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どうやら魔王は俺と結婚したいらしい  作者: わいず
3グループ三様の日常風景
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「ロアお前は……っ!」


少し身を乗り出して言う俺、ロアはそんな俺を見て驚く様子を見せた。

俺が次に言う言葉は、「ナハトなのか?」言ってる意味が分からないのは自分でも分かってる。


だが、他の言葉が見付からなかった。

だからこの言葉を言う、ロアがもし、ナハトだったら……何らかの反応をとる筈だ。


そう思いつつもその言葉を言う俺、だがその途中の事だった。


チリンチリン……。

鈴の音が鳴った、同時に聞き覚えのある声が聞こえてきた。


「おぉ、魔王城の城下町の喫茶店……内装は普通のと変わらない」

「あぁもぅっ、いい加減降ろすですよ! 呑気に店内の感想なんか言ってんじゃねぇです」


その声で、俺の言葉が途中で途切れてしまう。

仕方ない、だってそいつ等は、ぎゃいぎゃい騒がしくここに入って来たからだ。

口を閉じてしまうのは当たり前だ。


と言うかこの声、見なくても分かる。

……アヤネとメェだ、こんな時になんで来るんだよ。

お陰で、大切な事を聞けなかった。


いや、待てよ? ここで言うのを止めなくても良いんじゃないか?

ほら、ロアはアヤネとメェの声を聞いて「くっ……タイミングの悪い奴等じゃ」と言って顔をしかめてはいるが、俺の次の言葉が気になるのか、表現を変えて。


「……で、わらわがなんじゃって?」


と聞いてくる。

向こうも聞きたがってる、ならば言おう。

ここで、止める理由にはならない、あいつ等だって、まさか俺とロアがここにいるとは思わないし、見付けると言うのは……無くは無いが……そっそんな本みたいな事にはならないだろう。


よしっ、ここはパパっと言ってしまおう。

そう考えた俺は、心を落ち着けてあの言葉の続きを言おうとした。


「ロア」

「なんじゃ?」

「お前は……」

「うっうむ」

「ナハ」


んだが、ある事が突然訪れた。


「っ!」

「うぇっ……めぎゃっ! 」


べしゃっ……。

何かを落とした音が聞こえる。

そして、メェの悲鳴が聞こえた。


「ちょっ、降ろすなら、ちゃんと降ろすですよ!」

「メェちゃん静かに」

「えっえぇ……」


あっ相変わらずフリーダムな物言いが聞こえる。

って、何を気にしているんだ、早く次の言葉を言わないと……。


「……シルクの匂いがする」


いけないのに、不吉な言葉が聞こえた。

俺の匂いがする、だと? ははは、いやいや、犬じゃあるまいし、人の匂いを感じる訳が……。


「……あ、やっぱりいた」


無いと思ったのに、アヤネはトコトコと歩いて俺の前に現れた。


「こらっ、ちょっと待つですよ……っ!」


遅れてメェも現れた。

アヤネに何かを言おうとしたが、俺とロアを見て顔付きが変わる。


「ろっロア様!? とシルク」


いるって思わないからそんな反応とるよな、でも……。


「シルク、なんでロアと一緒にいるの?」


腰に手を当てて、むっとした顔を見せてくる。


「え? なんでって……えと」


アヤネの言葉に答えようとすると、俺をソファの方に押し付けて、身を乗り出してアヤネに食って掛かる。


「そんなもん答える必要など無いわ!」


まるで、威嚇する犬みたいだ。

……ロア、胸が俺の胸に当たってる。

喋るなら身を乗り出さないでくれ。


ガタッ……。

その時だ、ロアとアヤネが騒がしい中で、前の席にメェが座ってくる。


かなり不満げな顔をしてる。


「……シルク、ちょっと寄って」


そんな事が気になっていると、アヤネが動きを見せた。

つかつか、と俺の近くに寄ってきて、両手で俺を押してくる。


「え? うおっ……おっ押すな! ごっ強引に座るな!」

「アヤネ! 何をシルクの隣に座ろうとしとるんじゃぁっ!」


アヤネの押す力は強い、俺の隣にはロアがいるのに、押されてしまってる。

俺やロアの声を無視して、押すのを続ける。

充分に座れるスペースがとれると、満足した顔で座わる。


「ふぅ……満足」

「そっそうか……」

「くっ、せっ狭いっのじゃ……」


なんだろう、ここは怒るところなんだろうが……アヤネの満足げな顔を見たら怒る気が無くなった。


相変わらず、マイペースな奴だなぁ。

って……俺、見事に大切な話を言い損ねてるじゃないか!

くっ……アヤネとメェがいたら話せない。


ここは話すのを先伸ばしにした方が良いのかも知れない。

そう考えた俺は、この状況に苦笑いした。

今回、話の切り方が強引で申し訳ないです……。

と、ネガティブな話はおいといて。


今回はどうでしょうか?

シリアス? な感じは何処かへ飛んで行きましたね。

次回からは騒がしくなるのでしょうか?


今回も読んでいただきありがとうございました。

次の投稿日は明日ですよー。

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