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どうやら魔王は俺と結婚したいらしい  作者: わいず
悩み悩んでぐぅるぐる 悩みの連鎖は止まらない
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この世に傷付かない恋愛なんて無い、シズハさんのその言葉が今も頭に響いてる。


出来れば、そんな事は無いと言いたかった。

だけど……言えなかった、シズハさんのその言葉は、凄く納得の行く言葉だったから。


そんな正論を言ったシズハさんが出ていった後、俺とロアは残された。


「しっシルク……その……」


お互い暫く黙ったままだったんだが、まだ俺に抱き付いてるロアが気まずそうに話し掛けて来た。

そうだ……ロアにとったらこの話は衝撃的だろう。


ロアは俺の話を聞いてどう思ったんだろう?


「正直驚いた……今もドキドキが止まらんよ。色んな事を想って、胸がズキズキしておる」


胸に手を置いて悲しげに話す、すると……うっすら笑いながら俺から少しだけ離れる。


「なんじゃろな、今は何を話して良いか分からんなぁ」


誤魔化す様に、くははは……と笑った。

乾いた笑いだ、俺も何を話したら良いか分からない。

と言うか、これからどうすれば良いのかも分からない。


今からでもアヤネを探しに行くか? いや、俺はアヤネを振ったんだぞ? 探しに行き辛い。

仮に探しに行って、見付けたとしても……どう声をかければ良いか分からない。


あぁ……モヤモヤする。

くっそぅ……不甲斐ないな、本当にどうする事も出来ないのか。


そんな思いにかられながらうつ向きカリカリ頭をかく。


「しっシルク!」

「っ!」


なっなんだ……いきなり大声だして。

目をまぁるくしてロアの方を見ると……若干震えていた。


「えと……とっ取り合えず、その……あれじゃ。あまり思い悩み過ぎるでない」


思い悩むな……か。

そう言われてもな……悩むんだよな。


「あぁ……えと、そのぉ……」


ロアがあたふたしてるな。

なんとか俺を元気つけよう

としてる、悪いなロア、気を使わせて。


無理して俺を元気付けなくてもいいさ、ロアには充分元気にさせて貰った。

それだけで充分、それ以上はいらない。

だから、そう言おうとした……その時だ。


「しっシルクは悪くない! こっこれだけはキチンと言えるぞ! だから思い悩む必要は無いのじゃ!」


ばっ! と手を振るい言い放った。

それに、きょとんとしていると続けて話し出した。


「無論、アヤネも悪くない! えと……つまりじゃな、誰も悪く無いんじゃよ。くっくははは……はは……はぁ。わらわ、なに言ってんじゃろう」


明るく話してたのに途中から暗い顔になった。

えと……ロアは一体何を言いたいんだ?


「あぁ……もぅっ! 色んな事が頭を駆け巡り過ぎて訳が分からん! これはあれじゃっ! 考えても無駄じゃ無駄!」


手をぎゅっと握って何処か遠く見る。

おっおぉ……なんかよく分からないが、考えるのを止めたな。

と言うか、妙なテンションになってるぞ、大丈夫か?


「シルク!」

「っ!?」


うぉっ……急にこっちを向くなよ、ビックリするだろう。

てっ……ん? 手を握られた、その瞬間、ぐわんっと身体を持ち上げられる。


こっこの体制は……ひっ久し振りのお姫様抱っこの体制だ!


「ろっロア? 何を……」

「とっ取り合えず……この事を他のやつにも伝えに行こう」


……え、伝えるのか? いやでも、そうした方が良いかもしれない。

皆には心配も迷惑も掛けたんだ、ロアの言う通りそうしよう。


「伝えるのは賛成なんだが……なぜお姫様抱っこをしたんだ?」

「何となくじゃ!」


なっ何となくか……ロアらしいな。



「では行くぞっ!」


そう言ってロアは俺をお姫様抱っこしたまま部屋を出ていった。

今回も読んで頂きありがとうございました。

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