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どうやら魔王は俺と結婚したいらしい  作者: わいず
魔王の配下2 ドMスライムとの日常
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「本当に琥珀色に光ってるな……」

「そうですの!」


ベッコベコーを探し初めて10分位だろうか? 無事見付ける事に成功した。


「何故、光ってるんだ?」

「それはわかりませんの」


わっ分からないのか、だがそんな事はどうでも良いか。

この探してる間の10分間の中で色々あった、主にラムがロアの愛を語りだしたり、急に「ドMパワーが枯渇しましたの!シルクさんっ打ってくださいましっ」って言って来たりした、まぁ要するに散々な10分間だったと言う事だ、そんなこんなで俺とラムはその鉱石を発見したと言う訳だ。


「はぁ…疲れた」

「あら大丈夫ですか? 心配ですの……」


そう思うのなら黙っていてくれ、俺は鉱石を見ながら思う。

しかしこの鉱石……変な形をしている、その鉱石はウニを琥珀色に塗った様な形をして林檎程度の大きさをしている、それが、ぴかっーーと琥珀色に光って洞窟の壁に1つだけ突き刺さる様に存在していた、妙な光景だった、あと何で光ってるんだろうな? 因みにその光の強さはランタンが必要無い位だ、だから今ランタンはしまっている。


「朝だと石や岩と同化してしまって見つけられないんですの」

「さっき言ってたな、夜にだけ光るって」


やれやれ、見付け辛い物かと思ったが簡単に見つかったな、少し安心した……このまま見付からなかったら「見付かるまで此処で野宿ですの!」とラムが言いそうだった……いや、あいつなら絶対に言う! でもそうはならなかった……一安心だ。


「では、これを採掘しますの!」

「その前に…1つ聞いて…良いか?」

「別に良いですわよ…あら? 息切れてますわよ? 興奮する要素がありましたの?」

「お前と……一緒に……するな! 少し疲れた……だけだ」

「そうでしたの? てっきり興奮なさってるかと思いましたわ」


おほほほっとお上品に笑うラム、全く変な事を言う奴だ、まぁこんな奴だと分かってはいるんだがな……しかしラムの言う様に息が切れてるな、汗もさっきよりも掻いてるし寒さも増した……気になる事を聞いて早く城に帰った方が良さそうだな。


「その…ベッコベコーはどう言う…鉱石なんだ?」

「んー…人間界で言う、だいやもんど、と一緒と思ってくれれば良いですわ」

「成る程…宝石か」


雑貨屋に宝石……なんか可笑しく無いか? 宝石なら宝石店に置くべきだが……まぁ、気にしないでおこう。


「では早速掘りますのっ、あっ……掘ると言っても、あっー!的な意味の掘るでは……」

「分かってるからさっさとやれ!」

「はふんっ! 了解しましたわっご主人様!」


ご主人様じゃない! と突っ込みたいのを我慢する俺、突っ込んだら最後……ラムの大興奮が待ってるからな、興奮して身体を小刻みに揺らすラム、ベッコベコーを採掘する為にリュックからピッケルを取り出し堀始める。

あのリュック……何でも入ってそうだな、じぃーーとラムが背負うリュックを見つめる、それ降ろせば良いのに……と言うかピッケルを使うスライムって…シュールだな、そんな光景を見ていたその時だ、俺の身体に異変が起きた。


「すまん、俺……少し休んで良いか?」

「はいっ、どうぞご自由に!」


一人女性を働かせるのは問題があるが……突然身体が震え始めた、着ている……いや着替えさせられた制服が透けて肌が見えるくらい汗がぐっしょり出て来た、それと寒いっ……物凄く寒い、可笑しい……さっきまで平気だったのに……それに耐えきれ無くなって俺はその場に座り込む……。


「はぁ……はぁ……」


弱々しく息を吐く、そして俺は固い地面に横になる、息が苦しい……やばいなこれ、本格的に不味いんじゃないか? 俺はラムを見る、まだ鉱石を掘っている様だ、ここは「身体がダルい」と言った方が良いかも知れない、そう思った時だった……。


「なん……だ」


気だるくなっていく身体である異変に気付く、それは俺の直ぐ側に起きた事だった。


「……だれ…だ?」


目の前に誰かが立っていた……褐色肌の細い足、それはどこかで見覚えがあった、何か懐かしく感じる、身体がダルいが気になったので見上げてみる……だめだ、目が霞んで誰だか分からない……と言うかこれは……幻覚か?


「君は…っ!」


ぐっ……頭ががんがんしてきた、視界がボヤける……すると俺は目の前にあるそれは消えてしまった、やはりそれは幻覚だったのか? と言うか俺は幻覚を見るくらい衰弱してるんだな……こんな事生まれて初めてだ……あぁ駄目だ、今はそんな事を考えてる場合じゃないのに……ぐっ……もう意識が……途切れ……。


「やりましたのっ、やっと採れましたわ! シルクさん見てくださいま……シルクさん!?」


意識が途切れそうになった瞬間ラムが俺に気付いた様だ……手に持ってたピッケルを放って俺の元へ駆け寄って来た。


「かっ顔が真っ赤ですの……」


隣に座るラム、俺のおでこに手を当ててくる。

ぴちゃっーー小さな水の跳ねる音が鳴った、ん? 冷たいな……少し気持ちいい、ラム? 凄く焦ってる顔をしてる、俺の事心配してるのか?


「凄い熱ですの……それに身体の震えに異常な発汗……すっ直ぐに城に戻りますの!」


そう言うとラムが大きなスライム形態になって俺を取り込んだら身体をびくつかせる俺……こんな状態だから抵抗なんて出来なかった。


「息は出来るから安心してくださいましっ! この状態なら身体が休まる筈ですわ!」

「んっ……」


身体全体が冷たい……何だか眠気が……する、ラムの言う様にきちんと息が出来る……それにさっきよりも息苦しさは緩和された、不思議な身体……だな。


「着くまでゆっくり休んでいて下さいのっ」


ラムはそう言って跳ねながら洞窟の出口へと向かうら俺は眠気に耐えきれなくなり目を閉じる、そうしたら溶け込んでいく様に俺の身体から力が抜けて行く……。


「超特急で城に戻りますの! だから……死んじゃ嫌ですの!」

「…………」


いや、死にはしないと思うが…かなり心配だ……そんな事を思いながら俺は眠りにつくのであった。

皆様読んで頂きありがとうございます!

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