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どうやら魔王は俺と結婚したいらしい  作者: わいず
頼まれていない手助け
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……俺はアヤネの話を聞いた。

聞き終わった後、アヤネが本気なのが分かった。


あそこは、やはりメェ自身の問題だから止めるべきだったんだろうが……止められなかった。


俺の話も聞きたい、そんな感じの事を言ってたのにも関わらず……話に話した所でアヤネは「じゃ、今からメェちゃんに会ってくる」と言って、素早く部屋から出ていってしまった。


……騒がしい奴だな。

もう少し落ち着いて行動すればいいのに。


なんて事を思ってると……。

ガチャリーー

扉が開いた。

開けたのはロア、何やら不思議そうな顔をしながらソファの所へやって来て座る。


「シルクよ」

「なんだ?」

「アヤネが此処に来たのかえ?」

「あぁ……来たぞ」


アヤネが出ていった後、直ぐに入ってきたからな。

当然、顔を合わせているだろう。


「やはり来たのか……」


うむぅ……と唸るロア、顔を合わせた時、何かあったのか?

そう気になってると、ロアは話し出した。


「いやの、アヤネの奴がわらわの部屋の方から来たから、またシルクにちょっかいでも掛けたのかと思ってな……一言文句をいったんじゃよ」


ふんすっ、と鼻息を出すロア、そうか……文句言ったのか。


「そしたらの? 何も言い返さずに、やる気に満ち溢れた顔で通り過ぎて行ったのじゃよ」

「ほぉ……そうなのか」


やる気に満ち溢れてるのは、俺に話した事だろうな。

それでやる気が一杯なんだろう……正直言えば、不安で一杯だ。

近い内にまた騒がしくなるんだろうな……。


「シルクよ、アヤネは何を話しておった?」

「ん? えと、それは……」


あぁ、やはり聞いてきたか。

そりゃ、聞いてくるよな……仮に逆の立場だったら、俺も聞く。


コリコリと頬を掻いて考える。

ふむ……どうしよう、言おうか? 別に言っても問題ないだろう。

よしっ、言うか。


「えと、簡潔に話すとだな……」


という訳で、アヤネとの会話を話した。

ロアは相づちしながら、それを聞いていく……そして。


「なっなにぃぃっ、メェに告白させるじゃとっ!」


驚いた。

うん、俺と同じ反応をしたな……。


「あっアヤネの奴、余計な事を……」

「俺も止めるべきだと思ったんだが……止める前に出ていったよ」


思った事は直ぐに口にするし、行動に移す奴だからな……。

止めたとしても、絶対に止めなかっただろう。


「……いや、もしかしたらアヤネのやった事は正しいのかも知れん」


なんて事を考えて苦笑してたら、ロアがそんな事を言ってきた。

アヤネのやった事が正しい事? 明らかに余計なお世話に思えるんだが……一体どういう事だ?


「詳しく話してくれるか?」

「うむ、詳しく話すとだな……」


ロアは、人差し指を立てて説明していく。


「メェと鬼騎が両思いなのは知っとるよな?」

「あぁ、知ってる」

「メェと鬼騎は昔からの付き合いがあって、度々顔を合わせて、一緒にいる時間も多いのじゃよ」


ほぉ、なるほど……。

それを聞けば、もう好きなら告白すれば良いと思うな。


「なのにも関わらず、あの2人と来たら告白しないのじゃよ。見ていて、はよ告白せんか! って何度思った事か……」


はぁ……。

深いため息をつくロア、色々と思うところがあるらしい。

そっそうか……きっとお互い恥ずかしがってしないんだろうな。


特に鬼騎の場合……絶対にしないだろうな。

メェの前に立つと可笑しくなって、変な口調になる。

そうなったら、告白なんて出来ない。


……ロアの言う通り、もどかしいな。


「じゃから、アヤネのお節介で2人がくっつけば、もどかしい思いとはおさらば出来るかも知れん」

「そうか、それは良い事……なのか?」


仮に2人が付き合ったとして……考え付くのは。

イチャイチャっぷりを見せられて、またイライラするんじゃないか?


と考えたが、それを言うのは止めた。

だって、ロアもそれは分かってそうだからだ。


「まっ、だとしてもアヤネのする行為は、完全なるお節介じゃがな」

「ははは……ハッキリ言うんだな」

「当たり前じゃ、わらわは隠し事は……せんよ」


おい、今間を開けたな? しかも、視線を反らせたな? 明らかにばつの悪そうな顔してたぞ。


してるんだな……隠し事。

まぁ、それについては追求しないでおこう。


「とっ兎に角じゃ……その、わらわが今すべき事は、天に任せる事じゃな。アヤネのお節介で2人が付き合えば、それはそれで万事解決じゃ」

「そうだな。新しいカップルが出来るのは悪い事じゃないもんな……」


俺の言葉を聞いたロアは微笑んで「そうじゃな」と呟く。

しかしその後、うってかわって苦笑いする。


「まぁ……もしメェが鬼騎に告白したら、確実に鬼騎は挙動不審になって可笑しい事になるじゃろう」

「そっそうだな……目とか泳ぎまくるだろうな」


最悪気絶するかもしれない……無くはない話だ。

だから笑ってはいけない。


「まっ、鬼騎も告白されたらビシッ! と答えを言える位の勇気は持ってるじゃろう」

「そう……なのか?」

「そうじゃよ、鬼騎はヘタレじゃが決める所では決める男じゃよ」


くふふふっと誇らしげに笑うロアはソファから立ち上がる。

……なぜロアが誇らしげなのかは知らないが、そうだよな。

鬼騎ならビシッ! と決めるだろう、俺もそう思うよ。


「では、そろそろ再開するかの」

「あぁ」


ロアの言葉を聞いて、俺もソファから立ち上がり部屋から出ていく。


メェと鬼騎の告白の事も大事だが、こっちもこっちでやらない事がある。


アヤネもヴァームに犯人探しを頼まれたんだから探さないといけないんだが……。


メェの事を気にしていて大丈夫なのか?

心配しながら宛の無い犯人探しをする……まぁ、アヤネなら上手くやれるだろう。


俺はそう考える事にして、犯人探しに集中するのであった。

告白って、本当に恥ずかしくてドキドキする事だと思います。

さぁ、アヤネさん……どうするつもりなんでしょうね?


今回も読んで頂きありがとうございました。

次の投稿日は10日0時になります。

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