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どうやら魔王は俺と結婚したいらしい  作者: わいず
悩み悩んでぐぅるぐる 悩みの連鎖は止まらない
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ロアが暴れだした頃、シルクは一人でロアの部屋にいた……。


「もう夕方だぞ、流石に遅すぎないか?」


はぁ……とため息を吐いて、まだかまだかとロアを待つ。

ロアに部屋にいる様に言われて暫くたったが、一向にこない、来る気配が無い。

流石にアヤネの事とか色々な事を考えるのは一旦止める。


テラスに立って外の様子を見る。

太陽は既に傾いて、街が茜色に染まってる。


「一体何処で何をしてるんだ?」


ぼけぇっとしながら色々考えてみる。

もしかしたら外に出ていたりするのか? そうだとしたら、もう暗くなるから速く帰って来て欲しい。


それとも城の中にいるのか? だったら、そろそろ俺の所に来てくれないかな。

ずっとロアの部屋にいて暇で暇でしかたない。

本棚にある本は魔界の文字か? そういうので書かれてるから分からないし、ずっと寝そべってる訳にもいかないから暇を潰せない。


もうどうしようか、と思ってた矢先、考え付いたのが外の景色を見る事だ。

別にロアの言葉を無視して出ていっても良かったが、これまでの経験上でそれは止めておいた。

言うことを無視して、コスプレなんてされたくないからな…。


「あぁ、ほんと遅いなぁ」


ぐぐぅっと背伸びして身体を解す。

んー…実際何をしてるんだろう、また俺の為に色々してくれてるんだろうか? そうだとしたら申し訳無い。

その時は、きっちりとお礼の言葉を言おう。


「はぁ…」


ため息をつきながら手すりに腕を置き、その上に顔を乗せて思い悩んだ。

ロアは俺の事が本当に好きなんだな…いつもいつも笑顔を見せて「好き好き」言ってきて、抱き付いたり触ってきたり、コスプレさせに来たり色々してくる。


鈍い俺でも分かるよ、ロアの俺への気持ちは本物だ。

それ故に、あいつがまた告白してきた時、俺はなんと言えば良い?


俺がナハトを想う気持ちは本物だ。

だから俺はまた、告白を断らなければならない。

……っ!? いっいやちょっと待て、こっこんな事、今まで考えもつかなかった。


1回目の告白の時は、 こんな事は思わなかった。

なのにだ……なっなんでだ? 気持ちの変化か? それとも、アヤネを振って悲しむ顔を見たからか?


「こっ今度、ロアの告白を断ったら…ロアはどんな顔をするんだ?」


気付いたら、疑問を口に出していた。

焦りが満ちた顔で想像する、悲しい顔をするのか? それとも泣いてしまうのか? 色々なロアの悲しい表情が思い浮かんで来て……凄く恐くなった。


カタカタと手が震え、頬に冷たい汗が伝う。

嫌だ…もう2度と、あんな悲しむ顔を見たくない。

そんな恐怖に襲われて、がくっと下を向く。


と、その時だ。

ばさっ……ばさっ……

何かが羽ばたく音が聞こえた。

いや、羽ばたく音にしては大きすぎないか? 風圧がここまで来てる。


「なん……だ?」


その音が気になり、上を見上げる、そこには……。


「なっ、あっあれは!!」


どっドラゴンだ! 緑色のドラゴンがいるっ。

色々な悩みが一気に吹き飛び、そのドラゴンに釘付けになってしまう。


「……あっあのドラゴン、下に降りるぞ」


ばさっ……ばさっ……ばさばさっ

大きく雄大な翼を器用に羽ばたかせ、ドラゴンは地面に着地する。

場所は、この城の入り口前だ。

その性で、城前にいるケルベロスのケールが『ばうっ、がぅっ、わぅっ』と吠える。

そんな威嚇に全く意に介さないドラゴンは、ばふぅぅん……と強すぎる鼻息を吹く。

そしたら、その鼻息でケールは『きゃいんっ』と悲鳴をあげ軽く吹き飛んでしまった。


おっおいおい、まさか……あのドラゴン、襲撃に来たんじゃないだろうな? そんな事を思ってしまい焦る。

ん……あっあれ? ドラゴンの背中に誰か乗ってる? 偉く気品の良い服をを着た男…か? 遠くからだから良くわからないが、多分そう言う奴が乗っている。

その男がドラゴンから降りて、ドラゴンに一礼した。


そうした後、男は城へと足を進めていく。

ふっ不審者だ、間違いなく不審者だ、こんなのが普通の来客な筈がない。

これは早急に伝えた方が良いかもしれない。


「ロアに、ロアに伝えないと!」


そう思い立った俺は、素早くテラスを出て、部屋を飛び出した。

たっ頼む…どうか俺の思い過ごしであってくれ。

そう願いながら走っていった。

最近、視点がころころ変わってますね。

ほんとすみません、ややこしいですよね? 混乱してたらごめんなさい。


あと、波乱が始まりました!!

なんかごちゃごちゃしてるけど、上手くまとめるぞ!


今回も読んで頂きありがとうございました。

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