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どうやら魔王は俺と結婚したいらしい  作者: わいず
不思議な事は続けて起きる。
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ちゅんっ……ちゅんっちゅんっ。


小鳥がさえずってる、その声が聞こえ、もどもどと顔を動かしながらベランダの方を見てみる。


カーテンの隙間から光が差し込んでいる。

それを開けたら、きっと清々しい朝の景色が広がってるんだろうな……これで安眠できていたら、もっと清々しいと思ってただろうな。


「うぅ、あぁぁ……眠い」


ふぁぁっ、と大きな欠伸をしてしまう。

いつの間にか朝になってたみたいだ、俺は昨夜色々あって眠れなかった……別に恐くて眠れなかったとかそう言うのじゃない。

昨夜は……その……あれだ、色々と寝辛かった、だから寝れなかったんだ。


あ、そうだ……昨日ロアが隣に居なかったんだが、いつの間にか隣にいた。

それに気がついたのは今さっきだがな。


「いつの間にか、抱きついて来てる……な」


くっ、相も変わらず抱きつくのは変わらない。

強引に押してみても、ロアはびくともしない、安らかな顔で寝息をたてている。


……今日は、このままでも良いかな。

だって、今俺は凄く眠たい。

何時もなら引き剥がそうと頑張ってる所だが……今日はそれはしなくて良い。

と言うかする気が起きない、だって眠いもの。


「……」


多少の恥ずかしさはあるが、寝てしまおう。

という訳でおやすみなさい……ぐぅぅ。



「んっ……んんっ、ふっあぁぁ……眠い……のじゃ」


わらわは眠い目を擦りながら身体をもどもどと動かす。

うぅ……眠い、凄く眠い。


今、目が覚めてしまったが……まだ眠気がある。

わらわの朝は何時もこんな感じ、眠さに負けて二度寝してしまう。


今日も眠気には勝てん、と言う事で二度寝するかの……と思ったが、目の前の光景を見て驚いてしまう。


「おぅっ、しっシルク……」


シルクじゃ、シルクがおる。

そう言えば、わらわは寝る時にシルクを抱いて寝てた気がする。

あぁ……つまり、そのままの状態で朝を迎えてしまったと言う事じゃな。


驚きはしたが、眠気は吹き飛ばない。

それよりも、気持ちがドキドキしてきおった……わらわが抱き付いたにせよ、こっこれは恥ずかしくはある。


毎日こんな感じで朝を迎えてはいるが……うむ、やはり筈かしい。

だからと言って、シルクを抱き締めるのはやめんがな、それとこれとは話は別じゃ。


「……ふむ、やはりシルクは……可愛いのぅ」


と、ここで目の前にいるシルクをじっくり見てみる。

可愛い寝顔じゃ、すぅ……すぅ……と可愛らしい寝息をたておって……くっ、いかんっ、可愛すぎて良からぬ気持ちが沸き上がってくるのじゃ。


「普段はつんっとした顔じゃが、今はどうじゃ、優しい顔ではないか。あぁ……たぎるっ、この顔を見ているとたぎってしまう!」


いや、もうたぎってるのじゃ!

だって、眠気が吹き飛んでおるもの。

くふふふ……こうなったらやる事は1つじゃな、このまま抱き締めたまま過ごすのじゃ。


という訳で……ぎゅぅぅっと抱き締めるのじゃ。

シルクが起きん程度に軽くの……むっはぁぁっ、良い匂いじゃのぅぅ、さいっこうじゃぁぁっ。


すんすんっすんっすすんっ、と言う感じに嗅ぐ、犬か! って言われる位嗅ぐ。


こっこれど男の娘の香り……シルクの香り!

あ、今のわらわ変態っぽいの。

少しだけ自重するかの……匂いを嗅ぐのは少しだけにしておくのじゃ。


これで起きてしまっては至福の時間が終わってしまうからのぅ。


と、その時じゃ……わらわはとある事に気がついた。


シルクは朝は早く起きる人じゃ、毎回起きて直ぐに可愛く騒ぐからのぅ……それがわらわの朝の日課みたいなものじゃ。


しかし、しかしじゃ! 今日はそれがない。

こうやって、シルクを抱き締めると言う幸せな時間を過ごしておる。


「…………まぁ、それはどうでも()いか」


幸せなのは変わり無いからのぅ、何も文句は無いのじゃ、という訳で暫くはこのままでいるかの。


「くふふぅ、幸せなじゃのぅ……」


という訳で、わらわはこのままでいる事にした。

多分、ヴァームがこの部屋に来るじゃろう……じゃが、それまでは抱き付いていよう。


シルクよ、そう言う訳じゃから起きるでないぞ? 出来れば長く抱き付いていたいからの。



この後、暫くしてシルクが起きて「おわぁぁぁっ!?」と驚いた。

くふふふ、いつもの朝の光景が見れたのぅ、わらわはそれを見て微笑んだのであった。

はい、いつも通りの朝になりました。


今回も読んで頂きありがとうございました。

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