが……なんだろう、メェもそうだが、さっきの鬼騎も妙に気を張り詰めている。


って、当然か…誰かが襲撃しに来たんだ、ピリピリするのは当たり前だ。


……取り合えず座ろう。

そして、この騒動が無事治まる事を願おう。

スタスタスタ…と椅子に近付いて、スッと椅子に座る。


「メェ、座らないのか?」

「っ! えっ? メェは今、座りたく無い気分です! だから気にしなくて良いです!」


…そうか、そう言う気分か。

なんか良くわからないが、本人がそう言うなら良いか。


ん? そう言う気分? あぁ、そう言えば、その言葉ってアヤネが良く口に出してたな。

毎回毎回、どういう気分だよ! って思ったっけ……。


……っ!? まっまて、今になって凄く不味い事に気づいたぞ! 今まさに、誰かが襲撃しに来たんだよな?


アヤネ……アヤネは大丈夫なのか? あいつ、今何処にいるか分からないが…もし、近くに要るなら…アヤネが危ない! だとしたら…こんな所でじっとなんてしてられない!


「メェ、俺少し様子を…」

「ダメです!」


見てくる、と言おうとしたがダメだった。

俺は立ち上がって扉の方へと行くが、メェが扉の前に立ちはだかる。


「退いてくれ!」

「ダメですっ! 今、危険だから出てっちゃダメですっ」


言い分は分かるっ。

だが、それを聞いてなんか要られない!


「アヤネが心配なんだ! だから…退いてくれ!」


それを言うと、メェはピクリと身体を動かす。

そして、うつ向いた。


「うぅ…。そっそれは、わっ分かる…ですぅ。けど、アヤネは此処には居ないかも知れないですよ?」

「いるかも知れないだろ?」

「そっ…そうです…けどぉ。とっ兎に角っ! ダメな物はダメです!」


くっ、なかなか退いてくれない。

だが、ここはどうしても通らせて貰うぞ! そう思って、床を蹴り扉へ突っ込もうとする俺……これでメェを強引に退いて部屋を出ていけば良い!


「だっだからっ、ダメです!」


とは思ったものの、普通に張り手でドンッ! と弾き飛ばされた。


「ぁぐっ」


小さな悲鳴を上げて仰向けに倒れたそのあと、俺はメェによって白衣の中から包帯取り出して、それでぐるぐる巻きに拘束され身動きが取れなくなった。

くっ…自分の体力の事、忘れてた。


それを悔やんでると、メェに抱っこされ、ベットへ寝かされてしまった。

そのあと、メェが近くに座ってくる。


「逃げないように監視するですよ!」


この徹底された守り、全身身動き取れないのに見なくても良いだろう。

これじゃぁ隙を見て抜け出せないじゃないか、まぁ…身動き取れない時点で抜け出す事なんて出来ないけどな。

はぁ…これで完全に出ていけなくなった。

こうなったら願うしかないか…アヤネ、もしこの近くにいるんだったら……逃げてくれ!


そう願いながら、俺はアヤネの無事を願った…。



シルクとメェが部屋にいる頃、鬼騎は必死の形相で廊下を全力で走っていた。


「くっ……なにしとんだ、あの魔王はよぉっ!!」


全身に悪寒が走る。

とてつもない程の狂気、走ってる最中なのに震えが止まらん……。

それを放ってるのは、魔王さんだ。


たくっ…料理の仕込みをしとる最中、それを感じたから慌てて飛んで来た。

あの時は尋常じゃないくらい戦慄したな…。

思わず鍋をひっくり返ししちまった。


あの感じは怒気……つまり、魔王さんが怒っとると言う事だ。

何に対して怒っとるのかは知らんが…早く行かないとヤバイのは確実だ。

何でかつぅとだな……。


その怒気の方へ近付くに連れ、怒気が大きくなってる事と……。


ドゴォォンッ!! ドンッ! ボンッバンッジュガァァァンッ!!


凄まじい破壊音が聞こえるからだ。

まぁ、派手に暴れてお祭り騒ぎってやつだ。

と、そんな冗談は抜きにしてだ……このままだと城を破壊しかねん。

あの破壊音と、怒気を感じれば、自ずとそう思うもんだ。


で、一応しぃ坊をここに連れて来なかったのを説明すっとだなぁ。

こんな音が聞こえるつぅのに、しぃ坊を連れ出すのは危険だ。

あいつは体力ねぇし、今は傷心中だ…だから今はゆっくり休んで欲しい。

こんな厄介事は俺等で解決すりゃぁいいのさ。


つぅ訳で置いてきたんだが…ちゃんとじっとしてんのか? 一応メェさんに見守って貰うよう頼んだが……大丈夫か? ちと心配だ。


まぁ……それよりも今は、早いとこロア嬢んとこに行くのが先だ! きっとあのシスコンも先に行っとるだろう。

奴の魔力も感じるからな…あとヴァームの魔力も感じる。


だから俺も早くいかねぇと……早く行って、暴れまくるロア嬢にお灸を据えねぇとな。

だからラキュ、精々姉に吹っ飛ばされんよう魔王さんを抑えとけよ、あとヴァーム…お前さんも何とかロアを抑えとってくれ、俺も早いとこ加勢に行くからな!


ダッダッダッーー

そう強く思いながら、大きく足音を鳴らし、出来るだけ早く魔王さんが暴れとる所へ向かって行った。

少し話の流れが強引すぎかな?

その時は……その時ですね。


大変な事になってきましたね。

さて、僕の肩の方も実は大変な事になってるんですよね……肩じゃなくて首までも痛いんですよね。

あははは、以上それがどうした情報でした。


今回も読んで頂きありがとうございました。

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