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どうやら魔王は俺と結婚したいらしい  作者: わいず
トリックオアトリート 皆は魔物に仮装する
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「シルクの身体を筆で弄ると聞いてすっ飛んで来たぞ!」

「私も、汚れて良い服に着替えて来たよ」


はい、ヤバイ事になった。

ヴァームが部屋に入って数10病後、ロアとアヤネが飛んで出てきた。

しかも下着姿でだ、その瞬間「うぎゃぁぁっ!」って叫んでしまったよ。


そりゃ、下着姿の女が突然飛び出てくれば叫びもする。

俺は直ぐ様目を手で覆ったよ。


と、そんな事があり、俺は今ヴァームに羽交い締めにされている。

どうしてこうなったかは自分でも分からない、目を覆った瞬間こうなってたから知りようがないんだ。


と、そんなちょっと前の事を思い出してる場合じゃなかった。


「なんでこうなった?」


取り合えず、羽交い締めしてるヴァームに聞いてみた。

ロアとアヤネが筆を構えてにやにやしてるこの状況を知りたい。


「あ、やはり気になりますか?」

「当たり前だ」


気にならない奴なんていないだろう。


「仕方ありませんね……では説明いたします」

「あぁ、そうしてくれると助かる」


仕方無いですねぇ……と呟いてヴァームは話を始める。


「私は助っ人を呼ぶためにスタッフルームに入りました」

「あぁ、そこは見たから分かる」


分からないのはその次だ、そこから何があって、今も尚ロアとアヤネがにやけながら俺にブラシをちらつかせてるのかが分からないんだ。


「そこでですね、こう言ったんです」

「なんて言ったんだ?」


恐る恐る聞いて見る。


「シルク様を筆で弄れると言ったんです」


そしたら優しく耳に呟いてきた。


その瞬間ぞわっとした……一気に鳥肌がたった。

やめてくれよ、耳は弱いんだよ。

しかも耳元で言う必要はあったか? 言うならそのまま言ってくれれば……って、ちょっと待て、それよりもぶっ飛んだ事言ってたぞ!


ばっ! と振り返ってみると妖しく笑うヴァームがいた。


「お分かりになられましたか?」

「分かるかけないだろ?」

「あら、分かりませんか……つまりですね、お二人はシルク様をブラシで弄る為に此処に来たんです。下着姿なのは汚れても良い様にですよ?」

「きちんと説明しただろうが、さっぱり分からないぞ! 笑顔で誤魔化すな!」


叫んで抗議するが、全く動じないヴァーム。

徹夜で衰弱してるってのに凄い精神力だ、それと羽交い締めの力もそうだ。

とても弱ってるとは思えない、執念の力って恐い……。


「のぅ、もういいかの? わらわは早くやりたいのじゃが……」

「私もする」


っ! しまった、ヴァームに気をとられ過ぎた! 目の前にいる2人を疎かにしてた!

さっきよりも距離を詰めてきてるぞ!


「ではロア様、アヤネさん、始めましょうか。ムラ無く塗って下さいね」


おい、なんて事を楽しそうに言うんだ! そんなアドバイスをするんじゃない!


「うむっ、了解じゃ!」

「わかった」

「いや、分かるなよ!」


ヴァームの言葉に気合いが入ったのか、ふんすっと鼻息を出す。

俺の突っ込みもスルーときた、もうロアとアヤネはどうにも止まらない!


まずい、これは不味い……。

このままじゃ、ボディペイントとかこつけて、くすぐりプレイが始まってしまう。


ん? なぜ分かるのかって? これまでの経験で大体そうなる事が予想がつくからだよ!

こんな予想なんてしたくなかったけどな……。


「待て2人共、そんな事やっても何も楽しくないぞ!」


慌てて説得する。

ブラシで人を擽っても何の特もないからな、間違った事は言ってない、だから……止めろぉぉぉぉぉっ!!


と言う想いを強く込めて必死の形相で言ってみる。


するとロアとアヤネが顔を見合わせた。

お? もしかして分かってくれたか? と安心したのも束の間……2人はにやりと笑った。


「それはやってみんと分からんじゃろう」

「塗るの楽しみだから止めないよ」


そう言って、ペンキをたっぷり着けた後ブラシを、ぺたりっ……と触れさせた。


ヒヤッとした、そして擽られたぞわぞわした感触が全身を貫いた。


「ひゃぅっ……」


その性か、変な声が出てしまった。

なんだよ、ひゃぅって、女子か!


「おっおぉ……これはまた、気を抜いたら鼻血が出そうなリアクションをしたのぅ」

「興奮した……。もっとやろ」

「わらわもじゃ!」

「っ! くっ……ひゃぁぁぁっ」


さわっさわさわっ……。

ブラシで胸を優しく撫でられた。

くっ、やばい……本当に身体がぞくぞくする。

悲鳴あげてるのに止めようとしないなんて……鬼か!


ひゅぅぅ……ひゅぅぅっと肩で息をする俺、ロアとアヤネはそれ見て、唾をごくりと飲んだ。


「わらわは、次は脇を攻めようかのぅ」

「たったら私は足の裏にしよ」

「え? なに言って、やめっ……あっ、あぁぁぁぁっ!」


かっ身体が熱い、くぅぅ……涙だしてるか知らないが、眼がぼやけるぅぅ。

あぁぁっ、ほんっと……くっ擽られるのは……だっダメだ、たっ耐えられ……な……いぃぃ。


「ふふふ、身体をよじって声を出すの我慢してますねぇ。あぁぁ、そそる……そそります」


じゅるり……。

ヴァームから異様な気を感じる、それに舐めるように見られてる感じがする。


そう……だった、前の二人もそうだが、うっ後ろにも……危険人物がいたんだった。


「ふぅ……ふぅ……くっ、くそ……」


キッ、とロアとアヤネを睨んでやる。

おっ覚えてろよ? こんな羞恥を与えた恨みは……かっ必ず晴らしてやるからな!


「もっと優しく撫でてあげてください! そうされるとシルク様の反応が……うへへへへへ」


くそ、このコスプレ狂の悪魔め……容赦なしか!

と言うか、ついに擽りプレイって言ったな? もうコスプレじゃないって事認めた様なもんじゃないか!


そんな俺の心の叫びも届かず、俺は恥ずかしい悲鳴をあげ続けたのであった。

擽られて変な声出ますよね。

実は、擽られるの苦手だったりします、だから後ろに誰か立つと変に警戒してしまうんですよね……。


以上、そんがどうした! と思われる話でした。


今回も読んで頂きありがとうございました。

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