表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
どうやら魔王は俺と結婚したいらしい  作者: わいず
らしくない自分、過去の言葉……。
288/517

288

すいません、おそくなりました。

クゥォォケッコッコォォォォっ!!!


……煩い、これは近所で放し飼いにされてるコカトリスの声だ。

今日も今日とてけたたましく鳴いてるね……あぁうるさ。

朝日が昇る頃必ず鳴くから良い目覚まし時計だよ。


因みに、コカトリスって言うのは身体が鶏、尻尾が蛇になってる魔界の家畜の事だよ。


「……朝、か」


うっるさいコカトリスの性で目が覚めた僕は眠たい目を擦りながら、むくりとベットから起き上がる。


「なん……とか、下着までは……死守出来たよ」


眠たいけど、自分の身の安全を確認する。

そう、あの日あの夜……嫌な事があった。

それはもう……暴挙と言って良いくらいの行動、だけど今回(・・)はパンツは死守出来た、キチンと男物だ。


女物じゃない、良くやった昨日の僕……だけど、白熊着ぐるみパジャマに着替えさせられなければ完璧だったよ。


「……よっと」


ベットから降りて立ち上がり、ググゥッと背伸びする。

シャァァッ……と部屋のカーテンを捲ると部屋が朝日に照らされる。


良い朝だね、このパジャマを着ていなければの話だけどね……。

くっそ、着心地が良いのが余計に腹立つなぁ。


「さっさと着替えよ……」


ちっ、軽く舌打ちした後クローデットに近付いて服を探す。

といっても、着るのはいつもの服なんだけどね……あ、同じ服を何着も持ってるからばっちくないよ。


魔族って極一部を覗いて衣服に関しては関心が無いからね……大体が同じ服を着回してるんだよ。

まっ、極一部を覗いてだけど……。


まぁそんな事は置いといて脱ごう、そう思って、しゅるしゅるっと服を脱いだ。


バタァァンッ!!


「っ!?」


その瞬間、扉が勢い良く開いた。

びくっ! と驚いた僕は目を丸くしてその方向を見る。


そしたら奴がいた……朝から僕にストレスを与える者が……。


「おはようございますラキュ様、お着替えなら私も手伝いますよ?」


その名もヴァーム、この城のメイドで姉上の従者だね。

彼女は毎朝ここにやってくる、そして僕を着せ替え人形の様に扱う厄介な魔物。

つまり今まさに始まったのだ……朝の地獄の時間がね。


「ヴァーム……朝くらいは静かにしてほしいんだけど?」

「あら、私はいつも静かですよ?」


お互い睨み合う、あっ……取り合えず脱ぎかけた服は一旦着直そう。


「あぁ、折角お腹が見えていましたのにしまってしまうのですか?」

「当たり前だよ……何言ってんのさ」


うふふふ、と笑うヴァームにチッと舌打ちをしてやった。

そしたらゆっくりと近付いて来た、なにさ……なんで近付いて来るのさ。


「なに?」

「うふふふ、身構えなくても大丈夫ですよ。今は用があったので脱がしません、今はですが……」

「そっそう……」


後半、おっそろしい事言ってたけど……僕に用事? ヴァームが? 何の用事だろう……思い付くのはコスプレパーティとか新作衣装の試着とかだけど……用ってそれなの?


それだとしたら思いっきり断った後逃げてやる。

もちろん、ただ逃げるだけじゃ直ぐ捕まるから魔法の1つや2つをぶつけてやろう。


「そんな恐ろしい顔で私を見ないでくれますか?」

「日頃の行いでそうさせてるんだよ……。それが無かったらこんな顔しないよ」


そんな僕の言葉を笑顔でスルーして、ヴァームは胸元に手を入れて……手紙を取り出した。

なんて所に入れてるんだ……と言う突っ込みは今はよそう。

だって、今精神的にキツいんだもん。


「はい、お手紙が届いてましたよ」

「……えらく不吉そうな手紙だね」


ヴァームが手紙を渡してくるから受けとる。

……うん、僕がさっきいったように不吉さがむんむん出てる。

普通、手紙を出すときって黒を選ぶかなぁ?


だってこの手紙……封筒が真っ黒だもん。

で、白く掠れた字で『ラキュ様へ』と書かれてる。

それ以外はかかれていない……誰からかな?

気になりつつ封筒をピリッと破って開けてみる。


うぉっ……中の紙まで真っ黒だ。

これ、本当に不吉系な手紙じゃない? まぁ……それは読んでみれば分かるよね。

正直怖いけど読んでみよう。


『突然手紙を送ってすみません……あたいは地味で恥ずかしがり屋でコミュニケーションが皆無なんです。

だから許してください……。


さて、謝罪もすんだので本題に入ります。

恩を返したりないと思ったので来て下さい、お願いします。


あたい待ってます、ラキュ様が来るまでずぅっと待ってます、お茶菓子を作り続けて待ってます。

これ、本気ですよからね?……だから来てください、待ってます。 クータンより』


……えぇぇ、なにこれぇ。

読んでてぶるっと来た。

手紙を送ってきたのはクータン、それは分かった。


で……恩を返したりない? いやいや、充分だよ! あれ以上はいらないよ!

それに、お菓子を作って待ってるって書いてたよね? 昨日沢山食べたよ!


……ちょっと待って、手紙には『お菓子を作り続けて待ってます』って書いてたよね。

まっまさか……いや、そんな事はないよね?


手紙を書いて出し終わってからずぅぅっと作り続けてるなんて事は流石に…………ないと信じたいけど、あの娘ならやってそうだ。


今僕がこうやって考えてる時もずっと……。

そうだとしたら直ぐに行かないと色々不味い、くっ……こんなの絶対に行かないとダメじゃないか!


「ごめんヴァーム、朝食はいらないって脳筋に言っといて!」

「え? あっ、おっお待ち下さいラキュ様!」


引き留めようとするヴァームを交わし、手紙を投げ捨て僕は駆け出した。

……まさか朝から走る事になるなんてね、まぁそうも言ってられない。


今行かないとダメだと僕の勘がいっている……これはあれだね、彼女には色々教えておかないといけないようだね……。

またまた予約投稿し忘れました。

申し訳ないです。


今回も読んで頂きありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ