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どうやら魔王は俺と結婚したいらしい  作者: わいず
チョコより甘い告白を……
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アヤネに引っ張られて数分後、一件目に辿り着いた。

確か一件目は、なんだったかな? んー……あ、思い出した、洋菓子店だ。

確かそうだったと思う。


「「トリックorトリートぉぉ」」

「ふふふ、元気ねぇ……はい、どうぞ」


元気良く、ハロウィンでお馴染みのあの言葉を全員で口にする。

そしたら洋菓子店のおばさんは、にっこり笑って1人にひとつクッキーを渡してくる。


「ありがとう」

「ありがと、美味しそう……」

「「いえぇい」」


口々に感謝する。

普通に頭を下げて感謝する俺、友達3人は普段のおちゃらけた感じは捨てて素直に感謝した。

で、アヤネは感謝した直後、よだれを足らした……ばっちぃなぁ。


「じゃぁ、遅いから気を付けるんだよ?」

「はい」

「はぁい」


そんな感じで、一件目のお宅訪問は終了。

てくてくてく、と数歩歩いた所で友達の1人がさっそくお菓子をぱくり。


「うまっ、これうまっ! まじやべぇ」


それを皮切りに後の二人がぱくり……。


「ほんとだ、うめぇぇ!」

「まじやべぇ、旨いわぁ。ほんと旨いわぁ」


見事に内容が無い食レポ、まぁ子供だから仕方ない。


「おい、帰ってから食べろよ。行儀悪いな」

「いやでもよぉ、落としたら勿体無いだろぉ?」

「「そうだそうだ」」


ごくんっ、とクッキーを飲み込んだ後、これでもかと文句言ってくる。


「……」


じとぉっと無言で睨んでやるが、「睨んでも怖くねぇよ」と半笑いで言ってくる。

イラッとしたが、それを押さえ込む。

こう言う奴って、何言っても聞かないんだよなぁ。


「シルク、食べないんなら私が食べるよ」


早々にクッキーを食べたアヤネが、ゆっくりと俺のクッキーに手を伸ばすが、ひょいっと上にあげる。


「いや、後で食べるから」

「今食べないの?」

「家に帰ってから食べるよ」


えぇ……と呟くアヤネ。

なんか睨まれてる……理由は分からないが何か責められてる気がする。

と言うか、この時の俺……物凄く堅い奴だなぁ、堅い事言わず今食べれば良いのに。


「今食べないと、運んでる内にボロボロになっちゃうよ。クッキーは固くないよ? 直ぐボロボロになるよ、ボロボロになったら食べ辛いよ」


やたらボロボロを連呼する。

言ってる事は正しいんだが、考えを変えない。

それに痺れを切らしたのかぴょんっと跳び跳ね、ひょいっと俺のクッキーを奪い取る。


「あ、こら! ……っ、むぐぐっ!」


口を開けて怒った。

そしたら、強引にクッキーを捩じ込まれた……一瞬息が止まった。


で、無理矢理入れられたから食べるしか無くなった。

だから、口をむぐむぐさせクッキーを噛む。


……美味しい、そう呟いた覚えがある。

あの時食べたクッキーは美味しかった、優しい甘さだったなぁ。


「どう、美味しい?」

「……美味しい」


路上で食べてしまった事を悔いながら言った台詞。

そしたら友達3人は「食べるなって言ったのに食べたぁ」などと言ってくる。

その瞬間、アヤネが睨みをきかせつつ「うるさい」と一言、3人は震えて黙ってしまった。


「じゃ、次行こ。あ……私とシルクは2人で行くから、3人は勝手にしてね。じゃぁ」

「はぁっ、なに言ってる……うぉっ、おまっ! だからっ! ひっぱるっなぁあぁぁぁっ!!」


アヤネの突然の言葉に口をポカァンとあける3人、それを構わず進んでいく。

相も変わらず勝手な事を言う奴め……。

まぁた引っ張りやがった、ここは、足で止めてやろうと思ったが、ずざざざざぁ……て引きずられる。

止められない止まらない。

このまま、ぎゃぁぎゃぁ叫びながら連れられていった。



と、言うわけでここから2人で行く事になる。

で、確かこの少し後、忘れられない事が起きたよな……。


その事を思い出したら、一気に顔が紅くなった。

今のアヤネに「どうしたの?」と聞かれたが「何でもない」と答えておいた。

良かった、誤魔化す事には成功したみたいだ。


安堵した俺は、アヤネに気付かれないように深く悩む。

8歳の時の俺、あの時は相当焦ったよな……と言うか、あれは誰もが焦る出来事だ。

幼い俺、あの時あんな事されてなんて言ったんだろ?


こっここまで思い出したんだ、じっくり考えながら思い返してみるのも……あっありかもしれない。

と言うか純粋に気になる、俺……あの時、何をしてどんな行動をとったのか。


妙な事をしてなければ良いが……と俺は恐れ半分で思い返していった。

見たいアニメが増え続ける今日この頃、そのせいで撮り貯めたアニメが増えていくのである。

空いてる時間に見なければ、と思った今日この頃。


今回も読んで頂きありがとうございました。

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