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どうやら魔王は俺と結婚したいらしい  作者: わいず
チョコより甘い告白を……
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俺は何度も説明した、誤解だ誤解だと何度も言ってようやく。


「ふぅん、なるほどね。なんであんな事してたかの理由は分かったよ」


ラキュはこう言ってくれた。

良かった、なんとか分かってくれたみたいだ。

まぁ状況の説明は時間が掛かったけどな。

あっ、因にだがアヤネは俺の太股の上に乗るのを止めて隣に座ってる。

くっ……降りてもらっても足がジンジンするなぁ。


「でもさ、それってシルク君がアヤネの背中を押せば早々に解決出来たんじゃないの?」


うぐっ、言われてみればそうだ……。

でっでもだな、それをしなかったのには深い訳があるんだ。


「あ、いや……そうなんだが、あまりに痛くて……出来なかったんだ」

「ふぅん、なるほどね」


いや、本当だから! だからそんな疑う様な目で見るな!

って、ん? アヤネが突っついてきた、なんだ? どうした?


「シルク、痛かったの?」


いつもながら突然だな……。


「あっあぁ、痛かったぞ」


ここは素直に言っておこう、本当に痛かったんだ、充分に反省してくれ。


「ごめんね」

「あ、うん。次からは気を付けてくれ」

「ん」


よしよし、軽い感じで言 ってそうではあるが、しっかり反省してるみたいだ。

あのしゅんとした顔は反省してる証拠だ。

長年付き合ってたから分かる。


「話しは終わった?」

「ん、終わったよ」


なんて会話してたらラキュが話し掛けて来た。

そか、話しは今ので終わりか。


「そう、だったら一緒に行かないかな? 一人で歩いてたから暇だったんだよね」


あぁ……その誘いは嬉しいんだけどなぁ。

いかんせん俺の足が「まだ休みたい」って言ってるから動きたくないんだよなぁ。


「悪い、疲れたからもう少し休みたいんだ」

「え、そうなの?」


そうなんだよ。

だからラキュには悪いが付き添う事は出来ないな。

あ、でもアヤネが「いこ」とか行って連れまわすかもしれない。

もしそうなったら倒れるな、確実に。


そんな不安を抱えつつ、アヤネを見てみる。

うぉぅ……輝かしい目をしている、こっこれは嫌な予感しかしない。


「シルクは休みたい気分なら私もそうする。そう言う気分になった」

「え? そっ……そうか」


予想外な事言ったから驚いてしまった、何時もなら「大丈夫、私が運ぶから」とか言ってた筈なのに。

それがどうした、俺の意見を聞いてくれたんだぞ? こんなの驚かずにはいられない。


「そか、疲れたなら仕方無いね。じゃぁ、1人で歩こっと」

「悪いな」

「気にしなくて良いよ。疲れてるのは分かってるからさ」


にっ、と笑うラキュ。

おぉ……察してくれるか、すっごく有り難い。


「でさ、1つ聞きたいんだけど……」

「さっきの事なら説明したぞ?」


まさか、もう一度説明しろと? 勘弁してくれ……と言うか分かったんじゃないのか?


「いや、そこじゃなくてね……気になったんだよ。僕と別れた時、シルク君達は何してたのかなぁってね」

「あ、なんだ……そこか」

「うん、そこだよ」


なるほどな、気になったのか……隠す事も無いから言おうか。


「クータンの家に行って、そこら辺歩いて、クータンの家に行って今に至る……ってとこだな」

「行ったり来たりしてるじゃん、なにやってんのさ」


うん、本当にそれな。

行ったり来たりを繰り返してたな、今思えば謎の移動だ。


「まぁ、色々あったのは分かるよ。で、姉上は? ヴァーム達もいないようだけど?」

「あぁ、ヴァームなら倒れた」

「えぇ!?」


あ、驚いたな。

そりゃそうか、さらっとそんな事言えば驚くか。


「なんで倒れたのさ」

「過労で倒れたんだ。クータンの家でお菓子を摘まんだと同時にバタンと倒れたんだ」

「なるほど……過労ね」


はぁ……と、ため息ついた後「倒れる位なら休めば良かったのに」と呟いた。

うん、まさしくその台詞を本人に言ってやりたい。


「シズハさんとラムはヴァームを城に運んだんだ、居ない理由はそれだな」

「ふぅん。で、姉上は? 一番くっついてそうなのに居ないんだけど」


あぁロアか、ロアは。


「色々あってクータンに説教されてるよ」

「…………」


俺が話終わった時、ラキュは「え、嘘でしょ?」と言わんばかりの顔をした、嘘じゃない、本当だ。


「まぁ、何があったのか敢えて聞かないよ」

「そっそか」


くふふふ、と苦笑いするラキュ。

そして、こほんっと咳払いする。


「取り合えず様子見てくるよ」

「もう行くのか?」

「うん、色々と心配なんだよね……」


何故かは知らないが、黄昏た目をするラキュ。

俺とアヤネにそう言った後、彼はクータンの家に歩いていった。


「行っちゃったね」


ラキュが遠くに行った時、アヤネが不意に喋ってきた。


「そうだな」

「2人きりだね」

「そうだな」

「ふふふ……」


嬉しそうに微笑むアヤネ、何が嬉しいのか分からないが……笑う事は良い事だ。


「シルク」

「ん?」

「暫くこうしてるの?」


んー……まぁ、そうだな。

疲れが大分とれたら歩くつもりではあるが……そうとう長い時間座るだろうな。


「俺はそのつもりだが……アヤネは?」

「シルクがそうするなら、私もこうしてるよ」

「それだとつまらないぞ?」

「へいき」


へいき……か、だったら良いんだが。

って、うぉ……なっなんか寄り添って来たぞ?

肩と肩とが当たってる……それだけなのにドキドキしてくる。


「じゃ、きゅうけいかいしぃ」


そんな、ドキドキな気持ちの中、そんな事を言い出した。

きゅっ休憩タイム……そうは言うけど、これだと気持ち的な面でゆっくり出来ないんだが……。


まっまぁ、そこの所は「少し離れてくれないか?」とか言って離れてもらおう。


なんて思いながら、俺とアヤネは暫く雑談したり景色を見たりしながら座っていた。

前半言い訳タイム、後半ほっこり……て感じに書いてみました。

自己満足してます。


今回も読んで頂きありがとうございました。

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