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どうやら魔王は俺と結婚したいらしい  作者: わいず
チョコより甘い告白を……
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さて、しりとりも早々飽きて本格的になんにもする事が無くなった。


「ひまぁ……」

「そだな」


もう暇すぎてご覧の通り「暇暇」言ってる。

アヤネなんて、ベットにぺたぁっと寝て、足をパタパタさせてる。


余程暇すぎるんだろう。

これはもう、地下に戻った方がいい気がしてきた。

だって、俺も暇だからだ。


まさか、暇すぎて誰かに構って欲しいと思うなんてな。

いつもなら、「1人にしてくれ」とか思ってたのに……不思議なもんだ。


……あ、少し空が紅くなってきたか? 人間のハロウィンなら、そろそろ街に仮装した人達が集まりだす時間帯だ。


「ひまぁ、ひまひまひまぁ……」


パタパタパタ……。

あぁ、アヤネが暇すぎて"暇の歌"を歌い始めた。

しかも手と足をパタパタさせてる……。

よっぽど暇なんだな、だったらまた俺が何か言おう。


それを考えるのは暇潰しにもなるしな。

それに……久し振りアヤネと2人きりになったんだ、色々したいと思い始めた。


思えば、アヤネが家を抜け出して、俺を見付けて、俺と話したり遊んだりして……アヤネとはそんな思い出が沢山だ。

とっても楽しい思い出……だが、ロアにここに誘拐されてからは、それは出来なくなった。


だから……この時間は、あの時みたいでとっても楽しいんだ。


「ひまぁ、ひまだよぉ……あ」


……ん? 歌が終わったな。

もしかして歌うの飽きたか? 待ってくれ、もう少し考えれば暇を潰す何かを思い付く筈だ。


「シルク」

「ん?」


と、思ったら……アヤネの方が何かあるみたいで、俺の背中をペチペチ叩いて来た。


「どうした?」


そう問い掛けると、アヤネは起き上がり、俺のとなりに座ってきた。

例の如く密着してる、もう肌と肌とが当たってる。


「あのね、大事な事……言い忘れてた」


大事な事?

って、おぉ……アヤネの視線が妙に熱っぽい、しかもまた顔が紅くなってるじゃないか。


「えと、それななんだ?」


取り合えず聞いてみる。

そしたらアヤネは視線を剃らし、前髪を弄り始めた。

それを暫くした後、また俺の方を向いて口を開く。


「あっあの……さっさっき……いっ言い掛けた事……だよ」


さっき言い掛けた事?

……あぁ、クータンの家での事か。

確かにあの時は、ロアに邪魔されて聞きそびれたな……結局あの時、アヤネは何を言うつもりだったんだ?


「えと、それを……いま……いいたいの」


……それにしてもアヤネのやつ、やけに喋り方が緊張してるな。

そんな感じに喋られたら、こっちまで緊張してくるぞ。


「いっいいぞ、言っても……」


あ、俺も喋り方が緊張した感じになった。

くっ……なんか恥ずかしいな。


「そか、じゃぁ……言うね。あ!」


何かを思い出したのか、目を大きく開ける。

ん? 今度はなんだ?


「そっその前に確認」


ずずいっ、と俺の顔に自分の顔を近付けてくる……。

っ! ちっちかい! キスするっ、これ……ちょっとでも動いたらキスしそうだぞ!


「シルク……いま、たのしい?」


なんて極度の緊張に襲われてたら、妙な事を聞いてきた。

たっ楽しいかと言われれば楽しいが……今の状況から言うと……恥ずかしさがまさってる。


「たっ……楽しい……ぞ?」


だがしかし、俺はこんな感じに答えた。

そしたらアヤネは安心したのか、俺から自分の顔を離して、ほっと息を吐く。


俺も同じく息をはいた。


と、その時。

またアヤネが口を開いた。


「じゃ……言う準備するね」

「おっおぅ」


なっなんか知らないが、今度こそ話すみたいだ。

しかも準備があるらしい……その準備は何なのか検討もつかない。


恐らく、考えても分からないだろう、だってアヤネのする事は不思議に溢れてるからな。


って……ん? なんか、アヤネが俺の肩に手を乗せて来たぞ。


「シルク、もちょっとこっち」

「へ?」


成すがままに動かされる。

意味も分からず、アヤネにずりずり動かされベット中央へ。

準備って……これか?


ぐいっ!


てっ、わわっ。

ひっ引き寄せられ……って、だっ抱きつかれた! むっ胸……あっあたっ当たって……当たってる!


「シルク、良い香り」

「ふぁっ、こっこら! 匂いを嗅ぐな! あっあと……耳に息を吹くな!」


それやられると、ぞくぞくってするんだよ!

とっと言うか、はっ離れろよっ、ほっほんと……色んな所が当たってるんだからな!


「シルク……」


え、あ……無視か、くそっ……理性を抑えるの大変なんだぞっ! それ分かってんのか……っ、わっわわわっ!


「あ、アヤネ……こっこら、なにやって!」


どさっ……。


ぐっ、くぅ……。

あっアヤネ、おっ俺を……押し倒したぞ! 押し倒した後、直ぐ様股の上に乗り、顔を近付けてくる。

俺を見下ろすその視線は……熱く、切なく、何かを秘めていた。


「あ、アヤネ?」


押し倒されたのに……なぜか文句が言えなかった。

思ったのはただ1つ、俺を見下ろす今のアヤネは……今まで見たアヤネの中で、1番美しい……。


「シルク、チョコよりあまい事……言うよ? ちゃんと聞いてね」


チョコより甘い、アヤネの視線。

チョコより甘い、アヤネの声音。

チョコより甘い、アヤネの香り。


その全てが今の俺を優しく包み込んだ。

そして、アヤネの言葉に俺はただ「あぁ……」と小さな声で呟いた。

ドキドキしながら書きました。

変なところないよね? 突然過ぎないよね? なんて思いながら書きました。

大丈夫……だよね?


今回も読んで頂きありがとうございました。


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