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どうやら魔王は俺と結婚したいらしい  作者: わいず
らしくない自分、過去の言葉……。
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世界一変な魔物にあってしまった、その娘を見て僕は呆然と立ち尽くす。


どうやらその娘は、まだ僕に気がついていない。

座り込んでカタカタ震えてる、そして小声で自分を貶める事をぼそぼそ言い続けてる。


えぇと、どうしよ……このまま放っておいて行ってしまおうかな?

言っちゃぁ悪いけど、この魔物……物凄く根暗だ。

どうやったらここまでネガティブになれるか不思議なくらいだ。

どこまで自分に自信がないんだか……。


でもまぁ、こんなの目に写っちゃったらとっても気になってしまう。

だから、止せば良いのに僕は話し掛ける事にした、だって心配になったんだもの。


「ねぇ、どうかしたの?」


そしたらだ、その娘はびくんっと身体が震えた後立ち上がりそのまま停止する。


「えと……さっきここでチラチラ顔を出してたよね?」


頬をカリカリかきながら聞いてみる。

でもその娘は僕に背を向けたまま黙ったまま……。


暫く待ってみても返事なし、取り合えず「おーい」と言ってみるも返答なし、喋る気配は全く無い。


えぇと……もしかして無視されてる? なんにも喋ってくれないね。

城の人達や通りの人達なら直ぐに返事してくれるんだけどね。


だけどこの娘にはその気配が無い。

これはあれだ、無視されてるとしか思えない、いや……そう考えるのは早すぎると思うんだけど、そう考えるしかない。


そう考えてしまうとすっごく傷付く。

僕だって無視されると辛いんだよ?


「あっあの……ちょっと良い?」


困ってしまった僕はその娘に近付いて、もう一度話し掛けてみる。

取り合えずこの娘の正面にいって話そう、まだはっきりと顔を見てないからね。


という訳で回り込んでみる……だが、ささっ! と身体を動かして顔を見せない。

え? と思いつつもう一度回り込んでみる、だけも身体を動かして顔を見せようとしない。


あぁ……んー、これ嫌われてるのかな? 僕君に何もしてないだけどねぇ。

くふふふ……あぁ、今すっごい傷ついたよ。


うん、決めた……ここは関わらず行こう。

別に傷付いたからじゃない、別に話さないんだったら無理に返事を聞く必要は無いかな? と思っただけだよ。


と、そう思った時……ある事に気がついてしまった。


かくかくかく……。

この娘、小刻みに震えてる、横がちらりと見えたんだけど……それを見てみると、頬の辺りが紅い、そして汗をかいてる様に見える。

それに唇を噛んで、じぃっと下を向いている。


あぁ……なるほどね、この仕草で大体分かった。

僕はこの仕草がどう言う心境でやっているのか分かる、城で脳筋ヘタレ鬼がこの娘と同じ様になってる事あるから分かる。


……この娘は今、とても緊張してる。

顔を合わせられない程に緊張してるんだ、つまり今この娘は……恥ずかしがってるんだ。


だとしたらやる事は1つ、無理に顔を見ようとしない。

という事で、このまま通り過ぎよう。


スタスタスタ……。

あの娘を通り過ぎる、少し気になって、ちらりと後ろを見て見ると、あの娘はダァァッと走っていた。


あぁ、もう限界だったみたいだね。

その行動に、くふふふ……と笑った後そのまま前を向いて歩いていく。


「ほんと、魔物にも色々いるんだね……」


恥ずかしがり屋で緊張しい、そう言うのはあの脳筋だけだと思ったけど……他にいたね。

まぁ当たり前か、僕が知らないだけで色んな魔物がいるからね。


コスプレを強要して来る魔物、ドMな魔物、ナルシストな魔物、筋肉大好きな魔物……そしてマイペースで頑張り屋な姉上。


って、染々となに考えてんだか……こんな事考えても仕方無いのに。


そんな事は置いておいて、散歩を楽しもう。

もう少しこの辺りを歩いたら他の所を歩こうか。

そうして僕は、この雰囲気の良い裏通りを歩いてく。


……この時、何故かは知らないけど裏通りで会ったあの娘の事が気になった。

顔はハッキリ見てないんだけど……とっても気になる。


あぁ分かった、顔を見れてないから気になるんだろうね。

どんな顔をしてるんだろう? って言う気持ちから来てるんだろう。


……それが分かったら余計気になってきた。

あぁ気になる、すっごく気になる、もどかしいなぁ。


「……分からない事を気になっても仕方無いか」


まぁまた会えるかも知れないしね。

……その時、顔を見れるか分からないけどね。

あの娘恥ずかしがり屋ぽかったし、また背を向けるかもね……。


その時は、もう気にしない事にしよう。

別に、どうしても見たいって訳じゃないからね。

すいません、また投稿が遅くなりました。


今回も読んで頂きありがとうございました。

次はきちんと予約投稿忘れないようにします。

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