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どうやら魔王は俺と結婚したいらしい  作者: わいず
襲撃のヴァハムート あの日の事を彼女は悔やむ
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「…………あのさ」

「なんだ?」

「急になにしてるのかな」

「なにって、土下座してるんだよ。人間界で言う最上級の謝罪の仕方だ」

「それは分かったけどさ……会った瞬間にするのはどうなの?」


俺は走った、城中を走った……だがラキュは見付からなかった。

もしかして、外にいるんじゃないか? と思い玄関に行き扉を開けたら……ラキュがいた。


お互い驚いた、そりゃそうだ……急に現れればそうなる。

で、俺は直ぐに冷静になり素早く土下座の体制になってる。


……と言うのが今の状況だ。

ここは玄関だが関係ない、突然こんな事されてラキュは困ってるだろう。

だが俺はやらないといけない、相手が困ろうが関係無い。


「それにさ、謝罪っていった? シルク君、僕に何かしたの? これと言って何もされた覚えはないけど?」

「したんだよ……とんでもない事をな!」


ガッ!


「え? ちょっ……なに? なんで脚にしがみついてくるのさ!」

「謝っても許してくれないだろう……だが、」

「えっえと……とっ取り合えず離れない? この状況、誰かに見られるとさ……不味いからさ」


苦笑いしながらコリコリ頬をかくラキュ。

そう言われて冷静になり、俺は再び土下座の体制をとった。

誰かに見られたら不味い? その時は「今謝罪してるんだ! 見るんじゃない!」と言ってやるから心配するな。


「……あのさ、頭上げてって言ったよね? それに、そろそろなんで謝ってるか言ってくれない? 意味分からないだけど」


っ!

そうだった、謝罪の事で頭がいっぱいで忘れていた。

よし、まずはそれを言おう。


「じっ実は……」

「あ、その前に、その体制止めてから話してよ。そろそろ見てて不憫に思うからさ」


正直言えばずっと土下座してたい気分だが、そう言われたら言う通りにするしかない。

なので、俺はゆっくりと立ち上がり服を払う。


そして、ラキュの方を向いて今起きている危機的状況を告げる為に口を開いた。


「やっと追い付いた。もう、女の子置いて先に行ったらダメ……あ、シルクだ。やっほー」


と思ったら後ろからアヤネがやってきた。

手を振ってくるので俺も振りかえす。


「……どしたの? なんか、変な雰囲気を感じる」

「あぁ、そうなんだよ。シルク君急に謝ったんだよ」

「へぇ、変なの」


……さらっと変なのって言うのは止めてくれるか? 心が傷ついたぞ。


傷心してると、とてててっとアヤネが俺に近づいてくる、そして首を傾げて……。


「らっ君に何かしたの?」

「……あぁ」


そう俺が返事すると、アヤネは優しく笑って俺の頭をポンポン叩いてくる。


「そう、だったらきちんと謝らなきゃダメ」

「今からするつもりだ」

「そうなんだ、シルクは偉いね。じゃっ、私は行くね」


そうした後、アヤネは城に入って何処かへ行ってしまった。

残された俺とラキュ……お互い向き合って暫く黙った後、ラキュが。


「取り合えず、話は僕の部屋で聞くよ」

「あぁ」


そう言って棺桶を召喚する。

ガチャッ……と棺桶を開けて「お先にどうぞ」と言ってくる。

なので俺はその棺桶に入る。


ぐにゃ……。

世界が歪む、久し振りに感じたこの感覚……やっぱり慣れないな。

そして、久し振りにラキュの部屋に来た訳だが……。


やはり此処にもまだ慣れないな。

トマト愛を感じるコーディネート、此処に来ると変な気分になる。


「……ほいっと、さてシルク君、話しを聞こうか。取り合えずそこのソファーに掛けてよ」

「あぁ……」


そんな気分は一旦忘れて続けてやって来たラキュに言われるがまま、俺は近くにあったソファーに座る。


そしたらラキュもソファーに座る。

そして、ごくっ……と唾を飲み込んだ後、俺は緊張と申し訳なさに襲われながら今さっきの事、そして俺がやらかした事を話していく……。

開幕土下座……現実でされるとビビる。

まぁ、そんな事は早々ないけどね……。

次回、シルク 自分の犯した罪を告白します。


今回も読んで頂きありがとうございました!

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